双子の妹に全てを奪われた令嬢は訳あり公爵様と幸せになる

甘糖むい

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「君はこれまでどんな生活をしてきたんだ?」

デザートまでを食べ終えて一息ついている時間にヴァイスは突然切りだした。
ミシャルにとってあまり触れられたくない話題を選んだヴァイスは顔色が変わったミシャルに対して素知らぬそぶりをかめていた。

返事に困ったミシャルがチラリとクロディクスをみたが、グラスを傾けたままクロディクスは黙って二人の動向を見守っているだけだった。
助けを求められそうもないと思ったミシャルは次にゼリヌに視線を向けた。

ゼリヌもミシャルの顔を不安そうに見つめていたが、ヴァイスの問いが気になるのか止めるそぶりは見せないで、助けを出してもらえそうもない状況にミシャルは追いやられてしまった。

常識を殆ど知らなくても、人に聞かせられるような話ではない事をわかっているミシャルは一度口を開いたもののすぐに口を閉じて考え込んでしまった。

「無理強いをするつもりはないんだ、すまなかった」
「いえ、その…お耳に入れられないお話しかなくて」

ヴァイスがミシャルの様子にこの話題を振るのは早かったかと申し訳なさそうに眉を下げて謝った。
そんな顔をされてしまうとは思ってもいなかったミシャルはヴァイスと同じような顔をして言葉を濁した。
ここに来て日が浅いとはいえこちらの生活が今までと180度違っていて戸惑いを隠しきれないそんな表情だった。

「頬の痕は誰がやった?」

それまで黙っていたクロディクスは静かに口を開いた。
問われてミシャルはクロディクスの視線から隠すように頬に手を当てた。
鏡を見る習慣のないミシャルは自分の顔がどんな事になっているのか自分で確認できなかったが、指摘されるほどひどい事になっている自覚があった。

家を飛び出す前にシャルルに打たれた頬は熱は引いてはいたものの、頬にシャルルの爪が当たってついた傷が残っていた。
よくよくみるとその傷は無数にあった。

「…妹に、私が愚図で出来損ないの呪われた姉だから」

傷について不躾に触れたクロディクスへ非難の目を向けていたゼリヌはまるで自分が悪いと言うように言葉を続けるミシャルを痛ましく見つめていた。

昨夜、ミシャルの世話をしたゼリヌは湯浴みの際にその体中についた傷を見て驚いた。
傷に触れないように身体を洗ってやり、効果の高い薬を塗ってから出来るだけ肌が見えないドレスを用意するなど、ミシャルが気が付いていないのなら見て見ぬふりをすることにした。

クロディクスに報告をするだけにとどめたゼリヌはミシャルの丸くなった背にそっと手を置いて慰めるそぶりを見せた。
ドレス越しに触れた背中は特にひどく、日常暴力を受けていた事を示す傷痕がたくさん残っていた。

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