とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

文字の大きさ
221 / 564

第220話 実験結果

しおりを挟む
 私は久しぶりに正体を見破られてしまい、硬直してしまう。
 が、初めてではないので直ぐに口を開いた。

「何の冗談を言っているんですか? 俺は男ですよ? 変な冗談は言わないでください」

 私は少し不機嫌そうな態度で、フェンに言い返した。
 こうする事で自分は女子ではないと反論しつつ、これ以上の追求は余計に私を不機嫌にさせる事になると伝えられると考えて不機嫌な態度をとったのだ。
 だがフェンは、そんな私の考え通りにはいかず私に近付いて来て追求をし始めた。

「おかしいですね。私のこの魔道具ゴーグルでは、相手の体型数値を算出するのですが、貴方の数値は完全に女性のもなのですよ」
「体型数値?」
「はい、このゴーグルでは相手の魔力を読み取り、体型をスキャンして数値を出しているのです。今までに何人も見たデータから、間違いはないのですよ。ちなみに、貴方のスリーサイズは上から――」
「あっー! あぁ! あー!」
「? どうしたのです? 急に声を出して、私の話を遮る様な事をして」

 いやいや、急にスリーサイズの話なんかし出して、それを言おうなんてするかでしょ!
 するとフェンは、私から離れて付けていたゴーグルを触りだした。
 はぁ~……何なのこの先輩は? 何と言うか、今までに会った事がないタイプの人でどうしていいか分からない。
 私はひとまず一度深呼吸して、状況を整理し、目の前のフェンが私を女性だと見破ったがそれを言いふらそうとしている訳でも、追求してくる訳でもないと現状を理解した。
 となると、ここは無理に男であると通すよりも、女性だと言ってしまい黙ってもらう方がよさそうだ。
 話した感じ、魔道具への信頼は強いしあのゴーグルがどう言うのかは詳しく分からないけど、それをごまかすのは難しそうだし、名前もバレてないし、女性だと言って秘密にしてもらう様に頼めば行けそうな気がするんだよな。
 そんな事を考えつつ、私はフェンへと話し掛けようとしたが、先にフェンが話し始めてしまう。

「うん、ゴーグルの不調ではないようですので、貴方が女性と言うのは間違ってないと思います。まぁ、そもそも私は貴方が男性だろうが、女性だろうが知った事ではないのでどちらでもいいのですけど」
「へぇ?」

 そう言うとフェンは、先程まで調整をしていた魔道具へと視線を向けて調整の続きを始めた。
 私は急に興味が無くなったフェンに呆気にとられていた。
 ど、どっちでもいい? え、女子が男装して学院にいる事がどっちでもいいって……え? 結構衝撃な事じゃない? 私が言うのも変だけど。
 するとフェンは、魔道具の調整が終わったのかそれを手にして私の方を向いた。

「それでは魔道具の調整も終わりましたので、早速試して頂きますね」
「あ、あの。さっき言った、どっちでもいいって言うのは……」
「言った通りですけど。私は魔道具もしくは、それに関する情報やデータなどにしか興味がないのですよ。ですか、貴方がどうして男装をしているのかとか、それに対しての追求は興味がないのでしませんよ。それに、人には色々な事情があるものですからね」
「それは、ありがたいですけど……って、何勝手に付けてるんですか!?」

 私がフェンの考えに相槌をうって返事をしていると、フェンはそんなの関係なしに私の右手首に先程まで調整していたブレスレット型の魔道具を取り付けて来た。

「それは魔力性別判定機と言う物です。貴方は魔力は性別関係なく、同じ物だと思っていますか?」
「え? え~っと、そうですね、俺は魔力と言う物にも少し違いはあるんじゃないかと思いますよ」

 私は急にされた問いかけに、普通に答えるとフェンは「ほぉ~」と呟いた。

「良い考えを持ってますね。ちなみに私も似たような考えです。ですが、世の中には魔力を知覚的に見られる魔道具はないです。そこで私が作ったのが、対象者の魔力をデータ化して男性的な魔力か女性的な魔力かを判別する魔道具がそれなのです」
「男性や女性的な魔力を判別って、どう言う事ですか?」
「ふふふ、興味が湧いて来たようですね」
「あっ」

 私は普通にフェンの話を聞き言ってしまい、質問し返していた事に気付く。
 が、ここまで来たらそのまま話を聞かないとモヤモヤすると思って私はフェンからの答えを待った。

「貴方は男性と女性で使えやすい魔力の特徴を知ってますか?」
「はい知ってますよ。魔力分類の事ですよね」
「そうです。魔力分類は力・技量・質量・治療・創造・制御の6つで前半3つが男性が使いやすく、後半3つが女性が使いやすいものとされています。それを私は男性的、または女性的と言い換えているだけです」

 それを聞いて私は、何となくフェンが創り出した魔道具について理解した。
 要は、私に取り付けたブレスレット型の魔道具が私の魔力を読み取り、既にデータとして詰め込んだブレスレット型の魔道具がそれと照らし合わせて、男性的な魔力なのか女性的な魔力なのかを判定する物なのだろう。
 私は勝手にそう理解した事をフェンに伝えて確認すると、フェンは大きく頷いた。

「そうです! そうです! そう言う事です! うん、私を話しをこうも直ぐに理解出来るとは、素晴らしい知識や柔軟な考えをお持ちですね」
「そうですかね?」
「理解も出来ているのであれば、後は実施して感じてみるだけですね。では早速、実験開始!」
「実験?」

 私がその言葉に引っかかり口に出すも、フェンは止まることなく私に付けたブレスレット型の魔道具のスイッチを押した。
 するとブレスレット型の魔道具が光だし、青と赤の色が交互に点滅し出す。

「うんうん、順調に動いていますね。今は貴方の魔力を読み取っている段階です」
「フェンさん、現状を解説するよりもさっき実験って言いましたか?」
「はい、言いましたよ。そのブレスレット型の魔道具は、初めて私以外の人で試すのでそう言いました」
「えっ……だ、大丈夫なんですよね?」
「大丈夫かと訊かれると、絶対に大丈夫とは言えませんね。でも安心して下さい、私では既に100回は試して既に危険な事が起こらない様に調整はしてますので。起こっても、軽度な状態異常だけですよ」
「いやいや、そんな笑顔で言われても危険性があるのに変わりないじゃないですか!」

 私はフェンに魔道具を止める様に言うが、一度動かし始めた物は止められないと言われる。
 更には強引に外そうとすると何が起こるか分からないので、それだけはしない様に釘を刺される。
 私はもう何もする事が出来ず、ただただ無事に付けられた魔道具が終了する事を願うだけであった。
 お願いだから、何事もなく終了して!
 そして、ブレスレット型の魔道具の点滅が終了し赤色で止まった。

「赤色ですか。貴方の魔力は女性的な魔力と言う事ですね」
「ふ~無事に終わったって事ですよねこれ?」
「そうですね。一応データだけ取らせて下さい」

 そう言ってフェンが私の右手首に付けたブレスレット型の魔道具に手を伸ばした時だった。
 突然私の体全体に微弱な静電気が走った。
 っ!? な、何今の? 弱い電気が流れた感じだったけど、特に何か動かないって訳じゃない。
 私は両手の手を握って開いてを繰り返した。
 何ともない、よね……

「どうかしましたか?」
「いえ、その急に体全体に弱い電気が走った感覚になって」
「……それで、何か違和感とかありますか? 気になる事とか?」
「えっ? いや、特には……あ~でも、少し体が熱いかもしれないです」

 するとフェンは自身のゴーグルに片手を当てる動作と取って、暫くしてその手を離した。

「うん。先に伝えると、今回の実験は成功しましたが、最後で失敗しました」
「えっ!? ちょっ、どう言う事ですか!?」
「原因は不明ですが、魔道具の暴走と言いましょうか。その影響で、貴方の魔力に影響が及び少し魔力が変化しています。でも安心して下さい、今日の夕刻くらいには元も戻る予想ですので」

 フェンが冷静にそう言って来るが、私は今自分の体に何が起こっているのか分からずフェンに詰め寄るが、その時に少し頭部に違和感を感じだ。
 違和感と言うのは、少し頭が重くなった様な感覚であった。
 が、小さな違和感であったので気にせずにフェンに詰め寄った。

「落ち着いて下さい。え~っと名前は……」
「クリスだ! って落ち着けるかよ! 自作魔道具の実験台にされて失敗して、更には変な影響まで受けてるんだぞ!」
「クリス、影響については貴方の魔力が女性特有の魔力に変化しただけですよ。その影響で、既に髪も伸びていて体型も少しだけ胸のあたりが膨らんでいるだけです。それだけですよ」
「……はぁ!?」

 そして私はフェンが近くにあった鏡を私に向けて来て、そこで初めて私は自分の髪が伸びている事と体型が女性的になっている事を初めて理解した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。 結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。 転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。 しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……! 「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」 農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。 「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」 ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)

9回巻き戻った公爵令嬢ですが、10回目の人生はどうやらご褒美モードのようです

志野田みかん
恋愛
アリーシア・グランツ公爵令嬢は、異世界から落ちてきた聖女ミアに婚約者を奪われ、断罪されて処刑された。殺されるたびに人生が巻き戻り、そのたびに王太子マクシミリアンはミアに心奪われ、アリーシアは処刑、処刑、処刑! 10回目の人生にして、ようやく貧乏男爵令嬢アリーに生まれ変わった。 もう王太子や聖女には関わらない!と心に決めたのに、病弱な弟のために王宮の侍女として働くことに。するとなぜか、王太子マクシミリアンは聖女ミアには目もくれず、男爵令嬢アリーを溺愛し始めて……。 (頭を空っぽにして笑えることを目指したコメディです。2020年に執筆した作品です。本作を読みたいというお声があったため再掲します)

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

処理中です...