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第十六節「銀乙女強襲 世界の真実 長き道に惚けて」
~不確定要素~
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魔特隊は決して何も無いからと言って暇潰しで一日を過ごすわけではない。
基礎体力トレーニング、戦闘訓練、実戦検証……その他にも座学として少人数での対集団の基本戦術やあらゆる武術の技術の考察、研究が日替わり行われる。
また、チーム分けを行う際のコンビネーションの打ち合わせやお互いの能力の擦り合わせ等も行い、来るべき本番に備えていた。
それは以前からも同様ではあるが……勇達が学校を卒業して魔特隊一本化する事で、その「在り方」は特に濃密なものとなっている。
「……今の所理想と考えているのは3チーム編成、このチーム分けがパワーバランスを考えると最良という様に考えております」
平野がホワイトボードを前に立ち説明を行う。
彼の前に座るのは魔特隊の戦闘要員10名。
平日ともあり、あずーを除いた彼等は平野が用意したメンバー振り分けの説明を受けていた。
「まず、藤咲さんを筆頭としたAチーム……こちらは藤咲さん、アンディさん、ナターシャさん、相沢さんの4人構成……アンディさんとナターシャさんは二人のコンビネーションが長けている為セットとなります」
「師匠と一緒だ!!やったぜ!!」
アンディの喜ぶ声が会議室に響く。
戦闘員といえどまだまだ子供……もはやアージすら彼等のやんちゃぶりには目を瞑っている様だ。
「次にBチームはアージさんを筆頭としてマヴォさん、田中さん」
「おぉ、女神ちゃんと一緒だ!!やったぜ!!」
アンディと同様に雄叫びを上げるマヴォ。
だがそんな彼を横目で睨み付けるアージを前に、たちまち委縮していく。
「そして最後のCチームがレンネィさんを筆頭に園部心輝さん、ジョゾウさん、非常勤の園部亜月さんがメンバーとなります」
暫定チーム分けが発表されると、それぞれが改めて挨拶を交わす様に話を弾ませるが……途端に平野がホワイトボードを「カンカン」とペン先で鳴らすと、彼等の話し声が途端に止んだ。
「こちらのチーム表はあくまで暫定的な物であり、今後それぞれの立ち回りが変わる等があった場合変更する事もあります。 また、今の構成で不満がある様でしたら理由と共に提案願います」
「はい、質問イイですか?」
平野の説明を受け、一番に手を挙げたのは瀬玲だった。
「なんでしょうか、相沢さん?」
「……なんで勇と茶奈が一緒じゃないんでしょうか?」
唐突かつ大胆な質問に周囲から噴き出す声が飛び交う。
当の本人達は「えぇ!?」と声を上げて慌てていた。
「そこは少し考えたんですがね、やはり手練れの藤咲さんと強力無比な田中さんが一緒だと能力的に尖がり過ぎてしまうのですよ。 それと、一年前と違い田中さんの命力コントロールが上手く行かない今、不確定要素は出来るだけ排除したいので」
「私……不確定要素なのでしょうか……」
茶奈が不安そうな顔で小さな声を上げるが……平野は遠慮する事無く応えた。
「はい、申し訳ありませんが現状ではそう言わざるを得ません」
「うー……」
だがそれは本人が痛い程よく分かっている事実でもある。
実際、彼女が戦闘の際に攻撃の力を使う機会は最近では全く無いと言っても過言ではないからだ。
「コントロールが出来る様になれば、恐らく大きく構成が変わる事になると思います。 全体の底上げにもなるので是非ともコントロールが出来るようになる様、精進願います」
「はい、が、頑張りますっ」
小さく胸の前で両手を構え、「フンフン」と鼻息を荒げながら気合いを入れる茶奈の小柄な姿が小動物の様に見えて妙な可愛さを醸し出す。
巨大な爆弾を抱えたハムスターの様な彼女の存在感たるやシュールそのものであるといえよう。
「さてそれではこのチームでの戦闘の役割を―――」
ゴォォォォォンッ!!!
ガタガタ……
平野が次の話題を挙げようとした途端に鳴り響く轟音と僅かに事務所が揺れる感覚。
それを受けた一同が異常事態を感じ立ち上がると一斉に部屋を駆け出ていった。
「なんだっ!?」
彼等が部屋を出た先、廊下から見えるグラウンドを窓越しに見つめると……そこには大きな崩れた白い塊が転がっていた。
「おい、あれ見ろよッ!!」
心輝が指差した先……そこには敷地の壁に大きく開いた穴……恐らくその白い塊は壁の一部。
全員が事務所棟を駆け出し外へ躍り出る。
グラウンドに向けて彼等が走ると……その先には一人の人間の姿が遠目に映り込んだ。
「あ、あいつは……!?」
全員に緊張が走る。
日の光が、その者の正体を照らし……その姿を露わとさせたのだった。
基礎体力トレーニング、戦闘訓練、実戦検証……その他にも座学として少人数での対集団の基本戦術やあらゆる武術の技術の考察、研究が日替わり行われる。
また、チーム分けを行う際のコンビネーションの打ち合わせやお互いの能力の擦り合わせ等も行い、来るべき本番に備えていた。
それは以前からも同様ではあるが……勇達が学校を卒業して魔特隊一本化する事で、その「在り方」は特に濃密なものとなっている。
「……今の所理想と考えているのは3チーム編成、このチーム分けがパワーバランスを考えると最良という様に考えております」
平野がホワイトボードを前に立ち説明を行う。
彼の前に座るのは魔特隊の戦闘要員10名。
平日ともあり、あずーを除いた彼等は平野が用意したメンバー振り分けの説明を受けていた。
「まず、藤咲さんを筆頭としたAチーム……こちらは藤咲さん、アンディさん、ナターシャさん、相沢さんの4人構成……アンディさんとナターシャさんは二人のコンビネーションが長けている為セットとなります」
「師匠と一緒だ!!やったぜ!!」
アンディの喜ぶ声が会議室に響く。
戦闘員といえどまだまだ子供……もはやアージすら彼等のやんちゃぶりには目を瞑っている様だ。
「次にBチームはアージさんを筆頭としてマヴォさん、田中さん」
「おぉ、女神ちゃんと一緒だ!!やったぜ!!」
アンディと同様に雄叫びを上げるマヴォ。
だがそんな彼を横目で睨み付けるアージを前に、たちまち委縮していく。
「そして最後のCチームがレンネィさんを筆頭に園部心輝さん、ジョゾウさん、非常勤の園部亜月さんがメンバーとなります」
暫定チーム分けが発表されると、それぞれが改めて挨拶を交わす様に話を弾ませるが……途端に平野がホワイトボードを「カンカン」とペン先で鳴らすと、彼等の話し声が途端に止んだ。
「こちらのチーム表はあくまで暫定的な物であり、今後それぞれの立ち回りが変わる等があった場合変更する事もあります。 また、今の構成で不満がある様でしたら理由と共に提案願います」
「はい、質問イイですか?」
平野の説明を受け、一番に手を挙げたのは瀬玲だった。
「なんでしょうか、相沢さん?」
「……なんで勇と茶奈が一緒じゃないんでしょうか?」
唐突かつ大胆な質問に周囲から噴き出す声が飛び交う。
当の本人達は「えぇ!?」と声を上げて慌てていた。
「そこは少し考えたんですがね、やはり手練れの藤咲さんと強力無比な田中さんが一緒だと能力的に尖がり過ぎてしまうのですよ。 それと、一年前と違い田中さんの命力コントロールが上手く行かない今、不確定要素は出来るだけ排除したいので」
「私……不確定要素なのでしょうか……」
茶奈が不安そうな顔で小さな声を上げるが……平野は遠慮する事無く応えた。
「はい、申し訳ありませんが現状ではそう言わざるを得ません」
「うー……」
だがそれは本人が痛い程よく分かっている事実でもある。
実際、彼女が戦闘の際に攻撃の力を使う機会は最近では全く無いと言っても過言ではないからだ。
「コントロールが出来る様になれば、恐らく大きく構成が変わる事になると思います。 全体の底上げにもなるので是非ともコントロールが出来るようになる様、精進願います」
「はい、が、頑張りますっ」
小さく胸の前で両手を構え、「フンフン」と鼻息を荒げながら気合いを入れる茶奈の小柄な姿が小動物の様に見えて妙な可愛さを醸し出す。
巨大な爆弾を抱えたハムスターの様な彼女の存在感たるやシュールそのものであるといえよう。
「さてそれではこのチームでの戦闘の役割を―――」
ゴォォォォォンッ!!!
ガタガタ……
平野が次の話題を挙げようとした途端に鳴り響く轟音と僅かに事務所が揺れる感覚。
それを受けた一同が異常事態を感じ立ち上がると一斉に部屋を駆け出ていった。
「なんだっ!?」
彼等が部屋を出た先、廊下から見えるグラウンドを窓越しに見つめると……そこには大きな崩れた白い塊が転がっていた。
「おい、あれ見ろよッ!!」
心輝が指差した先……そこには敷地の壁に大きく開いた穴……恐らくその白い塊は壁の一部。
全員が事務所棟を駆け出し外へ躍り出る。
グラウンドに向けて彼等が走ると……その先には一人の人間の姿が遠目に映り込んだ。
「あ、あいつは……!?」
全員に緊張が走る。
日の光が、その者の正体を照らし……その姿を露わとさせたのだった。
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