魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第23話 冒険者ギルドにて

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 「ここかあ」

 横に長い木造の建物を見上げて、僕はつぶやいた。

 目の前にあるのは──冒険者ギルド。
 冒険者が日々依頼を受けたり、情報交換をする場所だそうだ。

「ちょっと緊張する……」

 セレティアと王都を巡ってから、数日。
 一度、森の拠点の様子を見に帰ってから、この王都に戻ってきた。
 セレティアに勧められた“冒険者”になるためだ。
 
 ちなみに、拠点は相変わらずだった。
 長老スライムさんを中心に、『働かざる者お肉食べられない』の信念の元、わいわいと生活をしていた。
 みんなが頼もしいと、僕も気兼ねなく王都で活動することができる。

「よし、行こう」
 
 そうして、覚悟を決めて木の扉を開けた。

「こ、こんにちは──」
「「「わっはっはっは!」」」

 中はすごく賑やかで、僕の声は簡単にかき消されてしまう。
 酒場も併設されているからかな。
 そろーりと受付に向かっていると、ちょいちょい声をかけられた。

「お、見ない顔だな」
「新人くんかい」
「頑張れよ~若人わこうど!」

 顔や体格はちょっぴり怖いけど、みんな良い人たちみたいだ。
 冒険者同士の仲間意識なのかもしれない。

「あ、ありがとうございます~」

 励ます声をそれなりにもらいながら、受付嬢さんの元へたどり着く。

「初めましての方ですかね。本日はどうされましたか」
「あの、セレティア・ヒルナーデ公爵令嬢からお話が来ていると思うんですが……」
「「「……!?」」」

 その瞬間、周囲がざわっとした気がした。
 騒がしかった酒場の声はいつの間にか止み、コソコソと声が聞こえる。

「おい、あれが噂の……」
「あの年でセレティア様の推薦を?」
「直々の推薦なんて聞いたことねえぞ」
「実はすげえ力を持ってんのか?」

 会話の内容までは聞き取れない。
 なんとなく僕のことを話しているような気もするけど。
 また、受付嬢さんも途端に顔色を変える。

「では、あなたがアケアさんでしょうか!」
「はい……」
「少々お待ちを! 急いでお取り次ぎいたします!」

 そのまま慌てた様子で奥へと行ってしまった。
 こうなると、急に静まった周りが気になってしまう。

「……っ」

 あえて振り返りはしないけど、なんとなく視線を感じる。
 僕の代わりに、肩で透過しているスライムくんが確認してくれた。

『みんなアケアのこと見てるよー?』
(だ、だよね……なんでだろう)
『さあー。でも悪い感じじゃなさそー』

 スライムはこう見えて意外と鋭い。
 何気なく人の確信を突くというか。
 この子がそう言ってくれるなら大丈夫かな。

 そうして気まずくしていると、受付嬢さんが帰ってきた。

「お、お待たせいたしました! 本日は冒険者ライセンスの発行でよろしかったですか!」
「はい、お願いします」
「でしたら──」
「続きはワタシから説明しよう」

 すると途中で、受付嬢さんの後ろから来た人が口を挟んだ。
 
「ワタシはシルリアだ」
「は、初めまして、アケアです」

 シルリアさんが出してきた手に、僕も握手で応える。

 騎士のような装備。
 後ろでまとめた紫色の長い髪。
 僕より少し高い彼女は、同年代ぐらいに見えるけど、すごくしっかりしてそうな人だ。
 
「ワタシはギルドから認められた“公認冒険者”だ。まあ、公務員のような冒険者だと思ってもらえれば良い」
「はあ」

 公務員も分からなかったけど、とりあえず続きを聞いた。

「ライセンス発行には“予備試験”と“本試験”を受ける必要がある。面倒だが、これも志願者を守るためだ」
「なるほど」
「ということで、まずは予備試験を受けてもらう。これに合格すれば本試験へと進めよう」
 
 冒険者は八歳以上なら誰でも志願できる。
 でも危ない職業でもあるため、二段階で実力を計ってから認めるみたいだ。
 
「予備試験では本試験に行かせても良いか、剣や魔法の習熟度を計る。魔法を得意とする場合は、的当てなどをさせるのだ……本来はな・・・・
「え?」

 だけど、シルリアはニヤリと口角を上げた。
 ちょっと嫌な予感がする。

「だが、アケアはセレティア様の推薦だ。そんなもの必要なかろう」
「あの?」
「予備試験はワタシと模擬戦をしろ。それで判断してやる」
「ええっ!?」

 こうして、急に公認冒険者シルリアとの模擬戦が決まった。
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