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第三十九節「神冀詩 命が生を識りて そして至る世界に感謝と祝福を」
~それでも世界は抗う~
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レンネィ達が相模湖にて防衛戦を繰り広げている時の事。
この頃、世界各地においても一定の変化が訪れていた。
それも総じて、邪神への反旗という形で。
同刻、東京西部では。
市民を襲う異形に対し、敢然と鉄拳を見舞う者が一人。
「俺ァいずれ世界を獲るプロボクサー池上光一だァ!! なめんなよオラアッ!! 」
さすがのプロボクサーともあって拳にはキレがある。
異形と言えど、その一撃をまともに貰えば倒伏必至だ。
しかもその影では倉持オーナーや練習生達が市民を逃げるよう誘導している。
きっと勇や池上の雄姿に感化されたのだろう。
彼等も信じている。
勇達が勝つ事を、世界に明日が訪れる事を。
その為にも、今度は己の力を奮うべきだと思ったのだ。
これがひいては、いつか自分の為にも繋がると信じているからこそ。
同刻、東北秋田県では。
地這う異形達へと矢を番える空の番人達が居た。
「総員構えぃ!! 射れェ!!」
ジョゾウ達である。
魔者である彼等もまた勇達の戦いに呼応し、異形達へ戦いを挑んでいたのだ。
確かに彼等は日本に対して蟠りを抱いているだろう。
しかし今はそんな事を言っている場合ではない。
今こそ手を合わせて戦うべきだとわかっているのだから。
故に射る。
ここまでに培ってきた想いに懸けて幾度と無く。
例え呪物が無くとも、無念を祓う気概は未だ不滅。
同刻、関西京都では。
街で暴れる異形達を槍で突く毛玉達の姿がそこに。
「気ィ抜くな若造どもォ!! 命力を籠めずに突くんじゃあ!!」
「「「ハイッ!! うおおお!!」」」
なんとあのアルライ族もが戦いに繰り出していたのだ。
バノを筆頭に、伝統工芸として造られた槍を持って。
かつて勇達と文化交流した若者達も今や立派な戦士だ。
地球人類へ魔者の存在を示しただけではなく、今は戦う事を示している。
恐れる事は何も無いのだと言わんばかりに。
昔はただ可愛いとしか思われていなかった。
でもその存在は今、誰よりも何よりも強く気高く誇らしかった。
逃げ惑うだけだった人々へと新たな希望を灯す程に。
同刻、九州博多では。
押し寄せる異形達を防がんとする、自衛隊員達の必死に戦う姿が。
「左翼前進! 囲いこめェ!」
「杉浦一佐! 七番隊が新たな敵群に遭遇、応戦中の模様!」
「想定内だッ!! だが市民の救助を最優先、五番から援護を回せッ!!」
歩兵達の進撃の下、銃声と怒号が幾つも上がる。
その中にはいつか勇達とも関わった陸上自衛隊高官、杉浦の姿も。
高官と言えど前線に立つ。
人員が不足しているからと、自ら示す必要があったからだ。
〝自分達はまだ一切負けていない〟のだと。
故に自ら銃をも撃とう。
その決意に塗れた眼に、もはや一切の迷いは無い。
同刻、アメリカ南部では。
自慢の牙が突撃が、異形達の身体を強く遠く弾き飛ばしていく。
「オラさ今居られんのはユウ=フジサキ達のお陰っちゃね!! なら恩ば返すべよ!!」
男子三日会わざれば刮目して見よ。
いつかは勇達に襲われ怯えを見せた猪型魔者ボノゴ族達だったが。
それももう昔の話で、今となっては人間とも和解し自信に満ち溢れている。
現地の人間との交流で自分達の強さを改めて知ったからだ。
でもその力は今、守る為に使われる。
こうして守り、共に生きる事に喜びを感じたからこそ。
だからかつては幼子だった者達も、それを守っていた老人も戦っている。
いつか赤拳の魔剣使いに教えられた勇気を胸に抱いたままに。
同刻、ブラジル中部では。
無数の巨体による、異形を掴んで千切って投げ飛ばしていく走り姿がそこに。
「めいわくをかけた、にんげんたちに。 ならばむくいよう。 ここからは、われわれのばん。 ぎせいになろうと、いのちをかけろ!! オッファノのほこりを、とりもどすために!!」
ウロンド達だ。
先の洗脳呪縛から解き放たれ、正気に戻っていたのだ。
その上で惨事と事実を知った。
自分達が総じて操られ、無数の人間を殺してしまったのだと。
今の彼等にとっても取り返しのつかない悲劇である。
しかしそれでも今だけは振り返らない。
今はそんな事で悲しみに暮れている場合ではないと理解しているから。
ならばその悲しみをも背負い、償う為にも命をも張ろう。
決して自分達の誇りを裏切らない。
約束を守り、共に生きる事を誓った誇りを。
例えそれが悪魔によって歪められたものであろうと拘らず。
それだけ彼等の意志は誰よりも高潔なのだから。
同刻、トルコ南東部では。
人間が複数人で巨大な木杭を運び、異形へと容赦なく打ちつけていく。
「確かにかの者は剣聖では無かった。 しかし恩義がある事に変わりはない!! リジーシアの者達よ、かつての恩義に報いて力を見せよ!!」
そう、色んな意味で勇や瀬玲を苦しめたリジーシアの国の人間が戦っているのだ。
昔ながらの、魔者との戦いで培った原始的な戦法で。
あの熟女の指揮の下に。
しかし原始的だからこそ何より効果的となろう。
丸太程の巨大な杭を打ち込まれて無事な生物など居る訳が無い。
文字通り異形とて木っ端微塵、効率は悪いが確実だ。
人は変わる。
例えニキビイケメンであろうと。
時代に順応すればおのずと、こうして何を守るべきか理解出来るくらいに。
同刻、アフリカ北部リビア及び周辺諸国では。
ターバンを被った多くの人間が、埃の被った銃を手にして走り行く。
『自らを神と宣いし者など、我等が神は認めない。 ならば神兵達よ剣を取れ! 神の名を穢す者達に鉄槌を!! 邪悪なる黒の使途を聖なる力を以て殲滅するのだ!!』
この放送を受け、奮起するままに。
【砂上の戦教師】アルディ=マフマハイドの教えに従って。
そう、これは紛れも無くアルディの生音声だ。
砂漠の民を奮起させようと国連が力を借りたのである。
アルディの象徴性は未だ健在。
【救世同盟】に関係無く、多くの同教者達が彼の帰りを待っている。
それを利用する形にはなるが、それでも何もしないよりはマシだ。
それがアルディの持つ現実主義の形だから。
そして世界を救うという事もまた、彼にとっての挑戦なのだから。
同刻、ヨーロッパ各地では。
誰に言われた訳でも無く銃を取り、隣人を守る為だろうと躊躇わず火を放つ。
「【救世同盟】に入って良かったと思う事が一つある。 こうして隣人への愛を明らかに出来た事だ」
かの【救世同盟】メンバー達が、である。
デュラン達に説得された後も、彼等の戦いは続いていた。
もちろん世界を恐怖に包む為ではなく、脅威から人を守る為にと。
膨らんだ愛国心が正しい形で機能していたが故に。
こう言って散弾銃を放ったのは格好良くも無い、肉屋を経営する太身丸鼻中年男性だ。
だがその容姿に関わらず、異形へと冷静に撃ち続ける姿はどこか凛々しい。
守られた若い女性がときめいてしまう程に。
戦う術を知ったならば、こうして惜しまず奮おう。
もう二度と過ちを犯さない為に。
同刻、タイ王国では。
今まで現地人とも交流しなかったかの隠れ里の者達もが立ち上がる。
「フジサキユウの見せてくれた未来は間違い無く、創世の女神様の導きによるもの。 ならばそれも後世に伝えよう。 その為にも、我々もが未来を切り開く礎となろうぞ!」
勇達に創世の鍵への橋渡しをしてくれたヤヴら、ゴトフの里の者達だ。
彼等も最初は目的を果たせぬと悟り、生きながらにして死んだも同然だった。
でも勇達に新たな希望を見てからは実に活き活きとしたもので。
彼等にも当然、敵と戦う為の力はある。
ならばと立ち向かう為に老人でさえも武器を取ろう。
若い頃に成し得なかった夢の続きを、今から見る為にも。
むしろ老人であればある程、彼等はより強く輝く事が出来ていたのだ。
同刻、モンゴル北部では。
なんと今まで門外不出とさえ言われていたイ・ドゥール族達が一斉に飛び出していて。
「師父様とイシュライト様に続けェ!! あの方々の命と拳に報いる為にもッ!!」
二人の戦いに感銘を受けたのだろう。
そして彼等も知った。
命を奮ってでも戦い抜かねばならない世界が外にあるのだと。
裏闘法を介して真なる宿命さえも知った今、何の躊躇いがあるものか。
猛る彼等を止める事など出来ようか。
否、彼等は拳士だからこそ止まらない。
ならば喜んでその拳を奮おう。
然らば裏闘法の模倣さえ進んで挑戦してみせよう。
これこそがイ・ドゥールの生き様なれば。
同刻、オーストラリア中部では。
バロルフの姿に感銘を受けた者達の泣き震える姿がそこに。
「やっぱり貴方は我々のリーダーだあ!!」
「よし、俺達もあの方に続くぞ!!」
「「「おう!!」」」
捕まらないまま日本から逃げおおせた元【七天聖】のメンバー達だ。
勇にビビッて一目散に逃げても、今なおバロルフへの想いは変わっていないらしい。
それどころか、その雄姿を見て感動にさえ打ち震える。
きっと今まではひっそりと生きて来たのだろう。
誰に知られる事も無く、魔剣使いである事も隠して。
でもそれは今日までだ。
この日、彼等は再び日の目を見る為にも一歩を踏み出す。
志は未だ低くとも、成そうとする事に過ちは無い。
かつてのリーダーが魔剣使いのあるべき姿を教えてくれたからこそ。
世界中で今、この様に多くの者達が戦っている。
もちろん今挙がった者達だけではなく、勇達と関わっていない者達も。
己の力の奮い所に気付いた者達がこぞって立ち上がり始めたのだ。
これは紛れも無い希望である。
明日を望む人々の命歌である。
なれば天の者は応えよう。
その声に、その歌に心耳を傾けながら。
皆が望む明日の為にも―――命を賭して。
この頃、世界各地においても一定の変化が訪れていた。
それも総じて、邪神への反旗という形で。
同刻、東京西部では。
市民を襲う異形に対し、敢然と鉄拳を見舞う者が一人。
「俺ァいずれ世界を獲るプロボクサー池上光一だァ!! なめんなよオラアッ!! 」
さすがのプロボクサーともあって拳にはキレがある。
異形と言えど、その一撃をまともに貰えば倒伏必至だ。
しかもその影では倉持オーナーや練習生達が市民を逃げるよう誘導している。
きっと勇や池上の雄姿に感化されたのだろう。
彼等も信じている。
勇達が勝つ事を、世界に明日が訪れる事を。
その為にも、今度は己の力を奮うべきだと思ったのだ。
これがひいては、いつか自分の為にも繋がると信じているからこそ。
同刻、東北秋田県では。
地這う異形達へと矢を番える空の番人達が居た。
「総員構えぃ!! 射れェ!!」
ジョゾウ達である。
魔者である彼等もまた勇達の戦いに呼応し、異形達へ戦いを挑んでいたのだ。
確かに彼等は日本に対して蟠りを抱いているだろう。
しかし今はそんな事を言っている場合ではない。
今こそ手を合わせて戦うべきだとわかっているのだから。
故に射る。
ここまでに培ってきた想いに懸けて幾度と無く。
例え呪物が無くとも、無念を祓う気概は未だ不滅。
同刻、関西京都では。
街で暴れる異形達を槍で突く毛玉達の姿がそこに。
「気ィ抜くな若造どもォ!! 命力を籠めずに突くんじゃあ!!」
「「「ハイッ!! うおおお!!」」」
なんとあのアルライ族もが戦いに繰り出していたのだ。
バノを筆頭に、伝統工芸として造られた槍を持って。
かつて勇達と文化交流した若者達も今や立派な戦士だ。
地球人類へ魔者の存在を示しただけではなく、今は戦う事を示している。
恐れる事は何も無いのだと言わんばかりに。
昔はただ可愛いとしか思われていなかった。
でもその存在は今、誰よりも何よりも強く気高く誇らしかった。
逃げ惑うだけだった人々へと新たな希望を灯す程に。
同刻、九州博多では。
押し寄せる異形達を防がんとする、自衛隊員達の必死に戦う姿が。
「左翼前進! 囲いこめェ!」
「杉浦一佐! 七番隊が新たな敵群に遭遇、応戦中の模様!」
「想定内だッ!! だが市民の救助を最優先、五番から援護を回せッ!!」
歩兵達の進撃の下、銃声と怒号が幾つも上がる。
その中にはいつか勇達とも関わった陸上自衛隊高官、杉浦の姿も。
高官と言えど前線に立つ。
人員が不足しているからと、自ら示す必要があったからだ。
〝自分達はまだ一切負けていない〟のだと。
故に自ら銃をも撃とう。
その決意に塗れた眼に、もはや一切の迷いは無い。
同刻、アメリカ南部では。
自慢の牙が突撃が、異形達の身体を強く遠く弾き飛ばしていく。
「オラさ今居られんのはユウ=フジサキ達のお陰っちゃね!! なら恩ば返すべよ!!」
男子三日会わざれば刮目して見よ。
いつかは勇達に襲われ怯えを見せた猪型魔者ボノゴ族達だったが。
それももう昔の話で、今となっては人間とも和解し自信に満ち溢れている。
現地の人間との交流で自分達の強さを改めて知ったからだ。
でもその力は今、守る為に使われる。
こうして守り、共に生きる事に喜びを感じたからこそ。
だからかつては幼子だった者達も、それを守っていた老人も戦っている。
いつか赤拳の魔剣使いに教えられた勇気を胸に抱いたままに。
同刻、ブラジル中部では。
無数の巨体による、異形を掴んで千切って投げ飛ばしていく走り姿がそこに。
「めいわくをかけた、にんげんたちに。 ならばむくいよう。 ここからは、われわれのばん。 ぎせいになろうと、いのちをかけろ!! オッファノのほこりを、とりもどすために!!」
ウロンド達だ。
先の洗脳呪縛から解き放たれ、正気に戻っていたのだ。
その上で惨事と事実を知った。
自分達が総じて操られ、無数の人間を殺してしまったのだと。
今の彼等にとっても取り返しのつかない悲劇である。
しかしそれでも今だけは振り返らない。
今はそんな事で悲しみに暮れている場合ではないと理解しているから。
ならばその悲しみをも背負い、償う為にも命をも張ろう。
決して自分達の誇りを裏切らない。
約束を守り、共に生きる事を誓った誇りを。
例えそれが悪魔によって歪められたものであろうと拘らず。
それだけ彼等の意志は誰よりも高潔なのだから。
同刻、トルコ南東部では。
人間が複数人で巨大な木杭を運び、異形へと容赦なく打ちつけていく。
「確かにかの者は剣聖では無かった。 しかし恩義がある事に変わりはない!! リジーシアの者達よ、かつての恩義に報いて力を見せよ!!」
そう、色んな意味で勇や瀬玲を苦しめたリジーシアの国の人間が戦っているのだ。
昔ながらの、魔者との戦いで培った原始的な戦法で。
あの熟女の指揮の下に。
しかし原始的だからこそ何より効果的となろう。
丸太程の巨大な杭を打ち込まれて無事な生物など居る訳が無い。
文字通り異形とて木っ端微塵、効率は悪いが確実だ。
人は変わる。
例えニキビイケメンであろうと。
時代に順応すればおのずと、こうして何を守るべきか理解出来るくらいに。
同刻、アフリカ北部リビア及び周辺諸国では。
ターバンを被った多くの人間が、埃の被った銃を手にして走り行く。
『自らを神と宣いし者など、我等が神は認めない。 ならば神兵達よ剣を取れ! 神の名を穢す者達に鉄槌を!! 邪悪なる黒の使途を聖なる力を以て殲滅するのだ!!』
この放送を受け、奮起するままに。
【砂上の戦教師】アルディ=マフマハイドの教えに従って。
そう、これは紛れも無くアルディの生音声だ。
砂漠の民を奮起させようと国連が力を借りたのである。
アルディの象徴性は未だ健在。
【救世同盟】に関係無く、多くの同教者達が彼の帰りを待っている。
それを利用する形にはなるが、それでも何もしないよりはマシだ。
それがアルディの持つ現実主義の形だから。
そして世界を救うという事もまた、彼にとっての挑戦なのだから。
同刻、ヨーロッパ各地では。
誰に言われた訳でも無く銃を取り、隣人を守る為だろうと躊躇わず火を放つ。
「【救世同盟】に入って良かったと思う事が一つある。 こうして隣人への愛を明らかに出来た事だ」
かの【救世同盟】メンバー達が、である。
デュラン達に説得された後も、彼等の戦いは続いていた。
もちろん世界を恐怖に包む為ではなく、脅威から人を守る為にと。
膨らんだ愛国心が正しい形で機能していたが故に。
こう言って散弾銃を放ったのは格好良くも無い、肉屋を経営する太身丸鼻中年男性だ。
だがその容姿に関わらず、異形へと冷静に撃ち続ける姿はどこか凛々しい。
守られた若い女性がときめいてしまう程に。
戦う術を知ったならば、こうして惜しまず奮おう。
もう二度と過ちを犯さない為に。
同刻、タイ王国では。
今まで現地人とも交流しなかったかの隠れ里の者達もが立ち上がる。
「フジサキユウの見せてくれた未来は間違い無く、創世の女神様の導きによるもの。 ならばそれも後世に伝えよう。 その為にも、我々もが未来を切り開く礎となろうぞ!」
勇達に創世の鍵への橋渡しをしてくれたヤヴら、ゴトフの里の者達だ。
彼等も最初は目的を果たせぬと悟り、生きながらにして死んだも同然だった。
でも勇達に新たな希望を見てからは実に活き活きとしたもので。
彼等にも当然、敵と戦う為の力はある。
ならばと立ち向かう為に老人でさえも武器を取ろう。
若い頃に成し得なかった夢の続きを、今から見る為にも。
むしろ老人であればある程、彼等はより強く輝く事が出来ていたのだ。
同刻、モンゴル北部では。
なんと今まで門外不出とさえ言われていたイ・ドゥール族達が一斉に飛び出していて。
「師父様とイシュライト様に続けェ!! あの方々の命と拳に報いる為にもッ!!」
二人の戦いに感銘を受けたのだろう。
そして彼等も知った。
命を奮ってでも戦い抜かねばならない世界が外にあるのだと。
裏闘法を介して真なる宿命さえも知った今、何の躊躇いがあるものか。
猛る彼等を止める事など出来ようか。
否、彼等は拳士だからこそ止まらない。
ならば喜んでその拳を奮おう。
然らば裏闘法の模倣さえ進んで挑戦してみせよう。
これこそがイ・ドゥールの生き様なれば。
同刻、オーストラリア中部では。
バロルフの姿に感銘を受けた者達の泣き震える姿がそこに。
「やっぱり貴方は我々のリーダーだあ!!」
「よし、俺達もあの方に続くぞ!!」
「「「おう!!」」」
捕まらないまま日本から逃げおおせた元【七天聖】のメンバー達だ。
勇にビビッて一目散に逃げても、今なおバロルフへの想いは変わっていないらしい。
それどころか、その雄姿を見て感動にさえ打ち震える。
きっと今まではひっそりと生きて来たのだろう。
誰に知られる事も無く、魔剣使いである事も隠して。
でもそれは今日までだ。
この日、彼等は再び日の目を見る為にも一歩を踏み出す。
志は未だ低くとも、成そうとする事に過ちは無い。
かつてのリーダーが魔剣使いのあるべき姿を教えてくれたからこそ。
世界中で今、この様に多くの者達が戦っている。
もちろん今挙がった者達だけではなく、勇達と関わっていない者達も。
己の力の奮い所に気付いた者達がこぞって立ち上がり始めたのだ。
これは紛れも無い希望である。
明日を望む人々の命歌である。
なれば天の者は応えよう。
その声に、その歌に心耳を傾けながら。
皆が望む明日の為にも―――命を賭して。
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