愛されることを諦めた途端に愛されるのは何のバグですか!

雨霧れいん

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その場にいるだけ

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食事場所には、すでに両親が座っていた。
先程まで和やかな雰囲気で雑談していたのに、僕が来た途端会話を止める。あらかた、僕の悪口で盛り上がっていたのだろう。

「リィル。早く席に着きなさい、食事が覚めてしまうわ。」

「母上、おはようございます。父上も」

「あぁ、おはよう。...、メウィル挨拶は?」

出来れば無視したいところだけど、挨拶しないのは不敬罪に取られるかもしれない。まだ犯罪者になるわけにはいかない。

「おはようございます。公爵閣下」

父親だとも思いたくない男に渋々挨拶をする。だけれど、不機嫌さを前面に出して挨拶してしまえばこの家族と同類になってしまう。一応、地位も頭脳もあるひとだから最低限の敬意は示そうと思う。

「........食事を運べ」

自分から挨拶させといて返事しないとか何様なわけ???
イラつく心を抑え込んで、何とか表情を変えないよう努力する。ここで、ニコニコと笑っていたらいつもと変わらない。だから、決して笑うことはないように。


普段、僕しか話さない食卓の空気は冷めきっていた。
少し、兄から視線を感じる気がするが気のせいだろう。僕の事なんて、誰も興味ない。見られただけで、期待してたあのころとは違う。

僕は早々に食事を食べ終え、部屋から退出した。ドロシーは公爵閣下に日々の報告があるらしいから先に帰らせてもらった。

____

ドロシー視点



私にはずっと分からなかった。
メウィル様は別に反抗的な態度を取ったわけでもない、メウィル様のせいで誰かが死んだことだってない。恨まれることなど、何一つとしてしていないのに。

「旦那様、1人のメイドの言い分なんて煩わしいかと存じます。ですが、私には分かりかねるのです。何故、あんなにやさしいメウィル様を冷遇するのですか?」

旦那様は”ふぅ..”と一息ついてから答えた。

「子供っぽくないだろう。あまり可愛いと思える節がなかった。」

まさか、それだけ?
確かに、昔からメウィル様はどこか俯瞰的で、大人のような振る舞いをした。多くの子供のように、無邪気に走り回るよりは読書を好んだ。でも、それだけだなんて。

「お言葉ですが旦那様、最低です。まさか、それだけですか⁉︎メウィル様は何もしていないのに....」

「私のことなんて、不敬だと思ったのならば好きにクビにしてください。ですが....メウィル様があまりにも、」

"かわいそうです..."今にも消え入りそうな声だった。
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