【完結】限界離婚

仲 奈華 (nakanaka)

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限界離婚

揃わない夕食

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「おかえりー。おじいちゃん。」

義父の広一が帰宅すると共に、息子の勇太が走っていった。

「おお。ゆうくん。元気だなあ。」

鈴奈は、夕食の準備をしていた。午後からは2階の段ボールを片づけをしていた。息子の勇太は数個のおもちゃを持って1階と2階を移動し、義祖母の文と遊んだり、鈴奈の所へ帰ってきたりを繰り返していた。

帰ってきた義父の広一は、手を洗い、鞄を片付けると、さっそく勇太と遊び出した。

ソファに座って寛ぎながら、勇太が持っている玩具の剣を受け、大げさに倒れこんでいる。

「きゃきゃきゃ。ジージ。よわーい。」

「ゆうくんは、強いな。すごいぞ。」

鈴奈はほっとしていた。義母は午後から出かけたのか見かける事がない。

義父の広一が勇太と遊んでくれるので、家事が捗っていた。

そこに、夫の良が帰宅する。

「ただいま。すごいな。今日は鰻か。」

ちょうど食卓に夕食を並べた所だった。

義母以外の家族が揃い食事を始めた。

良が言った。
「母さんは?いないの?」

義父が言う。
「京香は退職してから外出する事が増えたからな。どこに行っているのか帰りも遅い。鈴奈さんには申し訳ないな。」

良が言う。
「そうなのだ。母さんが同居に一番賛成していたのに。」

義父が言う。
「今週で私も退職だ。ゆうくん。いっぱいジージと遊ぼうな。」

勇太が嬉しそうに言った。
「うん。ジージいっぱい倒すぞ。」

義父が言う。
「ハハハ。ありがとう良、鈴奈さん。家がにぎやかになってうれしいよ。」

鈴奈は言った。
「いえ、こちらこそありがとうございます。そういえば今日、お祖母さんからお金を頂いたのですが、、、」

義父は言った。
「母さんから?京香からじゃないのか?」

鈴奈は言った。
「ええ、お義母さんからは何も頂いていないです。」

義父は言う。
「おかしいな。京香が退職してからは、食費は京香が持っている筈なのだが、、、」

良が祖母に話しかける。
「御祖母さん。鈴奈にありがとう。」

義祖母は言った。
「いいんだよ。鈴ちゃんが帰って来てくれただけで十分だよ。」

義祖母の言葉を聞き、義父が少し暗い表情をしている事に鈴奈は気が付いた。

(どうしたのだろう?お義父さん。)

その暗い表情は一瞬だけで、すぐに広一は笑った。
「京香へは、私から聞いてみるよ。ありがとう鈴奈さん。美味しかったよ。」

鈴奈は、気のせいだったと思い頷いた。
「どういたしまして。お義父さん。」
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