思い付き短編集

神谷 絵馬

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お好きにどうぞ?私も好きにしますから。4

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あ、馬車や隠蔽の為の荷物諸々は出したけど、馬を呼ばないと馬車は走れないんだった...忘れてたわ。

「馬を呼びますので少々お待ちくださいね。
ルゥルゥー?ぷぃぷぃー?」

「??」

[呼んだ?]

[遅い。]

「......馬って、バトルホースかい!」

ドドドドドッと重低音を響かせながら、可愛らしく首をフリフリしながら現れたルゥルゥと、鼻息によってご立腹ですと体現しているぷぃぷぃ。
両端からグリグリと各々の鼻面で私の顔を押してくるなんて、激しめの愛情表現は健在みたいね。
油断してると腰が危険になる行為だけど、可愛いから許す!
ポーチに夢中だったシリバスさんがツッコンでくれたけど、バトルホースだなんてなんだか2頭には似つかわしくない名前だと思う。
こんなにも愛情豊かで可愛いのに。

「はい、山菜を採りに山に入ったときに盛大に喧嘩をしていたので、邪魔くさいなと思って喧嘩両成敗してみたら懐かれました。」

[ソフィア、可愛い見た目の割りには怒ると恐いのー。]

[そこの、何奴なのか?]

「あ、ソフィアさんのことを心配したクラリスっておばちゃんから頼まれて、次の街まで護衛をすることになったシリバスです。」

[へぇー、シリバスねー。
僕はねー、ルルーシュって言うのー。
ソフィアはいつもルゥルゥって呼ぶよー?ソフィアがルルーシュって付けたのに、どうしてルゥルゥなんて呼ぶんだろーね?
フフフ、不思議。]

え、そんなもの、可愛いからですよ?
可愛いでしょ?ルゥルゥって愛称、ね?可愛いよね?

[ふむ、理解した。
俺は、フィリオスと言う。
何故かは知らぬが、ソフィアはぷぃぷぃと呼ぶ。
出来ればやめさせたいが、やめる気配が無い。]

折角可愛い愛称を思いついたんだから、ぷぃぷぃもやめませんよ?

「あぁ、そっか...ま、道中よろしく。」

「ルゥルゥもぷぃぷぃも気難しいのに、シリバスさんは直ぐに仲良くなれて良かったです!
さて、ルゥルゥもぷぃぷぃも、馬車に繋ぎますよ。」

[はーい!]

[うむ。]

2頭とも大人しくしててくれるので、さっさと繋いでしまいましょう。
隠蔽の為の荷物諸々を積むのをシリバスさんも手伝ってくれて、無事に終わりましたのでさっさと出発しましょう。

「一応、若い夫婦ということにしましょう。
流石に兄と妹には見えませんから...そこが妥当だと思います。」

「うん、そうだね。
宿屋とかはベッドをソフィアさんが1人で使ってくれる?
俺は盗賊独自の寝方があるから、いつもベッドは使わないんだよね...。」

「え、そうなんですか?
盗賊独自の寝方があるんですね...分かりました。」

盗賊独自の寝方なんて、そんなのがあるんですか?
見てみたいけど、無理なんだろうなぁ...ほぼほぼ初対面だし、気にはなるけどそっとしとこう。

「んで、聞きたいんだけど...2人共御者席に座る意味は何でしょ?」

「御者席に誰もいなくともルゥルゥとぷぃぷぃがいれば大丈夫なんですが、誰も御者席にいないとなるとおかしいですよね?
そして、私は馬車を操れません。」

「あー、そういうことね?
ルルーシュもフィリオスも、ソフィアさんの言うことしか聞かないもんね。
馬車を操れると言っても、俺だけだと2頭共走ってくれるか分からないか...」

「いえ、私を助けてくださるシリバスさんの言うことなら多少は聞くと思いますよ?
ただ、荷台に1人は寂しいのでここにいます。」

「え、そっち?」

「はい、私はあの村に軟禁されていたようなものなので馬車なんて乗ったことないですし、あの狭い空間に1人は寂しそうなので嫌です。」

「景色もあんまり見れないしねー。
そっか、2頭がソフィアさんなしでも大丈夫なら良いか。
一応馬車は操れるから、飽きたら中に入っても構わないからね?」

「はい、馬車のことは分からないので、お願いします。」

ルゥルゥとぷぃぷぃに任せて荷台に2人でも構わないかと思ってたけど、クラリスさん曰く馬は御者がいないと指示通りには走らないらしいんだよね。
馬車を操れるらしいシリバスさんに御者をお願いすると、私は荷台に1人ってことになっちゃうでしょ?
それは、なんか寂しいよね。
折角初めて馬車に乗るんだし、お話しも出来るだろうから御者席に座るのも良いかな?とも思ったけど、シリバスさんに甘えて荷台も体験しておこうかな。





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