魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第24話 公認冒険者シルリア

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<三人称視点>

「な、なんでこんなことに……」

 ギルド管轄かんかつの広場にて、アケアはほうけていた。

 今から予備試験として、シルリアと模擬戦をするからだ。
 周りには、噂を聞きつけた冒険者たちもこぞって集まっていた。

「おい模擬戦だってよ!」
「面白そうじゃねえか!」
「推薦くんの力を見せてくれ!」

 半分はアケアについて興味があるのだろう。
 だが、もう半分はシルリアを見に来ていた。
 
「シルリアさんの剣技を見れるとはな!」
「こいつは貴重だぜ!」
「よく目に焼き付けねえとな」

 シルリアは人気者のようだ。
 美麗な容姿もだが、人々はその肩書きに憧れている。

「セレティア様の推薦たって、さすがにな」
「ああ、シルリアさんはあの・・公認冒険者だしな」

 公認冒険者とは、ギルドから認可を受けて直接雇われている冒険者のこと。
 依頼とは別にギルドからも固定給をもらっているため、シルリアは公務員という言い方をしたのだろう。

 公認冒険者に必要なのは、“信頼”と“実績”。
 信頼は、身の潔白さなどを証明できれば良い。
 だが実績は、Aランク探索者以上の肩書きが必要になる。

 つまり、シルリアは上位1%未満のAランク探索者なのだ。

「そろそろ始めようか、アケア」
「は、はい!」

 当然、アケアはそんな事を知るはずもなく。
 シルリアが剣を抜いたのに合わせて、構えを取った。

「もう一度ルールを確認するぞ。どちらかが気絶するか、負けを認めるまで模擬戦は続行。自身が持つものならば、武器・ギフトはなんでもありだ」
「分かりました」
「このコインが地面に落ちた瞬間から開始だ」

 そうして、シルリアがコインをトスした。
 カンっと地面に着地──と同時にシルリアが前に出る。

「わわっ!」
「……! 良い身のこなしだ!」

 一直線に敵を穿うがつ、相当な速さの突きだ。
 先日の魔族よりも速かっただろう。
 だが、おどけた声を上げならも、アケアはひらりとかわしていた。

「ならば、これはどうだ!」 
「うわっ!」

 突きの勢いを殺さぬまま、シルリアは剣技を重ねる。
 常にトップスピードを維持する滑らかな動きは、相当な努力が垣間見えた。
 しかし、それでもアケアはよけ続ける。

「これは、予想以上だな……!」
「あ、ありがとうございます!」

 アケアもシルリア以上に速い魔物は知っているが、人間の動きはまた違う。
 魔物よりも繊細で複雑な剣技には、体感して初めて気づくこともある。

(す、すごい……!)

 シルリアの剣技に、アケアは素直に感動していた。
 攻撃に回らないのも、このためである。

 しかし、これではアケアの力を計れない。
 激しい攻防の中でシルリアは口にする。

「アケアは魔法を得意とすると聞いている」
「はい!」
「だが、魔法が使えない状況もあるかもしれんぞ?」
「……!」

 シルリアはこう言うが、アケアにはありえない数のスライムがいる。
 スライムそれぞれが魔法を放てるため、そんな状況はおそらくないが──

「た、たしかに!」

 アケアは素直だった。

 先輩のシルリアの言葉を真に受け、ハッとしたようだ。
 フッと笑った彼女は、一度アケアから距離を取る。

「近接の手段がなければ、苦労する事もあるだろう」
「その通りかもしれません……」
「ワタシにもその手段があると見せてくれないか」

 すると、アケアもそれに応える、

「わかりました。そういうことなら」

 とあるものを試す良い機会だと思ったのだ。
 アケアはチラリと肩に目を向けると、そっと声をかけた。

「いくよ、スライムくん」
「ぷよっ!」
 
 それと同時に、スライムの透過をここで初めて解除。
 全く気配を感じていなかった周囲は、途端に目を疑った。
 
「ス、スライム!?」
「どこから出てきやがった!?」
「というか従魔なのか!?」

 アケアがテイマーだということまでは知らなかったのだろう。
 だが、スライムの本領発揮はここから。
 アケアが指示をすると、スライムが体を変形させていく。

「ぷよーっ!」
「「「なんだあ!?」」」

 みょーんと細長く伸びたスライムは、やがて一本の武器となる。
 アケアはそれをぎゅっと握ると、シルリアも口角を上げた。

「ほう。面白いマジックだ」

 これはアケアが考えていた近接戦闘スタイルだ。
 スキル【スライム変形】を用いた、アケア専用の装備である。

 その名も──。

「ぷにぷにソード!」
「「「……っ!」」」

 だが、周囲は全く同じことを思った。
 
(((だせえ……!)))

 それでも、アケアは至って真剣だ。
 すると、シルリアも剣を以て応えてみせる。

「フッ、ではその力を見せてもらおうか」
「はい!」

 アケアのぷにぷにソードが真価を発揮する──。
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