ヒロインはモブの父親を攻略したみたいですけど認められません。

haru.

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ー番外編ーヴィオレット*隣国編*

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セディルさんの話は想像以上だった・・・
親の因縁に巻き込まれ、婚約者だった令嬢には脅迫や束縛をされ、信じていた仲間からは疑われ、裏切る者までもいて最後には犯罪にも巻き込まれて・・・

(壮絶過ぎるよ・・・
こんな事があったら女の人も嫌いになるし、人間不信にもなるよ・・・)

私は初めて会った時のあの殺気をだらけで手負いの獣と呼ばれていた、セディルさんを思い出していた。

それにしてもあの赤髪の騎士は言ってたな。
「エステリーナ様はまだお前を諦めてはいないぞ。」・・・これは不味いよね・・・。

恐らくあの一件で騎士団にも、侯爵家にも、セディルさんの居場所はバレているだろうし・・

侯爵家としては何かしらの手を打ってくるかもしれないな・・・

再度セディルさんの事件が調査されているのなら、ボロが出ないように早々に事を納めたい筈だ。その為にはセディルさんを侯爵家が許すとした呈で再度婚約者として受け入れるというのが侯爵家のイメージを損なわずにセディルさんを手に入れられるだろう。

その為にはセディルさんがもう1度エステリーナ様にすがりつかなくてはいけない場面を用意してくる筈だ・・・

今のセディルさんの弱味は家族・・・
孤児、院長様達、孤児院・・・
そして私達もきっといい標的となるのだろう。

私はサンやセディルさんがこの話を始めた理由を理解して顔をしかめた・・・

(孤児院が標的になんて考えたくないけど・・・今話を聞いた通りの人ならきっと利用できる物は何でも使いそう・・・
そしたら・・・恐らく私の事も・・・)

私は内心の焦りを隠しながら冷静な顔で話し始めた・・・

「では侯爵家の方が動かれるという事を前提に、私達は身を守る事を徹底してセディルさん達の足を引っ張らないように致しますね。」

私の身元や過去が利用される可能性もあるかもしれないし、早く家に帰ってお祖父様達と相談しなくては・・・
公爵家の方々もユーロお祖父様達も、セディルさんの居場所がバレている件ももう知っている筈だ。何かしらの手を打っているだろう・・

私よりも頭の良い人達が動いている筈なのだから大丈夫だ。そう思うのに・・・何故だか心がざわつき不安が過る・・・

そんな私の気持ちなど知らないサンは、
「お、お嬢様、何故今の話を聞いた感想がそんな事務的でドライなんですかッ!?」
と何故か焦ったように言ってきた・・・

「え、だって・・・知り合い未満の私からの同情や慰めなんて欲しくないでしょうし、実際の事を知らない私に言える事なんて無いわよ。
それに今私がセディルさんの為にしなくてはいけない事は私やこの孤児院の子供達が利用されないように対策を考える事です。」

「・・・私達なんて良い標的ですからね。
よって、危ない橋は渡らなくて済むように、侯爵家の事が片づくまでは露店は止めておきましょう。」

私達の事は気にせずに思いっきり今までの鬱憤を晴らしてくると良いですよ?とセディルさんに、にっこりと微笑みながら侯爵家やその婚約者への仕返しを推奨した・・・

「やられっぱなしじゃ絶対心にしこりが残りますからね・・・言いたい事は残さず吐き捨てる!これがスッキリする秘訣です。」

オススメです。これは・・・と私がお父様にした対応を思い出して豪語していると・・・横でサンが呆れた顔をしながら溜め息をついていた。するとずっと呆然とした顔をしていたセディルさんの体が震えだした・・・そして・・

「クッッッ・・・クククッ・・・あ、あははははははははははッッッ!!!!」

何処かネジが外れたかのようにいきなり笑い狂い出し空を向かって笑ったり、腹を抱えて笑ったり、涙すら出ているようで笑いが止まらなくなっていた・・・

「ははははははははッ・・・ゴホッッ・・・ははははははははははッ・・・はははははははははッ」

(え、こ、怖いんだけど・・・
何なの・・・この壊れた感は・・・)

「お、お嬢様のせいですよ・・・責任とって笑いを止めて下さいッ!」
「な、何で、私なのよッッッ!」
「明らかに普通の話の流れからかけ離れた行動をとったのはお嬢様なんですから!」
「え、え、だ、だって実体験から判断したらそれがベストかと思って・・・」
「はぁ~・・・・・・」
「何にも知らない人からの同情からの慰めなんて絶対いらないし!
私にはお祖父様やお祖母様や皆の言葉さえあれば何の問題もなかったから・・・」
「だからって・・・何復讐を推奨してるんですか・・・」
「復讐って・・・そこまでじゃないけど、このままじゃ絶対後悔するから暴言くらいなら吐いてくればいいと思って・・・それに、セディルさんは最後の最後で踏みとどまる人だと思うから、一線は越えないんじゃないかな?・・・」
「うわぁ・・・残酷ですね・・・」
「え、何でよッ!」

私達が壊れたセディルさんの側でコソコソと内緒話をしていると・・・

「ああ・・・笑った・・・・・・
こんなに笑ったのは生まれて初めてかもしれないな・・・」

セディルは別人のように穏やかな表情をしながら私の頭に手をおき、「俺も同情や慰めなんてまっぴらごめんだ。」と言って頭を撫でてきた・・・

「えぇ・・・ッッッ?!
えっと・・・どうかされましたか?」

(何ッッッ!?この破壊力満点の顔は・・・
何で私の頭を撫でてるの?!これは拒否するべき?で、でも言い出せないよ・・・あんな顔見せられたら・・・)

私は初めての異性からの頭ナデナデに胸がキュ━━━━━ンッッッとしていた・・・

(こ、これが美形の罠なのね・・・
恐ろしい・・・気をつけなくちゃ・・・)

私が若干頬を染めながら慌てている姿に、セディルさんはますます、顔を緩めた・・・

「・・・そんな顔初めてだな・・・。
俺のせいでヴィオラの表情が変わるのは悪くないな・・・」

うん。可愛い・・・。
そう言いながらどこかうっとりとした表情のセディルさんは私の頬に手を当てた・・・

「ふぇッ・・・ッ・・・・・・」

親指の腹で私の耳に触れたり、何故か私の顔を触りまくっているセディルさん・・・

(な、な、な、・・・な・・んなの・・・これは
・・・ど、・・ど・・う・するべき・・なの)

緊張なのか、恥ずかしさなのか、それとも困惑してるだけなのか、わからない感情と熱がぐわんぐわんに私の中で暴れ回っていた。

長椅子に座っている私とセディルさんの間にあった筈の少しの、でも空けておくべき空間が気がついた時にはなくなっており、セディルさんに端へ追いやられるように私とセディルさんの距離はピッタリとくっついていた・・・

「あ、あの・・・ちょ・・っと・・離れ・・ませんか・・・・近す・・・ぎ・・ます・・・」

何だか気のせいかもしれないが、セディルさんの顔も近くなってる気がして、言葉が震える・・・

そんな私の態度を見たサンが固まっていた思考や体をハッ!と蘇らせて、セディルさんの暴走を止めた・・・

「ッッッ!!!!ちょっと!やり過ぎですッッッ!
お嬢様、ついていけてませんからッッッ!!」

セディルさんの手や体を無理矢理私から離れさせるサン・・・

私は上手く身動き取れなかった体がようやく自分の元へ戻ってきてホッとしたのか、深呼吸をしながら上がりきった熱を鎮めていた・・・

「ッッッ!!!・・・・・・
すぅ━━はぁ━━・・・すぅ━━はぁ━━」

(顔が熱いッッッ!!!
何なのッ!訳がわからなすぎてセディルさんの顔を見れないんだけど・・・)

(今の今までかなりシリアスな話だったよね?あ、あれ・・・私夢でも見てた?!)

そして私が1人で葛藤している間に・・・
何やら開き直っているセディルさんが、
「何をするッッッ!・・・ヴィオラと話をしていただけだぞ!邪魔をするなッ!!」と言って再度私の元へ向かおうとしていた。だがそれを許さないのがサンだ・・・「いきなり恋人でもない男があんな距離感で接するなんて許されませんよッ!!」

今まであの女の事もあったし、社交界の令嬢はいつも熱の籠った視線で自分から身を寄せてきた。むしろ触ってくれというくらいの距離感が基本だった女達・・・。そういった女しか見てこなかったセディルにとって衝撃の言葉・・・自分が如何に非常識な行動をとっていて、自分にはヴィオラに触れる権利はない。それがわかったセディルは体や心全てが凍りついていく気持ちだった・・・

「そ、そうか・・・い、今のは・・・おれに・・はでき・・・なくて、・・あれをしていいのは・・・恋人・・な・・のか・・・・・」

頭の中で想像してみる・・・ヴィオラに自由に触れて、あの恥ずかしそうに赤らめた顔を独り占めする男・・・。見知らぬ男の言動に心や体を動かすヴィオラ・・・・・・

セディルは思った・・・無理だ。想像するだけでその男を殺したくなる・・・と。

そう思った瞬間ストンと何かが落ちてきた。
・・・ああ・・・俺、ヴィオラから目が離せなくて、気になっていて、側にいたいと思ってたけど・・・恋人として側にいたかったのか・・・俺はヴィオラに惚れてるんだな・・・

自覚した途端、もう誰にも譲りたくない、触らせたくないと思ったセディルは・・・
「恋人になる・・早く・・・ヴィオラと・・」

セディルの瞳に沸き上がった熱を見てヤバいと思ったのか・・・「待て待て待てッッッ!!!」とセディルの首根っこを引っ掴んで引き止めた。

欲望のまま動こうとしたセディルはサンに止められたのが不服だったのか、熱すぎる熱を含んだ瞳がギラギラとしながら鋭くサンに突き刺さっていった・・・

だが流石はプロの護衛・・・そんな視線初めての欲望に押さえきれない獣ものともせずに、女性関係の常識が欠如しているセディルに「そんな暴走状態でお嬢様の元へは行かせられない。」
「今のままでは確実にお嬢様には受け入れられない。」
「心を落とすのではなく、体を落とす気か?」
「それで本当に満足できるのか?」
「本当にお嬢様が欲しいのなら、お嬢様に合わせたスピードで口説いていきなさい。」

開いた口が塞がらない・・・
今のままではダメ?
ヴィオラが俺の物にはならない・・・

頭の中がスゥ━━━━━━ッと冷えて冷静になっていくのを感じた・・・

俺今焦って暴走していたのか?
ヴィオラに何をしようとしていた?
落ち着け・・・落ち着け自分・・・

セディルはありったけの理性で自分の中に沸き上がっている欲望を押さえ込もうとする・・・

「いいですか?今までの貴方の人生を考えると、恐らく貴方は今生まれて恋愛で、初めての男の欲望を感じているのかもしれません。
ですが、それを暴走させていいのは子供だけです。大人の男はその欲望を上手くコントロールさせ相手の女性を怖がらせないようにします。」

「見てください・・・お嬢様のあの困惑した姿を・・・」

サンに言われてヴィオラの方へ視線を向けると真っ赤な顔させながら潤んだ瞳をさまよわせている可愛らしい女性がそこにはいた・・・

セディルはその姿を見て、一瞬で理性が崩れ再び沸き上がる欲望が現れてきた・・・

「それです!それをやめなさい・・・何て顔をしているのですかッッッ!!!」

サンがいうには俺の瞳は溢れだした欲望が隠せていないらしくギラギラした視線や少し荒い呼吸はまるで発情期の獣のようらしい。
「そんなを向けられたら、初なお嬢様はすぐさま逃げ出します。」
「それに助けを求められたら護衛である我等が動きます。」
「良いですか・・・欲望は貴方の内に秘めておきなさい。お嬢様が貴方を受け入れた暁には徐々に解放していけばいいでしょう。」
「・・・いいですか!ですよ!ここ、凄く大事ですからね!です!それも、お嬢様が貴方を受け入れてくれたらですよ!」

この沸き上がってる熱を押さえる?!
それもヴィオラが俺を受け入れる日まで?

わかっている・・・ヴィオラの心を優先すべきなのは・・・だが何なんだ・・・この沸き上がって消えていかない熱い物は・・・これを押さえられないとヴィオラは手に入らない・・・うっ・・・何て辛いんだ・・・ヴィオラを見ているだけで・・・沸き上がってくるのに・・・

セディルの欲望と理性の葛藤は続く・・・

サンの難しい要求に苦しみながら、それでもヴィオラの側にいる権利恋人を欲するセディルの戦いが今から始まるのであった・・・



・・・・・・・・・・・・


・・・そして遅すぎる思春期初恋を迎えたセディルを止める為に奮闘する事になるサンなのであった・・・・・・

「これじゃあ、手負いの獣が欲望の獣に変わっただけじゃないかぁぁぁぁぁ!!!」

欲望の獣・・・むしろこっちの方がお嬢様にとっては危険かもしれない・・・そう思い、今日も女性への接し方をセディルに教育する事になる・・・そしてその様子をイブにも見つかり、ヴィオラの危機にイブもセディルの教育に参加し、お嬢様の貞操を守るのであった・・・




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