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第二十五節「双塔堕つ 襲撃の猛威 世界が揺らいだ日」
~新たな願いと誓い~
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未だ多くの魔者達が流入し続けている正面ゲート。
そこでアージとカノバトが対峙し、真っ直ぐと面を向け合う。
今のアージには視線を逸らす事さえ許されない。
目の前に立つ恩師が如何に厳しく、どれ程強いのかをも知っているから。
出来る事はと言えば、襲撃者達が通るのを黙認する事だけだ。
「こうして相まみえると、お前が出立した時を思い出す。 ……懐かしいものだな」
しかし対するカノバトと言えば一転、どこか表情は穏やかで。
先程の言い争いの事も忘れ、遂にはかつての思い出に感慨耽る姿が。
かつてアージが旅立とうとした時も、きっとこうして相対したのだろう。
その理由、経緯こそ二人にしかわからない事だが。
ただ、だからといって同様に浸るほど、アージは今を見失ってはいない。
「俺もです、師よ。 ですが昔話を語っている暇など互いに無いハズ」
「……そうだな」
今はアージもカノバトにも目的がある。
例えよく知る人物が目前に居ようとも、成し遂げなければならない事が。
だからこそカノバトは唸る。
その目的を達する為に。
「単刀直入に言おう。 マヴォ共々ここを退け、そして帰って来るな。 今ならお前達二人を逃がす事も出来よう。 ワシがお前達に出来るのはそれだけだ」
そして、対峙する愛弟子をも守る為に。
カノバトがアージと対峙する事になったのは偶然だ。
二人が居る事を知っていても、こうして立ち塞がる事までは予想出来ないから。
でももし相対した時には、こう言おうとは思っていたのだろう。
手塩を掛けて育て上げた愛弟子を、その手に掛けたくないからこそ。
「お前の願いは既に瓦解しておる。 争い無き世界は滅びの世界、叶える事などもはや夢物語にすら成らぬ。 滅んでしまえば全てが無に帰すのだからな。 だからこそ、それを推し進める魔特隊は完膚なきまでに叩き潰さねばならん」
カノバトは本気だ。
その証拠に、頬は緩んでいても眼は鋭いままで。
魔特隊という存在を貫かんが如く、冷たい視線をアージへとぶつけている。
つまりカノバトにとっての敵はアージ達ではなく魔特隊という概念そのもの。
その根幹の一人であろうとも、個々を敵視している訳ではないのだろう。
だから逃げるならば責めるのはそこまでだ。
再び昔と同じ師弟に戻る事も厭わないとさえ思っているから。
「故に去れぃ!! 正しき世界を望むのならばッ!!」
その時、大地に付いていた銀棍が持ち上がり、「ドンッ」と再び突く。
これはカノバト独特の「返事をせよ」という意思表示だ。
撤退か、それとも反抗か。
アージに迫るのはその二択のみ。
それ以外の答えはもはや存在しない。
ならばアージは応えるだろう。
その信念に賭けて。
「……それは出来ぬ!!」
これがアージの答えだった。
ここを退かない事こそが信念の形であるが故に。
「何……?」
この答えはどうやらカノバトも予想していなかった様だ。
ピクリと反応を示し、細めていた目が僅かに開かれる。
「俺は新たな願いを持ったのだ。 再び世界を分断した後、『平和』とやらをもたらしたいのだと!! 新しい秩序を構築し、争いによって不幸と成った者達を救いたいと!!」
それだけ、アージもまた本気だったのだ。
その一言一言に心を揺り動かさんばかりの気迫を乗せる程に。
最初は、ただ魔剣を打ち壊せればいいと思っていた。
自分達を、ひいては世界を不幸にする元凶を滅せればそれだけで。
でも、勇達と出会い、共に戦い、多くの敵と戦って気付いたのだ。
魔剣を滅しても、敵意は消えないのだと。
むしろ敵意は、人や魔者の中にこそ根付いたもので。
魔剣はそれを形にしているだけに過ぎないと。
いつかアージは中国で魔剣使いミョーレと戦い、その現実を知った。
魔剣も力も無い幼少時代の出来事が彼女を歪ませたのだという事を。
そして魔剣という力を得てその怒りや憎しみが増幅し、強権をも実行させるに至って。
それでも、あの時一瞬見せた笑顔は―――本物だったから。
もしそんな怨念が無ければ。
そんな怨念を生み出す世界が正せるならば。
そう、願ってみたくなったのだ。
そう、信じてみたくなったのだ。
もうミョーレの様な歪んでしまった女性を見たくはないから。
あの笑顔を常に浮かばせられる事こそが、世界のあるべき姿だと思ったから。
「アージ、それは―――」
「そして俺も魔特隊だあッ!!」
「―――ッ!?」
「世界に『平和』をもたらす、その志を持った仲間を、友を見捨てる訳にはいかんのだッ!! 今まで斬ってきた者達にも、無情にも命を散らしてきた者達の為にもッ!!」
だからアージは戦う事を望む。
例え己の手が血に染まろうとも。
屠ってきた者達の命を無駄にしない為にも。
明日の礎を築く為にも、アージはその身捧げる事を選んだのである。
この時、その巨大な斧が真っ直ぐ持ち上がる。
切っ先をカノバトへと向けて雄々しく高々と。
言葉よりも、心よりも。
武器を見せつける事が何よりも今の相手には伝わるからこそ。
〝魔剣の刃を向ければそれすなわち、敵対の意となる〟
これは魔剣使いなら誰もが知る常識なのだから。
「何故だ、何故わからぬ!? 世界が崩壊してしまえば、平穏も何もあったものではないであろう!!」
「師匠こそ何故わかろうとしないのだ!! 【フララジカ】が停滞しようとも、そこに残るのは争いのみ!! そこに生きる者達には絶望しか残らんのだ!! 世界を分断せねば未来は無いッ!!」
「うくくっ、わからず屋め……それが本気で出来ると信じているのか!?」
「出来るッ!!」
「なッ……!?」
アージは引くつもりなど一切無いのだ。
その信念と願いを成就する為にも。
そして、剣聖達に託された未来を守る為にも。
「根拠も無しに、それを言い切るかッ!!」
「根拠は無くとも、信頼出来るに値する者が動いてくれているッ!!」
「他人任せか!! 言うに及んでえッ!!」
「最も信頼し、その道に通ずる者が『今を任せろ』と言ったのだ!! ならばそれを信じずして何を信じるというのかあッ!!」
剣聖が、ラクアンツェが世界を分断する為に創世の鍵を探して旅立った。
「未来を任せた」、そう書き置きを残して。
確かに、剣聖達が確実に世界を分断出来るとは限らないだろう。
だからといってアージに剣聖達との強い絆がある訳でもない。
戦友でも無く、師弟の間柄という訳でもない。
だが、剣聖達は今までずっとそれを叶える為に動いてきた。
誰よりも真実に近く、誰よりも詳しいからこそ。
ああ宣ったデュゼローと同じ程に。
それを知っているからアージは信じたのだ。
剣聖達が必ず世界を分断してくれるのだと。
カノバトがデュゼローを信じたのと同様に。
「俺は最善の〝今〟を創ろうとする剣聖殿達を信じたのだ!! そう値する者達だからこそ!! だから俺は最善の〝未来〟を創る為に力を奮う。 例え貴方が立ち塞がろうとも……!!」
「よかろう、ならばワシがその信念ごと全力を以って叩き伏せよう!!」
互いの信念は同じ様で異なる。
その未来の形が全く違うからこそ。
だから二人はこうして改めて対峙する。
自分達の未来を創る為には、知った者を歯牙に掛ける事も厭わないからこそ。
今こそ、その魔剣に信念を灯す時なれば。
かつての恩師/弟子相手であろうと、全力で押し通すのみ。
そこでアージとカノバトが対峙し、真っ直ぐと面を向け合う。
今のアージには視線を逸らす事さえ許されない。
目の前に立つ恩師が如何に厳しく、どれ程強いのかをも知っているから。
出来る事はと言えば、襲撃者達が通るのを黙認する事だけだ。
「こうして相まみえると、お前が出立した時を思い出す。 ……懐かしいものだな」
しかし対するカノバトと言えば一転、どこか表情は穏やかで。
先程の言い争いの事も忘れ、遂にはかつての思い出に感慨耽る姿が。
かつてアージが旅立とうとした時も、きっとこうして相対したのだろう。
その理由、経緯こそ二人にしかわからない事だが。
ただ、だからといって同様に浸るほど、アージは今を見失ってはいない。
「俺もです、師よ。 ですが昔話を語っている暇など互いに無いハズ」
「……そうだな」
今はアージもカノバトにも目的がある。
例えよく知る人物が目前に居ようとも、成し遂げなければならない事が。
だからこそカノバトは唸る。
その目的を達する為に。
「単刀直入に言おう。 マヴォ共々ここを退け、そして帰って来るな。 今ならお前達二人を逃がす事も出来よう。 ワシがお前達に出来るのはそれだけだ」
そして、対峙する愛弟子をも守る為に。
カノバトがアージと対峙する事になったのは偶然だ。
二人が居る事を知っていても、こうして立ち塞がる事までは予想出来ないから。
でももし相対した時には、こう言おうとは思っていたのだろう。
手塩を掛けて育て上げた愛弟子を、その手に掛けたくないからこそ。
「お前の願いは既に瓦解しておる。 争い無き世界は滅びの世界、叶える事などもはや夢物語にすら成らぬ。 滅んでしまえば全てが無に帰すのだからな。 だからこそ、それを推し進める魔特隊は完膚なきまでに叩き潰さねばならん」
カノバトは本気だ。
その証拠に、頬は緩んでいても眼は鋭いままで。
魔特隊という存在を貫かんが如く、冷たい視線をアージへとぶつけている。
つまりカノバトにとっての敵はアージ達ではなく魔特隊という概念そのもの。
その根幹の一人であろうとも、個々を敵視している訳ではないのだろう。
だから逃げるならば責めるのはそこまでだ。
再び昔と同じ師弟に戻る事も厭わないとさえ思っているから。
「故に去れぃ!! 正しき世界を望むのならばッ!!」
その時、大地に付いていた銀棍が持ち上がり、「ドンッ」と再び突く。
これはカノバト独特の「返事をせよ」という意思表示だ。
撤退か、それとも反抗か。
アージに迫るのはその二択のみ。
それ以外の答えはもはや存在しない。
ならばアージは応えるだろう。
その信念に賭けて。
「……それは出来ぬ!!」
これがアージの答えだった。
ここを退かない事こそが信念の形であるが故に。
「何……?」
この答えはどうやらカノバトも予想していなかった様だ。
ピクリと反応を示し、細めていた目が僅かに開かれる。
「俺は新たな願いを持ったのだ。 再び世界を分断した後、『平和』とやらをもたらしたいのだと!! 新しい秩序を構築し、争いによって不幸と成った者達を救いたいと!!」
それだけ、アージもまた本気だったのだ。
その一言一言に心を揺り動かさんばかりの気迫を乗せる程に。
最初は、ただ魔剣を打ち壊せればいいと思っていた。
自分達を、ひいては世界を不幸にする元凶を滅せればそれだけで。
でも、勇達と出会い、共に戦い、多くの敵と戦って気付いたのだ。
魔剣を滅しても、敵意は消えないのだと。
むしろ敵意は、人や魔者の中にこそ根付いたもので。
魔剣はそれを形にしているだけに過ぎないと。
いつかアージは中国で魔剣使いミョーレと戦い、その現実を知った。
魔剣も力も無い幼少時代の出来事が彼女を歪ませたのだという事を。
そして魔剣という力を得てその怒りや憎しみが増幅し、強権をも実行させるに至って。
それでも、あの時一瞬見せた笑顔は―――本物だったから。
もしそんな怨念が無ければ。
そんな怨念を生み出す世界が正せるならば。
そう、願ってみたくなったのだ。
そう、信じてみたくなったのだ。
もうミョーレの様な歪んでしまった女性を見たくはないから。
あの笑顔を常に浮かばせられる事こそが、世界のあるべき姿だと思ったから。
「アージ、それは―――」
「そして俺も魔特隊だあッ!!」
「―――ッ!?」
「世界に『平和』をもたらす、その志を持った仲間を、友を見捨てる訳にはいかんのだッ!! 今まで斬ってきた者達にも、無情にも命を散らしてきた者達の為にもッ!!」
だからアージは戦う事を望む。
例え己の手が血に染まろうとも。
屠ってきた者達の命を無駄にしない為にも。
明日の礎を築く為にも、アージはその身捧げる事を選んだのである。
この時、その巨大な斧が真っ直ぐ持ち上がる。
切っ先をカノバトへと向けて雄々しく高々と。
言葉よりも、心よりも。
武器を見せつける事が何よりも今の相手には伝わるからこそ。
〝魔剣の刃を向ければそれすなわち、敵対の意となる〟
これは魔剣使いなら誰もが知る常識なのだから。
「何故だ、何故わからぬ!? 世界が崩壊してしまえば、平穏も何もあったものではないであろう!!」
「師匠こそ何故わかろうとしないのだ!! 【フララジカ】が停滞しようとも、そこに残るのは争いのみ!! そこに生きる者達には絶望しか残らんのだ!! 世界を分断せねば未来は無いッ!!」
「うくくっ、わからず屋め……それが本気で出来ると信じているのか!?」
「出来るッ!!」
「なッ……!?」
アージは引くつもりなど一切無いのだ。
その信念と願いを成就する為にも。
そして、剣聖達に託された未来を守る為にも。
「根拠も無しに、それを言い切るかッ!!」
「根拠は無くとも、信頼出来るに値する者が動いてくれているッ!!」
「他人任せか!! 言うに及んでえッ!!」
「最も信頼し、その道に通ずる者が『今を任せろ』と言ったのだ!! ならばそれを信じずして何を信じるというのかあッ!!」
剣聖が、ラクアンツェが世界を分断する為に創世の鍵を探して旅立った。
「未来を任せた」、そう書き置きを残して。
確かに、剣聖達が確実に世界を分断出来るとは限らないだろう。
だからといってアージに剣聖達との強い絆がある訳でもない。
戦友でも無く、師弟の間柄という訳でもない。
だが、剣聖達は今までずっとそれを叶える為に動いてきた。
誰よりも真実に近く、誰よりも詳しいからこそ。
ああ宣ったデュゼローと同じ程に。
それを知っているからアージは信じたのだ。
剣聖達が必ず世界を分断してくれるのだと。
カノバトがデュゼローを信じたのと同様に。
「俺は最善の〝今〟を創ろうとする剣聖殿達を信じたのだ!! そう値する者達だからこそ!! だから俺は最善の〝未来〟を創る為に力を奮う。 例え貴方が立ち塞がろうとも……!!」
「よかろう、ならばワシがその信念ごと全力を以って叩き伏せよう!!」
互いの信念は同じ様で異なる。
その未来の形が全く違うからこそ。
だから二人はこうして改めて対峙する。
自分達の未来を創る為には、知った者を歯牙に掛ける事も厭わないからこそ。
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