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怒りに震えるエマ。泣き崩れる王太后。王太后を支えながらも、怒りに目を吊り上げて国王を睨みつけるミケル。
そんな三人を冷めた目で眺めるホセ国王陛下。
「あんなもの、いつまでもそのままにしておけないだろう」
「兄さんには民の声すらも聞えないのか!?」
全く感情の籠らない声で言うホセに、ミケルが噛みつく。
妻の声、家族の声だけでなく、とうとう民の声までも聞えないのかと。国王の資質を問うような責める言葉だが、ホセの心には一切響いていない。
「兄さんには、あれが見えないのか!?」
ミケルが窓の外を指さす。
そちらは王城へ向かって毎日跪いている民達が居る方向だった。
「平民の遺体をこちらで始末しただけでも有難いと思え」
「ああああああ!! ラウラー!!」
ホセの言葉に、王太后は発狂した。
ラウラをホセと結婚させた事は何より間違っていたのだと、悔やんでも悔やみきれない。
――ホセが勝手にラウラの遺体を始末した。
墓があるわけでもない。遺体がどこにあるかすらも、どうなったのかさえも分からない。
ただ、そんな事を言えるわけもなく、民には簡素な式だけが行われたと伝えた。
それを知った民達は嘆き、毎日王城へと向かって跪き祈るのは、それだけラウラの事を慕っていたというのが分かる。
「もう……許せない!」
「あんたも! 侯爵家も!!」
「はぁ?」
ミケルとエマはこれ以上ない程の憎悪を滲ませて叫ぶが、ホセは心底意味が分からないと首を傾げる。
ホセから見れば、あまりにも理不尽すぎる怒りだ。
愛する人を……婚約者になるべきだった人を王妃にしただけで、邪魔した奴を廃妃とし、平民とした。そしてその遺体を始末しただけでも感謝しろと心の底から思っているのだから。
そして、何故侯爵家にまで怒りが及ぶのか。
「……ナバーロ侯爵家……パウラに何かしたら許さないぞ」
ホセの方も怒りを滲ませる。
完全な対立となるのだが、エマとミケルはもうホセを見限っていた。
ホセがどれだけ怒りをこちらにぶつけようと、ラウラの絶望を思えば羽虫が飛んでいるようなものだ。
「侯爵家にある物含めて、ラウラの遺物は全てこちらで保管しましょう。良いですよね? お母様」
「えぇ……えぇ! あんな所には置いておけないわ!」
王太后は肩を震わせ、切実に願うようエマへと縋り付いたが、ホセは眉間に皺を寄せた。
「ゴミを増やす気か!」
「王家の直轄領にある邸へ置きますよ。兄さんの目には触れないように……何をされるか分かったもんじゃない」
そこは王族が療養に訪れるような辺境地。
普通に生きていれば行く事はない。せいぜい国王が譲位後、余生を楽しむ為に隠居生活をする為に使われる程度だ。
そんな三人を冷めた目で眺めるホセ国王陛下。
「あんなもの、いつまでもそのままにしておけないだろう」
「兄さんには民の声すらも聞えないのか!?」
全く感情の籠らない声で言うホセに、ミケルが噛みつく。
妻の声、家族の声だけでなく、とうとう民の声までも聞えないのかと。国王の資質を問うような責める言葉だが、ホセの心には一切響いていない。
「兄さんには、あれが見えないのか!?」
ミケルが窓の外を指さす。
そちらは王城へ向かって毎日跪いている民達が居る方向だった。
「平民の遺体をこちらで始末しただけでも有難いと思え」
「ああああああ!! ラウラー!!」
ホセの言葉に、王太后は発狂した。
ラウラをホセと結婚させた事は何より間違っていたのだと、悔やんでも悔やみきれない。
――ホセが勝手にラウラの遺体を始末した。
墓があるわけでもない。遺体がどこにあるかすらも、どうなったのかさえも分からない。
ただ、そんな事を言えるわけもなく、民には簡素な式だけが行われたと伝えた。
それを知った民達は嘆き、毎日王城へと向かって跪き祈るのは、それだけラウラの事を慕っていたというのが分かる。
「もう……許せない!」
「あんたも! 侯爵家も!!」
「はぁ?」
ミケルとエマはこれ以上ない程の憎悪を滲ませて叫ぶが、ホセは心底意味が分からないと首を傾げる。
ホセから見れば、あまりにも理不尽すぎる怒りだ。
愛する人を……婚約者になるべきだった人を王妃にしただけで、邪魔した奴を廃妃とし、平民とした。そしてその遺体を始末しただけでも感謝しろと心の底から思っているのだから。
そして、何故侯爵家にまで怒りが及ぶのか。
「……ナバーロ侯爵家……パウラに何かしたら許さないぞ」
ホセの方も怒りを滲ませる。
完全な対立となるのだが、エマとミケルはもうホセを見限っていた。
ホセがどれだけ怒りをこちらにぶつけようと、ラウラの絶望を思えば羽虫が飛んでいるようなものだ。
「侯爵家にある物含めて、ラウラの遺物は全てこちらで保管しましょう。良いですよね? お母様」
「えぇ……えぇ! あんな所には置いておけないわ!」
王太后は肩を震わせ、切実に願うようエマへと縋り付いたが、ホセは眉間に皺を寄せた。
「ゴミを増やす気か!」
「王家の直轄領にある邸へ置きますよ。兄さんの目には触れないように……何をされるか分かったもんじゃない」
そこは王族が療養に訪れるような辺境地。
普通に生きていれば行く事はない。せいぜい国王が譲位後、余生を楽しむ為に隠居生活をする為に使われる程度だ。
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