魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第41話 次なる手

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「ただのテイマーですけど!」
「ああ、そうかよ!」

 アケアとグラヴィルは、宙で激しくぶつかり合った。

 目を見開いたグラヴィルだが、表情はまるで楽しんでいるようだ。
 グラヴィルの趣味は、強者を叩き潰すこと。
 ならば、相手が強ければ強いほど、絶望させた時のよろこびは大きい。

 だが、簡単にやられるアケアではない。

「ハッ、面白い武器だな!」
「そっちもね!」

 ぷにぷにソードの特徴は、“変幻自在な形”。
 剣の概念に囚われないアケアの自由な発想と、スライムの適応性により、その場に応じた最適解の形を生み出せる。
 
 しかし、グラヴィルの魔族の力も異次元だった。
 肩から新たな腕を生やし、四方八方から突然魔力が降り注ぐ。
 アケアの剣が無法ならば、グラヴィルの体も無法である。

 両者に差があるとすれば──仲間の存在だ。

スライムみんな!」
『『『いえっさー!』』』

 アケアはぷにぷにソードで応戦しながら、スライム達に声をかける。
 だが、具体的な指示は出していない。
 森で過ごした日々を信じ、独自の動きに任せたのだ。

 すると、スライム達は思い思いに追撃を開始する。

『ぼぼぼー!』
『こおれー!』
『とんでけー!』
『一緒に打つよ!』
『うん、せーの!』
『『『ほいー!』』』

「チィッ! こいつらァ……!」

 アケアのスライム達は、一対一には優れていない。
 だが、透過し、草木に身を隠し、小さな体から特大の魔法を放つ。
 つまり、魔法砲台としてはこれ以上なく強い。

 さらに厄介なのは、アケアとのコンビネーションだ。

「隙だらけだよ!」
「ぐっ!」

『『『そうくるよねー!』』』
「ぐわああああああっ!」

 寝食を共にし、紡いできた絆はただじゃない。
 アケアとスライム達は、お互いの行動が手に取るように分かる。

 気がつけば、グラヴィルは多大なダメージを追っていた。
 
「ハァ、ハァ……」
「「「グラヴィル様!」」」

 大きな翼は破れ、傷の修復は間に合っていない。
 魔力を防御に回している分、回復に費やせていないのだ。
 魔族の生命エネルギーである魔力が尽きれば、動くことはできない。

 アケアはぷにぷにソードを向けて命じた。

「観念しろグラヴィル。王都は渡さない」
「ハァ、ハァ……フッ、仲間か」

 グラヴィルも仲間それが差だと理解している。
 ならばこそ、自分も使う・・ことを決心した。
 
「俺もそうしてやるよ!」
「……!?」

 グラヴィルが両手を広げた瞬間、周りの魔族が苦しみ始める。

「な、なんだ……!?」
「魔力が吸われる!?」
「グ、グラヴィル様!?」

 グラヴィルが魔族の魔力を吸い取っているのだ。

「てめえらに価値はねえ。さっさと魔力を寄こせぇ!」
「「「うわあああああっ!」」」

 また、周囲だけではない。
 アケアが制圧したB・C・D地点からも魔力が集まってくる。
 あらかじめ魔族たちに仕掛けをしていたのかもしれない。

 そうして、グラヴィルの姿が変貌する。

「カーハッハッハ!」

 ただでさえ禍々しかった魔力は、より濃く。
 翼や牙は復活するどころか、恐ろしさを増している。
 存在するだけで空間をよどませるオーラは、周辺の草木をも枯らしていく。

「力が、力が溢れてくるぞ……!」

 魔族全員分の魔力を吸収し、グラヴィルの魔力は何倍にも膨れ上がった。
 この姿には、冒険者たちは顔を青ざめた。

「なんだよあれ……!」
「心臓が苦しい……!」
「もっと距離を取るんだ……!」

 その場に立つことすらできず、さらに距離を取る。
 彼らと同じく、シルリアやドランも見つめることしかできなった。

「アケア……!」
「ぎゃう……!」

 それでもアケアは、恐れずに立っている。
 ブオンとぷにぷにソードを振り払うと、彼の周囲だけは綺麗な空間に戻った。
 それから、グラヴィルを真っ直ぐ見つめて口を開く。

「仲間は利用するためにいるんじゃない」
「あァ?」
「仲間は力を合わせるためにいるんだ!」

 そして、グラヴィルに対抗するように手を上げた。

「スライムくん、集合!」
『『『うおー!』』』

 スライム達が一斉にアケアに集まり、姿を変えていく。
 ぷにぷにソードに変形する時のようだ。
 だが、明らかに数が多いスライム達は、やがてアケアを包み込む。

「変身!」

 そして、再び姿を見せた時には──

「ぷにぷに全身武装アーマー!」

 アケアとスライム達は一体化していた。
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