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第十三節「想い遠く 心の信 彼方へ放て」
~誤解と策略~
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勇は緊急用に翠星剣を持ち出し、父親の運転する車でフェノーダラへ向かっていた。
だがどんなに飛ばしても、いつも通りでは1時間は無理に近い。
「親父頼む、目一杯飛ばしてくれ……!! 1時間以内に着かないとフェノーダラが危ないんだッ!!」
「任せろ勇!!」
勇達の乗るアルファーダが高速道を飛ばし、車の間を潜りながら直線を180km/hの数字を叩きだして突き進んでいく。
勇の父親は運転に集中し何も言葉を発しない。
ただただ、その意識は走る為だけに向けられていた。
車に乗っているのは二人だけ。
ちゃなは弱った勇の母親に付いていた。
再び獅堂の魔の手が及ぶとも限らない……念を押して彼女に残ってもらったのである。
「獅堂……お前は一体何がしたいんだ……!!」
怒りを抑えきれず、翠星剣を掴む手がギリリと強くなる。
そんな中、猛スピードで高速道を駆け抜けていくアルファーダを一人の白いバイクに跨る高速道路交通機動隊の隊員が確認し無線を送る。
「例の車両と思われるものが通報通り高速道路を爆走中、どうぞ」
無線の相手は埼玉県警の警官。
「例の爆走車は現在栃木方面へ向かっている模様」
「予定通り道を封鎖し車両を確保せよ」
まるで勇達が通るのを知っていたかの様に無線のやり取りを行うと、重厚な白バイが軽快に飛び出した。
一台のバイクが赤い警告灯を回し、勇達の後ろを追い掛けやって来る。
それに気付いた勇達が慌てる様に声を上げていた。
「ま、まずい、白バイだっ!!」
「構わないで直進してッ!!」
「分かった!! 行くぞぉーーー!!」
車の間をすり抜ける様にアルファーダが激走する中、白バイもそれを追い詰める様に車の間を直進していく。
そこは素人とプロの差……互いの距離が徐々に狭まり焦りを誘う。
すると、彼等の前を走る車が徐々に密度を増やし、その速度を落とし始めた。
途端、車に備え付けられたナビから「この先渋滞が有ります」という音声が車内に響き渡る。
「なっ!? 渋滞だとぉ?」
絶望的状況……しかし勇はある事に気が付き、思わず声を上げた。
「側道だ、側道を走るんだ!!」
勇が走行車線の左側にある側道を指し示すと、勇の父親がすぐさまハンドルを切る。
巨大な車体が側道へと無理矢理突っ込み、狭き道を高速で突き進んでいった。
側道の壁にガリガリと車体が当たり、車の塗装が削れていく。
そして舗装がしっかりとされていない道がガタガタと車体を揺らさせる。
「ごめん親父……でもっ!!」
「いいんだ!! こんな事気にするな!!」
車を傷つけた事を謝る勇だったが、父親はそんな事など気にも掛けず運転を続ける。
どうせ車などどうにでもなる……そう思う程に、父親の覚悟は固かった。
そのまま邪魔者も無く側道を突き進むアルファーダ。
だが遥か前方に、渋滞の原因とも言える集団が姿を現す。
それは車を塞き止めているパトカーの集団であった。
「あれか……あれが……クッソォ!!」
「どうするんだ勇、あれじゃあ通れないぞ!?」
「通す、何が何でも通す!!」
そう叫ぶと、勇はおもむろにアルファーダ頭上のサンルーフを開きその体を外へと晒す。
「ど、どうするつもりだ!?」
「どかすッ!!」
勇はサンルーフの淵へ足を掛け、そして力の限りに踏み込んだ。
その拍子にアルファーダの天板が吹き飛び無数の破片を飛び散らせていく。
高速で走る車の前方に着地した勇は、思い切り命力を加えて地面を跳ねると、一瞬で遥か前方のパトカー達が居座る中腹へと到達したのだった。
突然の少年の登場に、立ち並ぶ警官達が驚く様を見せる。
「邪魔を……するなあーーーーーーッ!!」
勇は間髪入れず、その片手をパトカーの底面へと突っ込んだ。
ギュンッ!!
たちまち全身巡る命力が彼の体に肉体の限界を超えた力を与える。
筋肉が、骨が、血液が……恐ろしいまでの力を付与され、絞られる音を掻き鳴らさせた。
その時、警官達は恐るべき光景を目にする事となる。
年端も行かない少年が、片腕で……パトカーを空高く投げ飛ばしたのだ。
大空を舞ったパトカーが、中に入った人間ごと車体を勢いのままに宙で回転させる。
「うわあーーー!?」
それだけに留まらない。
勇が次から次へと進路を塞ぐパトカーを投げ飛ばしていく。
次々に打ち上げられるパトカーを前に……渋滞の壁を作る一般車両に乗る人々もただ目を見開き、その光景を唖然と見上げる他無かった。
そんな中、一人の警官が危機的状況とも言える状態を前に、原因とも言える勇へ向けて思わず拳銃を向ける。
だが勇はそれをチラリと見るも、すぐに背を向け高く飛び跳ねた。
その時、まるで図ったかの様にアルファーダが現れ……飛び跳ねた彼の体は車内へと消える。
それと同時に速度を上げた車はそのまま更に加速し、その場から去っていった。
「な、なんなんだ……あれは……!?」
そして次々と落ちてくるパトカー。
警官達が逃げ惑う中、道路に落下した衝撃で「ガシャンガシャン」とけたたましい音が鳴り響き、弾けた破片が弾き飛んでいく。
その異様な光景に、それを見ていた観衆達だけでなく離れていた警官達までもが凍り付き……ただ茫然と立ち尽くす他なかった。
「すすすごかったな今の……!!」
勇の真の実力を垣間見た父親が興奮を隠せない。
だが勇はそれに返事する事も無く電話を手に取り、福留へと電話を掛ける。
福留が電話に出ると、勇はすかさず話し始めた。
「福留さんッ、今すぐフェノーダラから人を退避させてください!!」
『えっ!? 何故……!?』
「説明してる時間は無いんです!!」
『わ、分かりました!』
―――
その頃、特事部本部内事務所。
福留は電話を切ると、事務員にフェノーダラへの指示をするよう伝える。
しかし事務員が行動を始めるや否や、妙な事に気が付き荒げた声を上げた。
「フェノーダラへの電話が通じません! インターネットも繋がらない模様!!」
「なんですって!?」
急いで福留は勇へ電話を掛け直すと、返事をまっていたのだろう……すぐに勇が出た。
「勇君、残念ですが、フェノーダラへの連絡は出来そうにありません……何者かが連絡手段を断ち切ったようです」
『くっ……獅堂かぁ!!』
「ッ!! まさか彼が君と会ったのですか!?」
『奴はこれがゲームだと……!! 5時までにフェノーダラに着かないとゲームオーバーだって……!!』
「……今どこに居ますか?」
―――
高速で走る車内で福留の問いが聞こえると、勇はおもむろに父親に向けて声を上げる。
「親父、ここはどこだ!?」
「今は可須付近だ!!」
「埼玉の可須です!!」
『分かりました……ではすぐに手配します、でも無茶はしないでください』
「もう遅いですよ、パトカー4台くらい投げ飛ばしました!!」
『……分かりました、後処理は我々の方でやります。 君達は何も心配せず全力で向かってください!!』
「はいっ!!」
―――残り30分……このまま行けば間に合うかもしれない……!!―――
一方、彼等を引き続き追い続けるパトカー達。
その中のリーダーと思われる警官へ無線が入っていた。
「現在追跡中につき……」
「即刻その状況を中止し、その車両の走行の手助けをしてください。繰り返します……」
「何を言っている!?」
「この命令は警視総監直々の命令です」
「えっ……?」
途端に警官達はその勢いを止め、後続車両を止める為に高速道路を封鎖する行動を始めたのだった。
だがどんなに飛ばしても、いつも通りでは1時間は無理に近い。
「親父頼む、目一杯飛ばしてくれ……!! 1時間以内に着かないとフェノーダラが危ないんだッ!!」
「任せろ勇!!」
勇達の乗るアルファーダが高速道を飛ばし、車の間を潜りながら直線を180km/hの数字を叩きだして突き進んでいく。
勇の父親は運転に集中し何も言葉を発しない。
ただただ、その意識は走る為だけに向けられていた。
車に乗っているのは二人だけ。
ちゃなは弱った勇の母親に付いていた。
再び獅堂の魔の手が及ぶとも限らない……念を押して彼女に残ってもらったのである。
「獅堂……お前は一体何がしたいんだ……!!」
怒りを抑えきれず、翠星剣を掴む手がギリリと強くなる。
そんな中、猛スピードで高速道を駆け抜けていくアルファーダを一人の白いバイクに跨る高速道路交通機動隊の隊員が確認し無線を送る。
「例の車両と思われるものが通報通り高速道路を爆走中、どうぞ」
無線の相手は埼玉県警の警官。
「例の爆走車は現在栃木方面へ向かっている模様」
「予定通り道を封鎖し車両を確保せよ」
まるで勇達が通るのを知っていたかの様に無線のやり取りを行うと、重厚な白バイが軽快に飛び出した。
一台のバイクが赤い警告灯を回し、勇達の後ろを追い掛けやって来る。
それに気付いた勇達が慌てる様に声を上げていた。
「ま、まずい、白バイだっ!!」
「構わないで直進してッ!!」
「分かった!! 行くぞぉーーー!!」
車の間をすり抜ける様にアルファーダが激走する中、白バイもそれを追い詰める様に車の間を直進していく。
そこは素人とプロの差……互いの距離が徐々に狭まり焦りを誘う。
すると、彼等の前を走る車が徐々に密度を増やし、その速度を落とし始めた。
途端、車に備え付けられたナビから「この先渋滞が有ります」という音声が車内に響き渡る。
「なっ!? 渋滞だとぉ?」
絶望的状況……しかし勇はある事に気が付き、思わず声を上げた。
「側道だ、側道を走るんだ!!」
勇が走行車線の左側にある側道を指し示すと、勇の父親がすぐさまハンドルを切る。
巨大な車体が側道へと無理矢理突っ込み、狭き道を高速で突き進んでいった。
側道の壁にガリガリと車体が当たり、車の塗装が削れていく。
そして舗装がしっかりとされていない道がガタガタと車体を揺らさせる。
「ごめん親父……でもっ!!」
「いいんだ!! こんな事気にするな!!」
車を傷つけた事を謝る勇だったが、父親はそんな事など気にも掛けず運転を続ける。
どうせ車などどうにでもなる……そう思う程に、父親の覚悟は固かった。
そのまま邪魔者も無く側道を突き進むアルファーダ。
だが遥か前方に、渋滞の原因とも言える集団が姿を現す。
それは車を塞き止めているパトカーの集団であった。
「あれか……あれが……クッソォ!!」
「どうするんだ勇、あれじゃあ通れないぞ!?」
「通す、何が何でも通す!!」
そう叫ぶと、勇はおもむろにアルファーダ頭上のサンルーフを開きその体を外へと晒す。
「ど、どうするつもりだ!?」
「どかすッ!!」
勇はサンルーフの淵へ足を掛け、そして力の限りに踏み込んだ。
その拍子にアルファーダの天板が吹き飛び無数の破片を飛び散らせていく。
高速で走る車の前方に着地した勇は、思い切り命力を加えて地面を跳ねると、一瞬で遥か前方のパトカー達が居座る中腹へと到達したのだった。
突然の少年の登場に、立ち並ぶ警官達が驚く様を見せる。
「邪魔を……するなあーーーーーーッ!!」
勇は間髪入れず、その片手をパトカーの底面へと突っ込んだ。
ギュンッ!!
たちまち全身巡る命力が彼の体に肉体の限界を超えた力を与える。
筋肉が、骨が、血液が……恐ろしいまでの力を付与され、絞られる音を掻き鳴らさせた。
その時、警官達は恐るべき光景を目にする事となる。
年端も行かない少年が、片腕で……パトカーを空高く投げ飛ばしたのだ。
大空を舞ったパトカーが、中に入った人間ごと車体を勢いのままに宙で回転させる。
「うわあーーー!?」
それだけに留まらない。
勇が次から次へと進路を塞ぐパトカーを投げ飛ばしていく。
次々に打ち上げられるパトカーを前に……渋滞の壁を作る一般車両に乗る人々もただ目を見開き、その光景を唖然と見上げる他無かった。
そんな中、一人の警官が危機的状況とも言える状態を前に、原因とも言える勇へ向けて思わず拳銃を向ける。
だが勇はそれをチラリと見るも、すぐに背を向け高く飛び跳ねた。
その時、まるで図ったかの様にアルファーダが現れ……飛び跳ねた彼の体は車内へと消える。
それと同時に速度を上げた車はそのまま更に加速し、その場から去っていった。
「な、なんなんだ……あれは……!?」
そして次々と落ちてくるパトカー。
警官達が逃げ惑う中、道路に落下した衝撃で「ガシャンガシャン」とけたたましい音が鳴り響き、弾けた破片が弾き飛んでいく。
その異様な光景に、それを見ていた観衆達だけでなく離れていた警官達までもが凍り付き……ただ茫然と立ち尽くす他なかった。
「すすすごかったな今の……!!」
勇の真の実力を垣間見た父親が興奮を隠せない。
だが勇はそれに返事する事も無く電話を手に取り、福留へと電話を掛ける。
福留が電話に出ると、勇はすかさず話し始めた。
「福留さんッ、今すぐフェノーダラから人を退避させてください!!」
『えっ!? 何故……!?』
「説明してる時間は無いんです!!」
『わ、分かりました!』
―――
その頃、特事部本部内事務所。
福留は電話を切ると、事務員にフェノーダラへの指示をするよう伝える。
しかし事務員が行動を始めるや否や、妙な事に気が付き荒げた声を上げた。
「フェノーダラへの電話が通じません! インターネットも繋がらない模様!!」
「なんですって!?」
急いで福留は勇へ電話を掛け直すと、返事をまっていたのだろう……すぐに勇が出た。
「勇君、残念ですが、フェノーダラへの連絡は出来そうにありません……何者かが連絡手段を断ち切ったようです」
『くっ……獅堂かぁ!!』
「ッ!! まさか彼が君と会ったのですか!?」
『奴はこれがゲームだと……!! 5時までにフェノーダラに着かないとゲームオーバーだって……!!』
「……今どこに居ますか?」
―――
高速で走る車内で福留の問いが聞こえると、勇はおもむろに父親に向けて声を上げる。
「親父、ここはどこだ!?」
「今は可須付近だ!!」
「埼玉の可須です!!」
『分かりました……ではすぐに手配します、でも無茶はしないでください』
「もう遅いですよ、パトカー4台くらい投げ飛ばしました!!」
『……分かりました、後処理は我々の方でやります。 君達は何も心配せず全力で向かってください!!』
「はいっ!!」
―――残り30分……このまま行けば間に合うかもしれない……!!―――
一方、彼等を引き続き追い続けるパトカー達。
その中のリーダーと思われる警官へ無線が入っていた。
「現在追跡中につき……」
「即刻その状況を中止し、その車両の走行の手助けをしてください。繰り返します……」
「何を言っている!?」
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