115 / 136
正体
しおりを挟む
Side:犬飼
資料室に籠っていたら、いつの間にか夜が明けていた。椅子に座ったまま寝ていたようで机から起き上がると枕にしていた資料が幾つも落ちる。
『やべ、これ処理するやつじゃん』
シュレッダーに資料を何枚か掛けると纏めた文章のチェックをしてからパソコンを畳む。薄暗い資料室から出ると何処からか軽快な音楽が流れる。
宋平くんが来てから、あのAIはどんどん進化する。止まっていた時が嘘のように。彼の好きなものを吸収して、彼の好みを学習する。
『クリスマス、ねぇ』
今日は宋平くんを解雇する日。別れの日。
だが、流れが少し変わってきた。どうやら昨日の件もあり我らがボスは彼を手放すことが出来なくなってきたらしい。
大変良い傾向だ。そのまま手放さないでほしい。
『おや。珍しい』
エレベーターに乗ろうとしたところ、現れたのは魚神兄弟だ。二人して何やら大きな荷物を抱えているがその顔は活き活きとしていて楽しげ。
『おはようございますネ、犬飼。…髪ボサボサだネ。シャワー浴びてきたら?』
『メリクリだヨ! はは! 本当だヨ、また寝落ちした顔付きだヨ~』
はは、と愛想笑いを返して一緒にエレベーターを待つと荷物の正体について聞くことができた。
『これ? 新居のアレやコレ。いやぁ、広いから色々と弄れて最高だネ。此処も結構良かったけど縦移動が面倒だったからネ』
『何度飛び降りた方が早いと思ったか、わからないヨ』
流石は人外兄弟、発想が普通じゃないと思っていたらエレベーターが到着した。そこにはコートを脱いで腕に持つ覚がいた。
『おや! こちらもだネ、お疲れ様』
『メリクリだヨ、覚』
『お疲れ様です、皆さんお揃いで。…ふふ、クリスマスを祝い合うなんてなんだかんだ初めてですね』
確かに。今まではそんなものに感心もなかったし、それがどうしたという雰囲気だった。
でも今は、そうじゃない。アジトの飾り付けもパーティーも全部一人の為にやってる。
『刃斬君はボスのところとして、後は猿だけいないわけだネ』
『ああ。猿石でしたら、おつかいです。近くですからすぐに戻るかと。宋平も来るから全速力で帰って来るでしょうね』
今日のことを知らない猿石だ。どうなるかはわからないが、上手くいかなければ相当荒れるだろうと想像は付く。エレベーターはすぐにボスのフロアに到着し、中に入ると四人も同時に来たもんだから刃斬サンがギョッとしつつすれ違う。
『あ。刃斬さん、それ宋平の…。修理出来ました? パジャマも自分が持って行きます。仮眠室で良かったですか?』
『ああ。少し直した跡が残りそうだが、なんとかなるだろ。これは兄貴からのお下がりだって言ってたから大切なもんだろうしな』
血も綺麗に落とされたそれはかなり力を入れて修復したらしい。泊まることを見込んでパジャマも用意している辺り、やはり撤回されるんじゃないかと年甲斐もなくワクワクしてしまう。
『ボス。明日引き渡しの、あのゴーグル男について更に調べておきましたよ。
…色々とわかったことがあります。向こうの言葉は通訳に時間が掛かるし、あの男は殆ど黙秘。一応人質ですから取り調べは慎重にしてましたけど』
チラっと魚神弟の方を見ると、結局奴の尋問を担当出来なかった為か若干ガッカリしたような顔だ。
…この人に任せれば色々吐かせられるんだけど…、人質だから再起不能にしたら困るんだよねぇ。
『何かわかったか』
『はい。色々と探りを入れて、…ですが仮定です。証拠となるものはありません』
『俺たちが何の理由もなく負けたのが何よりの証拠だろ』
それは違いない。
パソコンを開くと内容をスクリーンに映し出して説明を始める。海外の資料や写真などを纏めて出したそれらを全員が興味深そうに眺めた。
『ボスと刃斬サンを負かしたという時点で、世界にある可能性は二つ。二人以上のアルファか…世界で数列しか確認されていない、バランサーか。
前者の可能性は高いんですけどね。…でも、それだと現在されるがままなのが不思議で。後者でも矛盾点があります。バランサーであるのならば、それこそ誰にも負けないはずなんで。
で。導き出されたのが、コレですね』
とある画家が描いた一枚の絵。そこには一人の男が天上から降りて来た神だか天使だかのような者に膝を付いて何かを掲げているような古い絵。
題名は返納。
『…バランサーという人間は、ある日。突如としてその力を失ってしまう者がいるとされています。その理由は不明ですが、文献によれば神の気まぐれだとか裁定者として相応しくなくなったとか。
彼らは古くから争いに巻き込まれる定めにあります。だから返納という力を使って三つの内、何れかの性別に転換するのは自らの意志でも出来ると。そもそも数も少な過ぎて資料もなし、政府によって徹底的に情報規制がされていますね』
だが、それだけ秘密にするということは…やはりバランサーは存在するということ。確かに政府にもそれらしきを隠すような部分が幾つもある。
法律にもしっかり、バランサーについては記載されているのだから。
『…それでも、ずっと引っ掛かってるんですよね』
古城襲撃事件の襲撃者たちは、どれも他国の訓練を受けた者。中には元軍属もいた。あのゴーグル男も同様で推定バランサーでありながら身体も鍛えていた。
…そんな男に向き合い、まぁボロボロにはされたがボスを守り切った子ども。
前々からずっと思ってた。有り得ない、と。
『事情はあるにしても、兄弟に相当大切にされていて…ある程度は身体を鍛えている。いえ…鍛えざるを得なかった体質。アルファやオメガがどんなにフェロモンをぶつけても動じない。
もしかして、あの子』
馬鹿馬鹿しいかもしれない。何故って、そらそうだ。だって彼らは一人存在するだけでも奇跡みたいな存在なのに。
でも、考えれば考えるほど辻褄が合う。
『あの子は、バランサーなのでは?』
五歳でバース性検査が行われる世の中、それを受けないというのは殆どない。何故なら政府から勧告が来るのが普通で…だから彼は事故のせいでそれを受けることが出来なかった。
だからバランサーだとすぐに特定されず、かなり育った状態で発覚したのだろう。通常だと次の検査は十歳。その頃だと、丁度ある時期に合致する。
『…調べたんです。辰見がこの辺に越して来た時期。それでわかったんですよ、宋平くんが十歳頃…今から五年前ですね。
学校で再検査の通知を受けて最寄りの病院に行った際、丁度奴が県外から異動してるんですね。バース性専門の奴が担当してます。…皆も見てるでしょう、奴が異様なほどに宋平くんを気にしているのを』
思わず口元に手を当てる覚に、互いに目を合わせる双子。偶然にしては出来過ぎている事柄。
しかし、誰よりも動揺していたのは意外な人物だった。
『恐らく辰見は彼の正体を知っている。だからあんなに過保護な上に昔からよく知ってた。五年前からなら納得です。
あの夜。バランサー同士がぶつかり合い、多分宋平くんが競り勝ったんです。バランサーとしての格が上回り、ゴーグル男を負かした。
…あくまで、自分の仮定です。勿論、彼がバース性の鈍い者という可能性もありますよ』
バサバサと資料を落として机に身体をぶつける姿にどうしたのかと声を掛ける。いつもの冷静な姿からは想像も出来ないような動揺っぷりを見せたその人…、刃斬サンは慌ててパソコンを開いてから何か作業を始める。
やがて、部屋に聞き慣れた起動音がした。
『っバースデイ!! お前知ってたのか?!』
天井に向かって声を上げる刃斬サン。突然の大声にワタシたちがビクつく中、彼は只管声を上げる。
『答えろ!!』
【…彼は、ベータの方です】
中性的な声で紡がれるAIの言葉に、刃斬サンは目を見開いてから近くの壁を殴る。
だが、バースデイは続けた。
【ですが。
彼の瞳、彼の指紋…それからあらゆるデータを収集しバースデイは彼の遺伝子データが真の主人と限りなく近いと導き出しました。しかし、近くはあっても本人ではないとわかっています。
…申し訳ありません。申し訳ありません。バースデイは、役目を果たせません】
謝罪を繰り返すバースデイに、刃斬サンはもう良いと一言だけ述べてからパソコンを使ってバースデイを止めようとした。
だが、次の瞬間。アジト全体に流れる警報。
襲撃かと身構えるがアジト内の全てのテレビが点いてあるチャンネルに切り替わっていく。こんな芸当はバースデイにしか出来ない。刃斬サンが暴走を止めようと声を掛けた瞬間…画面に、信じ難いものが流れる。
【国家転覆の容疑が掛けられたこの少年。バランサーは、あらゆる者を洗脳出来る力を持つとされ、その力は未知数。見かけた方は直ちに通報を。
番組でも情報を集めます。お電話はこちら、SNSではキーワードを入力しての投稿を…】
その日、
ワタシたちは一番最悪な形で、真実を知ることになった。
.
資料室に籠っていたら、いつの間にか夜が明けていた。椅子に座ったまま寝ていたようで机から起き上がると枕にしていた資料が幾つも落ちる。
『やべ、これ処理するやつじゃん』
シュレッダーに資料を何枚か掛けると纏めた文章のチェックをしてからパソコンを畳む。薄暗い資料室から出ると何処からか軽快な音楽が流れる。
宋平くんが来てから、あのAIはどんどん進化する。止まっていた時が嘘のように。彼の好きなものを吸収して、彼の好みを学習する。
『クリスマス、ねぇ』
今日は宋平くんを解雇する日。別れの日。
だが、流れが少し変わってきた。どうやら昨日の件もあり我らがボスは彼を手放すことが出来なくなってきたらしい。
大変良い傾向だ。そのまま手放さないでほしい。
『おや。珍しい』
エレベーターに乗ろうとしたところ、現れたのは魚神兄弟だ。二人して何やら大きな荷物を抱えているがその顔は活き活きとしていて楽しげ。
『おはようございますネ、犬飼。…髪ボサボサだネ。シャワー浴びてきたら?』
『メリクリだヨ! はは! 本当だヨ、また寝落ちした顔付きだヨ~』
はは、と愛想笑いを返して一緒にエレベーターを待つと荷物の正体について聞くことができた。
『これ? 新居のアレやコレ。いやぁ、広いから色々と弄れて最高だネ。此処も結構良かったけど縦移動が面倒だったからネ』
『何度飛び降りた方が早いと思ったか、わからないヨ』
流石は人外兄弟、発想が普通じゃないと思っていたらエレベーターが到着した。そこにはコートを脱いで腕に持つ覚がいた。
『おや! こちらもだネ、お疲れ様』
『メリクリだヨ、覚』
『お疲れ様です、皆さんお揃いで。…ふふ、クリスマスを祝い合うなんてなんだかんだ初めてですね』
確かに。今まではそんなものに感心もなかったし、それがどうしたという雰囲気だった。
でも今は、そうじゃない。アジトの飾り付けもパーティーも全部一人の為にやってる。
『刃斬君はボスのところとして、後は猿だけいないわけだネ』
『ああ。猿石でしたら、おつかいです。近くですからすぐに戻るかと。宋平も来るから全速力で帰って来るでしょうね』
今日のことを知らない猿石だ。どうなるかはわからないが、上手くいかなければ相当荒れるだろうと想像は付く。エレベーターはすぐにボスのフロアに到着し、中に入ると四人も同時に来たもんだから刃斬サンがギョッとしつつすれ違う。
『あ。刃斬さん、それ宋平の…。修理出来ました? パジャマも自分が持って行きます。仮眠室で良かったですか?』
『ああ。少し直した跡が残りそうだが、なんとかなるだろ。これは兄貴からのお下がりだって言ってたから大切なもんだろうしな』
血も綺麗に落とされたそれはかなり力を入れて修復したらしい。泊まることを見込んでパジャマも用意している辺り、やはり撤回されるんじゃないかと年甲斐もなくワクワクしてしまう。
『ボス。明日引き渡しの、あのゴーグル男について更に調べておきましたよ。
…色々とわかったことがあります。向こうの言葉は通訳に時間が掛かるし、あの男は殆ど黙秘。一応人質ですから取り調べは慎重にしてましたけど』
チラっと魚神弟の方を見ると、結局奴の尋問を担当出来なかった為か若干ガッカリしたような顔だ。
…この人に任せれば色々吐かせられるんだけど…、人質だから再起不能にしたら困るんだよねぇ。
『何かわかったか』
『はい。色々と探りを入れて、…ですが仮定です。証拠となるものはありません』
『俺たちが何の理由もなく負けたのが何よりの証拠だろ』
それは違いない。
パソコンを開くと内容をスクリーンに映し出して説明を始める。海外の資料や写真などを纏めて出したそれらを全員が興味深そうに眺めた。
『ボスと刃斬サンを負かしたという時点で、世界にある可能性は二つ。二人以上のアルファか…世界で数列しか確認されていない、バランサーか。
前者の可能性は高いんですけどね。…でも、それだと現在されるがままなのが不思議で。後者でも矛盾点があります。バランサーであるのならば、それこそ誰にも負けないはずなんで。
で。導き出されたのが、コレですね』
とある画家が描いた一枚の絵。そこには一人の男が天上から降りて来た神だか天使だかのような者に膝を付いて何かを掲げているような古い絵。
題名は返納。
『…バランサーという人間は、ある日。突如としてその力を失ってしまう者がいるとされています。その理由は不明ですが、文献によれば神の気まぐれだとか裁定者として相応しくなくなったとか。
彼らは古くから争いに巻き込まれる定めにあります。だから返納という力を使って三つの内、何れかの性別に転換するのは自らの意志でも出来ると。そもそも数も少な過ぎて資料もなし、政府によって徹底的に情報規制がされていますね』
だが、それだけ秘密にするということは…やはりバランサーは存在するということ。確かに政府にもそれらしきを隠すような部分が幾つもある。
法律にもしっかり、バランサーについては記載されているのだから。
『…それでも、ずっと引っ掛かってるんですよね』
古城襲撃事件の襲撃者たちは、どれも他国の訓練を受けた者。中には元軍属もいた。あのゴーグル男も同様で推定バランサーでありながら身体も鍛えていた。
…そんな男に向き合い、まぁボロボロにはされたがボスを守り切った子ども。
前々からずっと思ってた。有り得ない、と。
『事情はあるにしても、兄弟に相当大切にされていて…ある程度は身体を鍛えている。いえ…鍛えざるを得なかった体質。アルファやオメガがどんなにフェロモンをぶつけても動じない。
もしかして、あの子』
馬鹿馬鹿しいかもしれない。何故って、そらそうだ。だって彼らは一人存在するだけでも奇跡みたいな存在なのに。
でも、考えれば考えるほど辻褄が合う。
『あの子は、バランサーなのでは?』
五歳でバース性検査が行われる世の中、それを受けないというのは殆どない。何故なら政府から勧告が来るのが普通で…だから彼は事故のせいでそれを受けることが出来なかった。
だからバランサーだとすぐに特定されず、かなり育った状態で発覚したのだろう。通常だと次の検査は十歳。その頃だと、丁度ある時期に合致する。
『…調べたんです。辰見がこの辺に越して来た時期。それでわかったんですよ、宋平くんが十歳頃…今から五年前ですね。
学校で再検査の通知を受けて最寄りの病院に行った際、丁度奴が県外から異動してるんですね。バース性専門の奴が担当してます。…皆も見てるでしょう、奴が異様なほどに宋平くんを気にしているのを』
思わず口元に手を当てる覚に、互いに目を合わせる双子。偶然にしては出来過ぎている事柄。
しかし、誰よりも動揺していたのは意外な人物だった。
『恐らく辰見は彼の正体を知っている。だからあんなに過保護な上に昔からよく知ってた。五年前からなら納得です。
あの夜。バランサー同士がぶつかり合い、多分宋平くんが競り勝ったんです。バランサーとしての格が上回り、ゴーグル男を負かした。
…あくまで、自分の仮定です。勿論、彼がバース性の鈍い者という可能性もありますよ』
バサバサと資料を落として机に身体をぶつける姿にどうしたのかと声を掛ける。いつもの冷静な姿からは想像も出来ないような動揺っぷりを見せたその人…、刃斬サンは慌ててパソコンを開いてから何か作業を始める。
やがて、部屋に聞き慣れた起動音がした。
『っバースデイ!! お前知ってたのか?!』
天井に向かって声を上げる刃斬サン。突然の大声にワタシたちがビクつく中、彼は只管声を上げる。
『答えろ!!』
【…彼は、ベータの方です】
中性的な声で紡がれるAIの言葉に、刃斬サンは目を見開いてから近くの壁を殴る。
だが、バースデイは続けた。
【ですが。
彼の瞳、彼の指紋…それからあらゆるデータを収集しバースデイは彼の遺伝子データが真の主人と限りなく近いと導き出しました。しかし、近くはあっても本人ではないとわかっています。
…申し訳ありません。申し訳ありません。バースデイは、役目を果たせません】
謝罪を繰り返すバースデイに、刃斬サンはもう良いと一言だけ述べてからパソコンを使ってバースデイを止めようとした。
だが、次の瞬間。アジト全体に流れる警報。
襲撃かと身構えるがアジト内の全てのテレビが点いてあるチャンネルに切り替わっていく。こんな芸当はバースデイにしか出来ない。刃斬サンが暴走を止めようと声を掛けた瞬間…画面に、信じ難いものが流れる。
【国家転覆の容疑が掛けられたこの少年。バランサーは、あらゆる者を洗脳出来る力を持つとされ、その力は未知数。見かけた方は直ちに通報を。
番組でも情報を集めます。お電話はこちら、SNSではキーワードを入力しての投稿を…】
その日、
ワタシたちは一番最悪な形で、真実を知ることになった。
.
175
あなたにおすすめの小説
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
【完結】少年王が望むは…
綾雅(りょうが)今年は7冊!
BL
シュミレ国―――北の山脈に背を守られ、南の海が恵みを運ぶ国。
15歳の少年王エリヤは即位したばかりだった。両親を暗殺された彼を支えるは、執政ウィリアム一人。他の誰も信頼しない少年王は、彼に心を寄せていく。
恋ほど薄情ではなく、愛と呼ぶには尊敬や崇拝の感情が強すぎる―――小さな我侭すら戸惑うエリヤを、ウィリアムは幸せに出来るのか?
【注意事項】BL、R15、キスシーンあり、性的描写なし
【重複投稿】エブリスタ、アルファポリス、小説家になろう、カクヨム
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
うそつきΩのとりかえ話譚
沖弉 えぬ
BL
療養を終えた王子が都に帰還するのに合わせて開催される「番候補戦」。王子は国の将来を担うのに相応しいアルファであり番といえば当然オメガであるが、貧乏一家の財政難を救うべく、18歳のトキはアルファでありながらオメガのフリをして王子の「番候補戦」に参加する事を決める。一方王子にはとある秘密があって……。雪の積もった日に出会った紅梅色の髪の青年と都で再会を果たしたトキは、彼の助けもあってオメガたちによる候補戦に身を投じる。
舞台は和風×中華風の国セイシンで織りなす、同い年の青年たちによる旅と恋の話です。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
【完結】トラウマ眼鏡系男子は幼馴染み王子に恋をする
獏乃みゆ
BL
黒髪メガネの地味な男子高校生・青山優李(あおやま ゆうり)。
小学生の頃、外見を理由にいじめられた彼は、顔を隠すように黒縁メガネをかけるようになった。
そんな優李を救ってくれたのは、幼馴染の遠野悠斗(とおの はると)。
優李は彼に恋をした。けれど、悠斗は同性で、その上誰もが振り返るほどの美貌の持ち主――手の届かない存在だった。
それでも傍にいたいと願う優李は自分の想いを絶対に隠し通そうと心に誓う。
一方、悠斗も密やかな想いをを秘めたまま優李を見つめ続ける。
一見穏やかな日常の裏で、二人の想いは静かにすれ違い始める。
やがて優李の前に、過去の“痛み”が再び姿を現す。
友情と恋の境界で揺れる二人が、すれ違いの果てに見つける答えとは。
――トラウマを抱えた少年と、彼を救った“王子”の救済と成長の物語。
─────────
両片想い幼馴染男子高校生の物語です。
個人的に、癖のあるキャラクターが好きなので、二人とも読み始めと印象が変化します。ご注意ください。
※主人公はメガネキャラですが、純粋に視力が悪くてメガネ着用というわけではないので、メガネ属性好きで読み始められる方はご注意ください。
※悠斗くん、穏やかで優しげな王子様キャラですが、途中で印象が変わる場合がありますので、キラキラ王子様がお好きな方はご注意ください。
─────
※ムーンライトノベルズにて連載していたものを加筆修正したものになります。
部分的に表現などが異なりますが、大筋のストーリーに変更はありません。
おそらく、より読みやすくなっているかと思います。
その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる