魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第49話 パートナー

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 「あ、これだ。依頼の薬草」

 しばらくして、フィルが目的の物を見つける。
 今回はテイマーについて教えることがメインだったため、依頼は楽な採取系だ。

「これで依頼は達成っ!」

 ただ、ここまで簡単に見つかったのはフィルの力だ。
 正確には、現在テイムしている『導きトンボ』が場所を案内してくれたからだね。
 
「ありがとうね、トンボ君」
「トンっ!」

 フィルは導きトンボをそっとなでる。
 でも、ここからが辛い所だ。

「じゃあ──【従魔解除リリース】」
「トン~!」

 フィルはテイムを解除して、導びトンボを手放す。
 本来のテイマーは無限に従魔にできるわけではないため、役目を終えた魔物はリリースするのが一般的だという。

 魔力を与えて、その分だけ助けてもらう。
 それがテイマーの形だそうだ。

「やっぱりアケア君からしたら変かな?」
「変だとは思わないけど、ちょっと寂しいね」
「そうだね。さすがにもう慣れたけどさ」

 少し無理に微笑むと、フィルはしゃがんでドランと視線を合わせる。

「でも、ドランとアケア君は不思議」
「え?」 
「だってテイムスキルを使ってないんでしょ? それなのにこんなに仲良しだからさ」
「ぎゃう~」

 【スライムテイム】しか持たない僕は、ドランをテイムできない。
 でも、ドランは言う事を聞いてくれる。
 どうしてかを考えると……答えは決まっているな。
 
「僕とドランは友達だから。ね、ドラン」
「ぎゃうぎゃう!」
「友達……」

 フィルは考え込むように口元に手を当てる。

「アケア君の強さはそこかもしれないね」
「どういうこと?」
「普通のテイマーは何て言うか、“冷めてる”のかも。後でリリースしなきゃいけないのが分かってるから、対価分しか魔力をあげないんだ」

 それから、僕を見上げて言葉にした。

「でも、アケア君は違うね。スライムともドランとも、なんだかスキル以上に絆で結ばれてる、みたいな?」
「絆かあ……」

 言われてみればそうかもしれない。
 
 片や勘当された人間。
 片や最弱の魔物。
 僕たちが魔境の森で生きていくには、協力するしかなかったから。
 
 でも、その経験は確実に今に生きてる。
 一緒に戦って、一緒に寝食をして。
 共に困難を乗り越えてきたから、いざという時に息を合わせられるのかな。

「僕とスライム達は、主と従魔というよりパートナーって感じかも」
「ふふっ、だよね。ちょっと羨ましいな」

 フィルは頬に手を当ててほほえむ。
 だけど、フィルの言葉の一部は違うような気もした。

「でも、フィルは冷めてるって感じはしないよ」
「え、そう?」
「うん。テイムをした後は必ずありがとうって言ってリリースしてるし」
「自然と言ってるから気づかなかったよ」

 そんなフィルになら、もしかしたらと思えることがある。
 
「フィルもきっとパートナーに出会えるよ」
「パートナーか……」

 フィルはまたうーんと考え込みながら歩く。
 それから、もうしばらく歩いた頃だった。

「フィル、あれを見て!」
「……!」

 傷ついて弱っている子犬を見つけたのは──。
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