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第七節「絆と絆 その信念 引けぬ想い」
~Indecision <迷い>~
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隠れ里の外にて、勇達が御味の迎えを静かに待つ。
木々が騒ぐ中をただ静かに。
巨大な魔者に何も言い返す事の出来なかった勇はただ項垂れるばかりだ。
元気無く地面に座り込み、顔を俯かせていて。
その姿はまるで激戦を繰り広げた後のよう。
何時に無いそんな姿に、ちゃなも心配そうな目を向ける他無かった。
ただ、勇自身はと言えば―――
「わかり合う理由……か……」
先程までの落胆も薄れる程に考えを巡らせる様子が。
そこは勇らしく、まだ諦めきれなかったのだ。
理由なんていうのは何をするにしろ付き纏うものだ。
例えば勇だったら、体を動かすのが好きだから筋トレをする。
例えばちゃなだったら、家族との団欒に憧れていたから藤咲家に居ついている。
大なれ小なれ、必ずそういった理由がある。
「理由なんて無い」なんて言って何かを始めても、それは「興味がある」から始める訳で。
でもそれを人に勧めるなら話は別だ。
興味を持たせる理由を示さねば、相手が惹かれる事は無いだろう。
余程好奇心に溢れた者か、奇人変人の類でなければ。
それも今回の場合は特にシビアだと言える。
何せ『あちら側』の非共栄文化という強い先入観が掛かっていて。
おまけに天敵とも言える魔剣使いという立場がその意思を強固とさせるのだ。
その強固さを前には、印象など微風程度の影響にしかなりはしない。
そんな壁とも言える相手を崩す為の最もな理由が今の勇には必要不可欠。
でなければ説得は愚か、話すらまともに聞いてはもらえないだろう。
その理由を今、勇は必死に探している。
少なくとも、可能性が無い訳では無く。
今までの魔者と違い、最初から話で始められた相手だったからこそ。
もっともらしい理由が無ければ取り付く島もない。
だが逆に言えば、それさえあれば話を聞いてもらえる確証が存分にあるという事。
だから諦めるには早い―――そう思ったのだ。
「俺が魔者と仲良くなりたい理由……それは戦いたくないから。 でも、それだけじゃダメなんだ。 戦いを持ち込もうとしていたのは俺で、あっちはずっと平和に暮らしてきた相手なんだから」
きっと不干渉のままでも、互いに今まで通りの暮らしが送れるだろう。
一部の土地を失った『こちら側』はともかくとして。
でもこのままではいずれ人の目に晒され、彼等は平穏を失うかもしれない。
そして魔者である立場を利用し、人里へ進出してくるかもしれない。
そうならない為にも―――
そう決めた時、勇にふと一つの考えが過る。
理由とは言えないまでも、そのキッカケになりそうな小さな妙案が。
その考えが思い付いた時、ふと勇は顔を上げ。
迷いを振り切った真っ直ぐな瞳を、心配するちゃなへと向けていて。
「田中さん……悪いんだけど、明日の京都旅行は一人で行って来てもらっていいかな?」
「えっ?」
「俺、今日は一旦東京に戻るよ。 ちょっと取って来たい物があるからさ。 それで明日また戻ってきて、今度は一人でもう一回ここの人と話をしたいんだ。 だから田中さんはそれが終わるまで京都を楽しんでてよ。 終わったら俺も合流するから……」
その話はただ唐突に。
突然の事でちゃなも目を丸くするばかりだ。
けれどそれは全て、妙案を実行に移す為。
それでいて、ここまでに募ったちゃなの想いも無為にしない為に。
そう決めた勇の眼差しには決意が灯っていて。
先程までの落ち込んでいた姿はもうそこには無い。
だからきっと、その強い気持ちはちゃなにも伝わったのだろう。
「そうなんですね……わかりました。 じゃあ私も、一緒に帰ります」
「ええっ!?」
そこから生まれた予想外の答えに、またしても勇が驚きを見せつける。
伝わったからこそ、ちゃなもそう決めたのだ。
勇の優しさを受け取ったから。
そして同じ様に勇にも優しくしたかったから。
「一人で歩き回っても寂しいだけだから……それなら帰った方が勇さんのお父さんとお母さんともお話できて楽しいですし」
「田中さん……」
「だから私も一緒に帰りたいです。 それでまた明日、一緒に行きましょう」
「うん……そうだね。 そうしよう」
きっと明日一緒に行く事になったとしても、ちゃなはお留守番だろう。
でもそんな事は関係無いのだ。
今の二人はもう家族みたいな関係で、それでいて戦いのパートナーで。
そこに決して人が言う様な愛情や恋心は無いけれど、一蓮托生にも近い関係性が生まれていて。
そして行く所も帰る所も一緒だから。
二人はこうして、純粋な気持ちで寄り添う事が出来るのである。
その後、勇達は御味の車に拾われてそのまま京都駅へ。
お土産など買う間も無く、東京への家路へ就く事になる。
もちろん、明日までの予定や計画をしっかりと伝えた上でだ。
薄暗くなった景色の中、帰りの新幹線が東京へと向けてひた走る。
でも車内は行きの時と違って随分と物静かだ。
さすがに移動しっぱなしとあって疲れたのだろう、ちゃなは既にウトウトと。
勇も肘掛に立てた腕で頬杖を突きながら外の真っ暗な景色をぼーっと眺め観る。
「わかり合うって、結局の所なんなんだろうなぁ」
それは考え過ぎるが故についつい漏れた独り言。
それというのも、新幹線に乗り込んでから勇はずっとその事を考えていて。
「最もらしい理由」に関してはまだ解決の糸口さえも手繰り寄せる事が出来ていないから。
ただ、何回考えても強固な壁を打ち破る様なインパクトのある結論には辿り着かず。
それどころかこの一言が何度となく過るばかりだ。
「平和になりましょうって事じゃないんですか?」
するとそんな時、横から突拍子も無い一声が。
どうやらちゃながその独り言を聞いていた様で。
訊かれた様にも聞こえたから、ついつい答えてしまったのだろう。
そうなれば、そんなつもりも無かった勇としては慌てるばかりだ。
「ああっ、ご、ごめん、今の独り言で……」
無自覚だったという事もあって恥ずかしさ一杯で。
たちまち「いやいや」と言わんばかりに両手を振り振り。
おまけに隠しようも無い赤面が露わに。
「えっ、そうだったんですか? なんだぁ」
もちろんそんな感情を読み取る事に疎いちゃなも相変わらずで。
でも自分らしい答えが言えた事が良かったのか、どこか嬉しげだ。
彼女らしいぷっくりとした微笑みを目の瞑られた顔に浮かべている。
「でも……平和になればいいんだろうな。 そうだよね、平和になれればみんな幸せだよな」
「うん、きっとそうですよ」
そう、きっと皆ちゃなの様に単純であれば争いなんて起きなかったのだろう。
たった一言、「平和になりましょう」というだけで何もかも片付いただろうから。
けれど世界は……そこまで単純では無い。
勇にとって戦いの無い世界が『平和』なのであれば。
隠れ里の魔者達にとっては今のままでいる事が『平和』なのかもしれない。
勇にとって話し合いで仲良くなる事が『平和』なのであれば。
隠れ里の魔者達にとってはそんな人間と関わらない事が『平和』なのかもしれない。
そう考えれば、『平和』という言葉は矛盾を孕む、独りよがりな意味合いで。
容易には使えない、如何に単純な表現であるかを思い知らされる。
人間という存在が個々に、高度に物を考えられる様になってしまったからこそ―――
もちろんちゃなは自分の願いを言葉にしただけだ。
決してその単純さを求めている訳ではない。
彼女なりの優しさを声にしただけの、ただの思い付きに過ぎないのだから。
でもそれがまたしても勇の心に引っ掛かり、迷いを複雑化させ。
単純で、それでいて扱いの難しい『平和』という言葉が思考を乱す。
―――それは如何な皮肉であろうか。
「彼等にとっての本当の平和って何なんだろうな……」
答えを導き出せない今の勇にとって、その迷いは出口の無い迷宮に閉じ込められたのと同義。
巡り巡る思考に苛まれ、果てには頭痛を催させていて。
気付けば二人揃ってうつらうつらと頭を垂れる姿が。
そんな願いや想いを乗せたまま、新幹線が夜の闇に沈んでいく。
ただただ静かに、それでいて速やかに。
彼等が今享受している〝平和〟の下へ。
だから今はただ、毛糸玉の様に絡み上がった思考を解きほぐすのみ―――
木々が騒ぐ中をただ静かに。
巨大な魔者に何も言い返す事の出来なかった勇はただ項垂れるばかりだ。
元気無く地面に座り込み、顔を俯かせていて。
その姿はまるで激戦を繰り広げた後のよう。
何時に無いそんな姿に、ちゃなも心配そうな目を向ける他無かった。
ただ、勇自身はと言えば―――
「わかり合う理由……か……」
先程までの落胆も薄れる程に考えを巡らせる様子が。
そこは勇らしく、まだ諦めきれなかったのだ。
理由なんていうのは何をするにしろ付き纏うものだ。
例えば勇だったら、体を動かすのが好きだから筋トレをする。
例えばちゃなだったら、家族との団欒に憧れていたから藤咲家に居ついている。
大なれ小なれ、必ずそういった理由がある。
「理由なんて無い」なんて言って何かを始めても、それは「興味がある」から始める訳で。
でもそれを人に勧めるなら話は別だ。
興味を持たせる理由を示さねば、相手が惹かれる事は無いだろう。
余程好奇心に溢れた者か、奇人変人の類でなければ。
それも今回の場合は特にシビアだと言える。
何せ『あちら側』の非共栄文化という強い先入観が掛かっていて。
おまけに天敵とも言える魔剣使いという立場がその意思を強固とさせるのだ。
その強固さを前には、印象など微風程度の影響にしかなりはしない。
そんな壁とも言える相手を崩す為の最もな理由が今の勇には必要不可欠。
でなければ説得は愚か、話すらまともに聞いてはもらえないだろう。
その理由を今、勇は必死に探している。
少なくとも、可能性が無い訳では無く。
今までの魔者と違い、最初から話で始められた相手だったからこそ。
もっともらしい理由が無ければ取り付く島もない。
だが逆に言えば、それさえあれば話を聞いてもらえる確証が存分にあるという事。
だから諦めるには早い―――そう思ったのだ。
「俺が魔者と仲良くなりたい理由……それは戦いたくないから。 でも、それだけじゃダメなんだ。 戦いを持ち込もうとしていたのは俺で、あっちはずっと平和に暮らしてきた相手なんだから」
きっと不干渉のままでも、互いに今まで通りの暮らしが送れるだろう。
一部の土地を失った『こちら側』はともかくとして。
でもこのままではいずれ人の目に晒され、彼等は平穏を失うかもしれない。
そして魔者である立場を利用し、人里へ進出してくるかもしれない。
そうならない為にも―――
そう決めた時、勇にふと一つの考えが過る。
理由とは言えないまでも、そのキッカケになりそうな小さな妙案が。
その考えが思い付いた時、ふと勇は顔を上げ。
迷いを振り切った真っ直ぐな瞳を、心配するちゃなへと向けていて。
「田中さん……悪いんだけど、明日の京都旅行は一人で行って来てもらっていいかな?」
「えっ?」
「俺、今日は一旦東京に戻るよ。 ちょっと取って来たい物があるからさ。 それで明日また戻ってきて、今度は一人でもう一回ここの人と話をしたいんだ。 だから田中さんはそれが終わるまで京都を楽しんでてよ。 終わったら俺も合流するから……」
その話はただ唐突に。
突然の事でちゃなも目を丸くするばかりだ。
けれどそれは全て、妙案を実行に移す為。
それでいて、ここまでに募ったちゃなの想いも無為にしない為に。
そう決めた勇の眼差しには決意が灯っていて。
先程までの落ち込んでいた姿はもうそこには無い。
だからきっと、その強い気持ちはちゃなにも伝わったのだろう。
「そうなんですね……わかりました。 じゃあ私も、一緒に帰ります」
「ええっ!?」
そこから生まれた予想外の答えに、またしても勇が驚きを見せつける。
伝わったからこそ、ちゃなもそう決めたのだ。
勇の優しさを受け取ったから。
そして同じ様に勇にも優しくしたかったから。
「一人で歩き回っても寂しいだけだから……それなら帰った方が勇さんのお父さんとお母さんともお話できて楽しいですし」
「田中さん……」
「だから私も一緒に帰りたいです。 それでまた明日、一緒に行きましょう」
「うん……そうだね。 そうしよう」
きっと明日一緒に行く事になったとしても、ちゃなはお留守番だろう。
でもそんな事は関係無いのだ。
今の二人はもう家族みたいな関係で、それでいて戦いのパートナーで。
そこに決して人が言う様な愛情や恋心は無いけれど、一蓮托生にも近い関係性が生まれていて。
そして行く所も帰る所も一緒だから。
二人はこうして、純粋な気持ちで寄り添う事が出来るのである。
その後、勇達は御味の車に拾われてそのまま京都駅へ。
お土産など買う間も無く、東京への家路へ就く事になる。
もちろん、明日までの予定や計画をしっかりと伝えた上でだ。
薄暗くなった景色の中、帰りの新幹線が東京へと向けてひた走る。
でも車内は行きの時と違って随分と物静かだ。
さすがに移動しっぱなしとあって疲れたのだろう、ちゃなは既にウトウトと。
勇も肘掛に立てた腕で頬杖を突きながら外の真っ暗な景色をぼーっと眺め観る。
「わかり合うって、結局の所なんなんだろうなぁ」
それは考え過ぎるが故についつい漏れた独り言。
それというのも、新幹線に乗り込んでから勇はずっとその事を考えていて。
「最もらしい理由」に関してはまだ解決の糸口さえも手繰り寄せる事が出来ていないから。
ただ、何回考えても強固な壁を打ち破る様なインパクトのある結論には辿り着かず。
それどころかこの一言が何度となく過るばかりだ。
「平和になりましょうって事じゃないんですか?」
するとそんな時、横から突拍子も無い一声が。
どうやらちゃながその独り言を聞いていた様で。
訊かれた様にも聞こえたから、ついつい答えてしまったのだろう。
そうなれば、そんなつもりも無かった勇としては慌てるばかりだ。
「ああっ、ご、ごめん、今の独り言で……」
無自覚だったという事もあって恥ずかしさ一杯で。
たちまち「いやいや」と言わんばかりに両手を振り振り。
おまけに隠しようも無い赤面が露わに。
「えっ、そうだったんですか? なんだぁ」
もちろんそんな感情を読み取る事に疎いちゃなも相変わらずで。
でも自分らしい答えが言えた事が良かったのか、どこか嬉しげだ。
彼女らしいぷっくりとした微笑みを目の瞑られた顔に浮かべている。
「でも……平和になればいいんだろうな。 そうだよね、平和になれればみんな幸せだよな」
「うん、きっとそうですよ」
そう、きっと皆ちゃなの様に単純であれば争いなんて起きなかったのだろう。
たった一言、「平和になりましょう」というだけで何もかも片付いただろうから。
けれど世界は……そこまで単純では無い。
勇にとって戦いの無い世界が『平和』なのであれば。
隠れ里の魔者達にとっては今のままでいる事が『平和』なのかもしれない。
勇にとって話し合いで仲良くなる事が『平和』なのであれば。
隠れ里の魔者達にとってはそんな人間と関わらない事が『平和』なのかもしれない。
そう考えれば、『平和』という言葉は矛盾を孕む、独りよがりな意味合いで。
容易には使えない、如何に単純な表現であるかを思い知らされる。
人間という存在が個々に、高度に物を考えられる様になってしまったからこそ―――
もちろんちゃなは自分の願いを言葉にしただけだ。
決してその単純さを求めている訳ではない。
彼女なりの優しさを声にしただけの、ただの思い付きに過ぎないのだから。
でもそれがまたしても勇の心に引っ掛かり、迷いを複雑化させ。
単純で、それでいて扱いの難しい『平和』という言葉が思考を乱す。
―――それは如何な皮肉であろうか。
「彼等にとっての本当の平和って何なんだろうな……」
答えを導き出せない今の勇にとって、その迷いは出口の無い迷宮に閉じ込められたのと同義。
巡り巡る思考に苛まれ、果てには頭痛を催させていて。
気付けば二人揃ってうつらうつらと頭を垂れる姿が。
そんな願いや想いを乗せたまま、新幹線が夜の闇に沈んでいく。
ただただ静かに、それでいて速やかに。
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だから今はただ、毛糸玉の様に絡み上がった思考を解きほぐすのみ―――
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