思い付き短編集

神谷 絵馬

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お好きにどうぞ?私も好きにしますから。5

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「あ、呼び方はどうする?」

「夫婦が、お互いをさん付けではおかしいですよね?」

「うん、怪しまれると思う。」

そうですよね...怪しまれますよね?
呼び方以外にも、御者席に乗ってる間に諸々擦り合わせとかないといけませんね。

「では、私のことはアンと呼んでください。
父や母はソフィーと呼んでいたので、バレるのも遅らせられるかと...因みにですが、本名はソフィアンヌです。」

「え、マジ?」

あ、自己紹介の時に説明し忘れてました...ごめんなさい。
あのときはなるだけ早くあの場を離れたかったので、後でにしようと思ってただけですからね?

「はい、あ、村の皆さんは知りませんよ?
父と母がソフィーと呼んでいたからソフィアだろうと勝手に勘違いしただけなので、そもそも誰にも本名を聞かれてもいませんから、わざわざ改めて教えもしなかっただけです。」

「んじゃ、俺はアンって呼ぶわ。
俺はどうしよっかねぇ?」

「シリバスさんも愛称になさいますか?」

「シルかシリスかリバーかな?」

「...シル?シリス?リバー?」

「やべぇ、親からも友人からも愛称とか呼ばれたことないから、どれも返事出来る気がしない。」

難しい顔をしたシリバスさんが落ち込んでしまいました。
んー、愛称で呼ばれ慣れてないならあとは偽名ですかね?

「それなら、何か似てる名前を付けますか?
シリウスとか、シーバスとか?」

「そっちの方が良いかも...シーバスは知り合いにいるから、シリウスにしよっかな。」

「では、シリウスとお呼びしますね?」

「うん、出来れば敬語も崩してね?」

「あ、そうですね...頑張ります。」

夜営とかしていれば多少は出来そうかな?
あの村では面倒だからと誰に対しても敬語で話していたから癖になってるけど、この、心の声を出せばいけるんじゃないかな?
暫く助けてもらうんだし、頑張ろう。

「シリウス、そろそろお腹空いてるでしょ?
そろそろお昼にしましょうよ!」

「おぉ、そうだな...もう少し行けば休憩所があるみたいだから、そこで昼にしようか。」

「えぇ、そうしましょ!」

「ルルーシュもフィリオスも、もう少し頼むな。」

[分かったー。]

[任されよ。]

暫く走っているともう昼の時間ということもあってお腹が空いてきたので、シリバスさんにお昼にしませんか?と持ちかけてみる。
ほら、うまく話せてません?なにかおかしいかな?
かなり不安だったけど、シリバスさんも普通に受け答えしてくれたので一安心?

「出る前にクラリスさんからお弁当預かってるから、先ずはそれ食おう。」

「いつの間に預かったの?
私、お礼言えてない...もう、教えてくれても良いでしょ?」

「クラリスさん曰く、アンは絶対遠慮するから黙って持ってけってよ。
ちゃんとお礼はしといたし、また会いに行けば良いだろ?」

「絶対よ?」

「あぁ、会いに行くために仕事頑張らなきゃな!」

クラリスさんったら、いつの間にお弁当とか用意したの?
継ぎ接ぎの巾着を見せたとき、クラリスさんだけが
『あら、面白いわね。』
って言って貰ってくれたんだよね。
あ、巾着には空間拡張的なのは付いてませんよ?
クラリスさんが持ってるものにそんなん付けたって知られたら、確実に面倒なことになるからね。





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