学内一のイケメンアルファとグループワークで一緒になったら溺愛されて嫁認定されました

こたま

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 家の改築は順調にすすんでいる。夏樹は、ちょうどクリスマス前後に発情期を迎える予定だった。それから年末年始は実家に戻って、甥っ子と遊びたいと考えていた。
 颯介が年末年始のあいさつ回りで忙しくなるからだ。発情期では二人でゆっくり過ごすのだから、一人で大丈夫、実家に戻ると言うと、それなら何処かで旅行がてら発情期を過ごして実家に送って行くと言う。

「次の春には、新居で二人で過ごす発情期になるだろう?今回は何処かに行こうよ。希望ある?」
「うーん。颯介のマンションでゆっくりしても良いよ?」
「せっかくだから、旅行しようよ。以前言っていたアレルギー対応宿の参考になりそうな1棟貸しタイプの古民家宿を見つけたんだ」
「そうなの?興味深いね。それなら行ってみようかな?」
「良かった」

 実は既に颯介は宿を予約してあったのだが、夏樹には詳細は知らされなかった。

 クリスマス直前から約5日が夏樹の発情見込みとなった。その後の実家滞在も含め一週間程度の荷物を用意した。

 颯介の運転で着いたのは、山間の古民家を改装した一軒家だった。集落の中にあり、車があれば近隣にはスーパー、役場、診療所などが集まっている。
 家の裏には林と小川があり、夏場だとカブトムシが採集できる。冬場は閑散としてはいるが庭で遊んだり、近くで魚釣りをしたり、ハイキングが出来る。

 一軒家には、家具もキッチンも揃い、温泉がひかれていた。周囲に飲食店はないのだが、食材が配達され夕食、朝食は調理師に調理を頼むことも出来る。

「凄いね、広くて静か。梁にハンモックがかかっていたり、室内でのんびりすることも出来るね」
「ああ。良いね。自分達だけの貸し別荘みたいに使える」
「うん。こういう感じだと配達食材や調味料を個別対応できるね」
「三世代でも泊まれる。二食分の調理を頼むだけでも親は少し休んでリフレッシュになるかな。調理器具は、毎回未使用も全て洗浄し直すほうが安心だな」
「そうだね。宿の回転率が高ければ専門の調理師を置けるだろうけど、例えば子育てを終えた主婦の方とか、数人でシフトを組んで調理をしてもらえたり、掃除して貰ったりは無理かな?」
「うん。色々なアイデアがわいたな。さすが夏樹だ」
「ふふっ。ありがとう」
「発情前に少し散歩したり、保存食の買い出しに行こうか?」
「そうだね。発情期中は食材を頼むの?」
「会わないように、時間を決めて1日一回置き配してくれるそうだ。リネンはたっぷり在庫がある」
「お篭りできるように、至れり尽くせりだね」

 お散歩を楽しみ、釣りをしたり、買い出しをした。宿に戻ると本日夜からの1日分の食材がクーラーボックスで届いていた。

「あ。レシピもついてる」
「ああ。新鮮な魚をすぐ焼けるように下処理して串に刺しているのか。これなら焼くだけだ」
「うん。地元の新鮮野菜も美味しそう。無洗米の新米と調味料も色々入ってるね」
「明日の朝は洋食対応で頼んだんだ。パンや卵、サラダの材料も入ってる」
「なんか、新婚生活の予行みたいで楽しい」
「そうだな」

 美味しい食事を食べて、檜の広い浴槽のあるお風呂に入った。艶やかな木材がふんだんに使われている古民家は、非日常を感じた。

 リビングで颯介が夏樹の髪を乾かしていた。

「ね、颯介。少し暑くない?」
「そうか?発情期が早まったかもな」
「うん。一緒にいる時間が長いと早くピークに入り込むみたい」
「水を飲んだら寝室に行こう」

 夏樹を抱き上げて、颯介が寝室を目指した。広い和室に檜の低床ダブルベッドが2台横に並んでいる。3人寝られるくらいの大きさだ。ほんのりと柔らかな小さい和風ライトが照らしているだけの部屋。

「あ。もう早く。颯介…」
「ああ」

 ぎゅっと抱きつく夏樹を片腕で抱き返しながらキスの雨を降らせる。おでこや頬にも鼻の先に、あご。やっと唇をとらえると、何度も触れて離れる。焦れた夏樹が口を開けたら長い舌が侵入した。

「う…ふ」

 苦しくなると唇を外して、またキスを繰返しながら颯介は大きな手のひらを器用に動かして夏樹の全身に這わせた。

「あっ」

 胸の小さな飾りは特に念入りに。唇でも愛し、下も掌で可愛がる。

「あ、あ...」
「一度いって」
「う…」

 自然に濡れた後ろにも指を這わす。少しずつ慣らして本数を増やして行くと

「良い?」

 ゆっくり夏樹の中に颯介が埋まった。きゅ、と抱きしめキスを交わす。夏樹が落ち着くと次第に動き、二人で何度も絶頂を迎えた。

 颯介はゼリー飲料や水を定期的夏樹に飲ませた。夏樹が眠っている間に簡単に食事を作ったり、汚れたリネンを代える。
 また必要な時間でピルを飲ませ、落ち着いている間には一緒に入浴した。入れないときは夏樹の身体を清拭して、使ったタオルは纏めておく。宿の食事を配達する時リネン類の洗濯物を回収してくれるのは便利だった。

 甲斐甲斐しくお世話をする颯介は、終始笑顔を浮かべていた。このような日々がこれからも定期的に訪れるのだ。なんて幸せなんだろう。

 夏樹が考えている宿には、アレルギーの家族連れだけでなく、アルファとオメガカップルの利用も見込まれるな。事業化出来たら夏樹が喜ぶだろう。
 子供が出来たら夏樹はきっと喜ぶ。そうやって喜ばせて、自分にもっともっと依存させたい。絶対に離れないように。夏樹の意思を尊重するという柔らかな笑顔の下には、アルファらしい執着心が隠されていた。


「もう、そろそろ終わりみたい。だいぶはっきりしてきたよ。颯介ずっとありがとう」
「いや。とても可愛かった。素敵だったよ」
「しばらくは実家かぁ。会えないの、やっぱり寂しいね」
「ふふ。嬉しいなあ。あと少しでずっと一緒に暮らせるよ」
「うん。両方の実家にお土産たくさん買おうね」
「途中の道の駅に寄って買い物をしてから夏樹の実家まで送るよ」
「ありがとう。遠回りになっちゃって」
「良いんだ。二人でのドライブも楽しい」
「そうだね」


「では、私はこれで失礼します」
「颯介さん、夏樹を送ってくださって、お土産までありがとうございました」
「いいえ。甥っ子の顔も見られて良かったです。春に引っ越しましたら、新居にもどうぞ遊びにいらしてください」
「ありがとうございます。是非伺わせてください」

「颯介、気を付けて帰ってね。お正月落ち着いたら会いたい」
「ああ。毎晩電話するよ」
「ありがとう」

 頬を染めて可愛らしい夏樹を振り返りつつ、颯介は帰って行った。
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