741 / 1,197
第二十七節「空白の年月 無念重ねて なお想い途切れず」
~残されし者達~
しおりを挟む
政府が正式に【救世】の起こした事件の名を【東京事変】と認定したのは、事件が起きてからおおよそ三週間後であった。
事件に関わった多くの魔者達がデュゼロー達の死をきっかけに世界から消え去った中、僅かに残った魔者達は逃げ道を失い、東京に散らばる隠れ家にて息を潜めていた。
しかしその後、警視庁は魔特隊の主導の下、【東京事変】にて逃げ遅れた魔者を逮捕、確保に成功。
彼等は逃げられぬと観念したのか、抵抗を止めて大人しく縄に付いたのだった。
捕まった彼等は聞かれるがままに潔く供述を始めた。
彼等の話す【救世】のおおまかな計画はこうだ。
1.魔特隊が南米へ出向するチャンスを見計らって貨物船から各員入国
2.協力者の用意した隠れ家にて待機
3.都庁を占拠し、世界へフララジカの真実とその対策方法を伝達
4.逆説を進める魔特隊の殲滅
5.魔特隊の主犯である藤咲勇を大衆の前で自滅させる
6.人質及び逃走困難者が居た場合は救助、解放を行う
7.隠れ家に退避、事態収拾後に少しづつ出国
内容の中には【救世】らしからぬ事が含まれており、その事情を聞いた者に困惑を呼ぶ。
彼等の語る理由としては、「みだりに殺しを行えば、それを見た聴衆は耳を貸さなくなるだろう。 敵意を乗せずに敵意を語る事が大事なのだ」と伝えられていたからなのだという。
また、彼等が持っていた魔剣はどこから手に入れたのかという質問に対し、彼等は驚くべき答えを語った。
彼等の持っていた魔剣は……空島【アルクルフェンの箱】にあったものだというのだ。
彼等は勇達よりも早く空島へと上陸していた。
勇達が初めて空島に到達した際に襲い掛かった魔者達はその残党。
彼等雑兵は空島でフララジカを迎えたそうだ。
そしてそこから持ち出した魔剣を使い、今回の作戦に利用したのである。
彼等がメズリ達はぐれカラクラ族と出会ったのは偶然だとか。
空島が『こちら側』へ転移した直後、合流を果たしたのだそう。
それに伴い、彼等を空島へ受け入れては、捨てるはずだった空島の管理をメズリ達や残る事を選んだ仲間達に譲ったのだという。
つまり、彼等は世界が混ざる前に空島へ到達、そこで武器を確保。
フララジカ後にメズリ達と出会い、『こちら側』へと降り、計画を進めてきたという事だった。
しかしそれを聴く関係者は、その後語られる事に更なる驚きを呼ぶ事となる。
どうやら最初のフララジカが起きた時、『あちら側』にも『こちら側』と同様の事が起きていたらしいというのだ。
『あちら側』に『こちら側』の人間が出現したという事である。
転移の際に消えた人々は恐らく、『あちら側』へ転移したのだろう……この五年間で起きた事と同様な形で。
だがそれはきっかけに過ぎない。
全てはデュゼローが予知し、進めてきた計画だったのだと、最後に彼等は口にした。
『あちら側』の強者である魔烈王ギューゼルやレヴィトーンといった者達が揃っていたのが何よりもの証拠と言えるだろう。
強者とは得てして自分の持つ信念を早々曲げる事は無い……説得するのにはいささか時間が掛かるものだ。
これらの事実を前に、傍聴していた誰しもが驚愕を避けられなかったのは言うまでもない。
その後、彼等は供述した事が評価されて重罪を課せられる事は無かった。
元よりその計画に強い犯罪性は無く、彼等自身ももはや戦う意思を見せる事は無い。
そこから判断しての司法の決断であった。
彼等に課せられたのは、争ってはいけないという事。
その審判を受けた彼等は潔く受け入れ、国の発展に力を貸すと誓った。
それが以降、渋谷の街の再開拓のキッカケになるのだが……それはまた別の話である。
事件に関わった多くの魔者達がデュゼロー達の死をきっかけに世界から消え去った中、僅かに残った魔者達は逃げ道を失い、東京に散らばる隠れ家にて息を潜めていた。
しかしその後、警視庁は魔特隊の主導の下、【東京事変】にて逃げ遅れた魔者を逮捕、確保に成功。
彼等は逃げられぬと観念したのか、抵抗を止めて大人しく縄に付いたのだった。
捕まった彼等は聞かれるがままに潔く供述を始めた。
彼等の話す【救世】のおおまかな計画はこうだ。
1.魔特隊が南米へ出向するチャンスを見計らって貨物船から各員入国
2.協力者の用意した隠れ家にて待機
3.都庁を占拠し、世界へフララジカの真実とその対策方法を伝達
4.逆説を進める魔特隊の殲滅
5.魔特隊の主犯である藤咲勇を大衆の前で自滅させる
6.人質及び逃走困難者が居た場合は救助、解放を行う
7.隠れ家に退避、事態収拾後に少しづつ出国
内容の中には【救世】らしからぬ事が含まれており、その事情を聞いた者に困惑を呼ぶ。
彼等の語る理由としては、「みだりに殺しを行えば、それを見た聴衆は耳を貸さなくなるだろう。 敵意を乗せずに敵意を語る事が大事なのだ」と伝えられていたからなのだという。
また、彼等が持っていた魔剣はどこから手に入れたのかという質問に対し、彼等は驚くべき答えを語った。
彼等の持っていた魔剣は……空島【アルクルフェンの箱】にあったものだというのだ。
彼等は勇達よりも早く空島へと上陸していた。
勇達が初めて空島に到達した際に襲い掛かった魔者達はその残党。
彼等雑兵は空島でフララジカを迎えたそうだ。
そしてそこから持ち出した魔剣を使い、今回の作戦に利用したのである。
彼等がメズリ達はぐれカラクラ族と出会ったのは偶然だとか。
空島が『こちら側』へ転移した直後、合流を果たしたのだそう。
それに伴い、彼等を空島へ受け入れては、捨てるはずだった空島の管理をメズリ達や残る事を選んだ仲間達に譲ったのだという。
つまり、彼等は世界が混ざる前に空島へ到達、そこで武器を確保。
フララジカ後にメズリ達と出会い、『こちら側』へと降り、計画を進めてきたという事だった。
しかしそれを聴く関係者は、その後語られる事に更なる驚きを呼ぶ事となる。
どうやら最初のフララジカが起きた時、『あちら側』にも『こちら側』と同様の事が起きていたらしいというのだ。
『あちら側』に『こちら側』の人間が出現したという事である。
転移の際に消えた人々は恐らく、『あちら側』へ転移したのだろう……この五年間で起きた事と同様な形で。
だがそれはきっかけに過ぎない。
全てはデュゼローが予知し、進めてきた計画だったのだと、最後に彼等は口にした。
『あちら側』の強者である魔烈王ギューゼルやレヴィトーンといった者達が揃っていたのが何よりもの証拠と言えるだろう。
強者とは得てして自分の持つ信念を早々曲げる事は無い……説得するのにはいささか時間が掛かるものだ。
これらの事実を前に、傍聴していた誰しもが驚愕を避けられなかったのは言うまでもない。
その後、彼等は供述した事が評価されて重罪を課せられる事は無かった。
元よりその計画に強い犯罪性は無く、彼等自身ももはや戦う意思を見せる事は無い。
そこから判断しての司法の決断であった。
彼等に課せられたのは、争ってはいけないという事。
その審判を受けた彼等は潔く受け入れ、国の発展に力を貸すと誓った。
それが以降、渋谷の街の再開拓のキッカケになるのだが……それはまた別の話である。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる