魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第48話 依頼の約束

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<アケア視点>

「アケア君ってフォーロス家にいたの!?」

 茶髪ショートを揺らしたフィルが、身を乗り出して聞き返してきた。
 僕もこくりとうなずく。

「そうだよ」
「だからマルム様とも知り合いみたいだったんだ……」

 マルムと対峙してから少し。
 僕はフィルと二人でギルドの酒場に来ていた。
 これからの事を話すためだ。
 
「あんなことをしちゃって大事おおごとにならないかな」
「少なくとも魔族騒動の件に関しては、これ以上好きにさせない。その後は……直接あの人・・・と話してみるしかない」

 僕は先程、フォーロス家に面談申請を出してきた。
 元父上であり現当主──ガロン・フォーロスと話すためだ。

「その、アケア君は大丈夫なの?」

 正直、ガロン・フォーロス様に良い思い出は無い。
 でも、僕は首を縦に振った。

「大丈夫だよ。過去の話をしに行くわけじゃないから」
「……そ、そっか」

 ガロン様に対しては、不思議と恨みは無い。
 あそこで勘当されたことで、森や王都での出会いもあったわけだし。
 だからその時のことを追及するつもりもない。

 僕はあくまで冒険者たちのため、マルムへの抑止力になるよう持ち掛ける。
 マルムに好き放題させないためには、それが一番有効だと思うから。

「まあ、許可が出るには数日かかるみたいだけど」
「さすがにすぐには出ないよね」

 あれでもってフォーロス家は侯爵家だ。
 すぐにホイホイと話せる立場でもない。
 すると、フィルが少し口を尖らせてつぶやく。

「じゃあ今は待機なんだ……ふーん……」
「ん?」

 そう言いながら、ちらちらと僕を見てくる。
 なんとなく察した僕は、受付を指差した。
 
「じゃあ、一緒に依頼でも受ける?」
「……! うんっ!」

 フィルの顔がぱあっと晴れる。
 僕から誘ってほしかったのかな。

 というわけで、約束していたフィルと依頼を受けることにした。




「ここが『ソコソコ平原』かあ~!」
 
 フォーロス領地から少し歩き、出てきた平原に声を上げる。

 草木は乱雑しておらず、風も涼しい。
 過ごしやすそうな自然といった感じだ。

 気持ち良い風景に腕を広げていると、フィルがこちらを覗いてくる。

「あれ、アケア君は初めて?」
「うん。僕は家から出してもらえなかったからさ」
「そうなんだ……」

 フォーロス家にいた時は、僕は別館から出ることすら禁止されていた。
 平原の存在は知っていたけど、こんなに良い場所だなんて知らなかったなあ。
 すると、フィルは優しく教えてくれた。

「私たち冒険者は、ここでよく狩りや採取をするの」
「なるほど。魔物の気配もするもんね」
「え、どこに!?」

 驚いた様子のフィルに、指で方向を示す。

「ほらあそこ」
「み、見えない……」

 フィルは若干引いた表情をしていた。
 僕は森での生活が身に付き過ぎたのかもしれない。
 気まずさから僕から話を切り替える。

「なるべく手を出さない方が良いんだよね」
「できれば。私から約束しておいて悪いんだけど……」
「ううん、魔族騒動が大変だったし息抜きにちょうどいいよ」
「そっか、ありがとっ!」

 フィルは僕からテイマーの心得を教わりたいそうだ。
 できるか分からないけど、僕なりの意識を伝えてみようと思う。
 ちょうど連れ歩きたかった子もいるし。

「スライム君、あの子をよろしく」
「ぷよー!」

 肩のスライムをなでなですると、【スライム収納】から魔物が出てくる。
 その子は出てきた瞬間に、気持ち良さそうに羽を伸ばした。

「ぎゃおっ!」
「ええ!?」

 いにしえのドラゴンさんの子ども、ドランだ。
 魔族に対峙させるのは気が滅入ったけど、ここなら大丈夫だろう。

「今のってアイテムボックス的なスキル?」
「うーん、かもね。僕もイマイチ原理が分かってなくて」
「アイテムボックスってそれ単体で最上位ギフトクラスなんだけど……」
「……」

 とにもかくにも、みんなで草原を歩くことにした。
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