魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第40話 子爵級魔族

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「この方こそが──子爵級魔族グラヴィル様だ」

 紹介と共に、一人の魔族が姿を見せた。
 冒険者たちはその姿に目を見開く。

「なんてオーラだ……」
「明らかに格が違う……」
「魔族の階級なんてあったのか?」

 魔族についてはまだまだ知らないことも多い。
 グラヴィルの参戦によって、もう一つの事実が浮かび上がったことになる。
 “今までの魔族は全て階級無し・・”であると。

「「「……っ」」」

 階級無しの魔族ですら、冒険者側は一人も倒せていない。
 それにもかかわらず、男爵・子爵と二階級も上の魔族が出て来てしまった。
 冒険者側は途端に顔をひきつる。

 一人の少年を除いて。

「あれは僕がやります」
「「「……!」」」

 一人、前に出たのはアケアだ。
 それにはシルリアが声をかける。

「頼めるのか、アケア」
「うん。元からそのつもりだよ」

 アケアの規格外さを誰より知っているシルリア。
 彼女でも確認を取らなければならないほど、グラヴィルの放つオーラは異様だ。
 それでも、アケアを信じる他ないのもまた事実。

「ありがとう。頼む」
「任せて」
『『『まかせてー!』』』
 
 すると、アケアに対してグラヴィルが口を開く。

「よう。お前が暴れてくれたアケアだろ?」
「そうだ。でも襲ってきたのはそっちからのはずだよ」
「ああ、だから恨みなんかねえよ。ただ、楽しみなだけだ」
「?」

 口角を異常に上げたグラヴィルは、見下すように言葉にした。

「強者が絶望する時の顔がなあ!」
「……」

 対して、アケアは冷静に返す。

「言いたいことはそれだけ?」
「ああ」
「じゃあ始めよう」
「いいぜ、その目」

 軽い挨拶を終えると、両者は戦闘態勢に入った。

 グラヴィルが力を入れると、体全体から赤黒い魔力がほとばしる。 
 魔族特有の魔力の中でも、段違いの禍々まがまがしさだ。
 すると、周囲は自然と左右に散らばり始めた。

「お前たちこっちだ!」
「「「シルリアさん!」」」

「おい行くぞ」
「「「ああ」」」

 冒険者側・魔族側、どちらも“大将に巻き込まれたくない”のだ。
 それほど、今から始まる戦いが凄まじいものになることが予想できた。
 
 そうして、ついに異次元の二人がぶつかり合う。

「じゃあ、いくぜ!」
「……!」

 まるで消えたように移動したグラヴィル。
 だが、スライム達はしっかりその姿を捉えていた。

『『『うりゃー!』』』
「おお?」

 グラヴィルがアケアに迫る中、正確に魔法を放ったのだ。
 しかし、ノーダメージのグラヴィルはにやりとするばかり。

「数が多いな。“百匹”といったところか」
「……」
「ま、雑魚には変わりねえがな!」
『『『うわわー!』』』

 グラヴィルが指を動かすと、スライム達が潜む木々が爆発していく。

 アケアの強化を受けたスライム達は強いが、実は一対一においてはそれほど優れていない。
 魔法を口から出すしか攻撃手段がないからだ。
 つまり、正面から向き合った時はもろい。

 ならば、やはりアケアが前に出るしかない。

「自己強化、いつもの」
「ほう」

 バーのマスターに頼むノリで、アケアは自己強化を施す。

 【物理耐性付与】【魔法耐性付与】
 【身体強化付与】【魔力常時供給】
 【生命促進付与】【常時回復付与】

 それから、例の剣も手にする。

「スライムくん、ぷにぷにソード!」
『ぷよー!』

 強化魔法と専用武器、アケアの戦闘態勢だ。
 それにはグラヴィルも目を見開く。

「カッハッハ! てめえ、まじで何者だ!」
「ただのテイマーですけど!」
「ああ、そうかよ!」

 そのまま、両者は宙でぶつかり合った。
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