魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第62話 戦いの後で

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 「アケアく~ん!」

 フォーロス家屋敷に、タッタッと走ってくる少女がいる。
 市街地から向かってきたフィルだ。
 
「だ、大丈夫!?」
「はは、なんとかね」

 珍しく疲れたように座り込むアケアに、フィルは急いで駆け寄った。
 だが、休憩しているだけでケガはなさそうだ。

 すると、フィルは周りの様子を確認して息を呑む。

「な、なにがあったの……?」

 思わず聞きたくなるほど、そこには殺風景が広がっていた。

 全壊した屋敷。
 地下深くまで入った傷。
 周囲に残る数々の斬撃の跡。

 豪華な屋敷が建っていたフォーロス家の敷地は、見る影もなかった。
 これだけでも激しい戦いがあったと断定できる。

 それでも、アケアはにっと笑った。

「もう大丈夫だよ。敵の大将は倒した」
「……! さすがアケア君!」
「わわっ!」

 先の戦いもあり、興奮しているフィルは思わず抱き着いた。
 マルム等のことも含めて、感情が湧き上がったのだろう。

「く、くるしい……」
「あっ、ごめんなさい!」

 だが、少々やりすぎてしまったようだ。
 それから、フィルはそういえばとたずねた。

「スライムくんたちは?」
「ああ、森に帰ってったよ」
「自分で!?」

 アケアは誤魔化しているが、実は少し違う。
 透過したスライム達は、|現在進行で森に帰っているところだ。

『ういーす』
『おつでーす』
『帰ったら一杯やりましょう』
『いいですなーはっは』

 スライム同士で各地を移動できる【スライムワープ】だ。
 一仕事終えたスライム達は、会社帰りのサラリーマンのように帰宅していく。
 アケアもふっと笑ってしまう。

 それには首を傾げるフィルだが、ハッと何かを思い出したようだ。

「そうだ、アケア君に伝えたいことがあるんだよ! ねっ?」
「くぅん!」
「ぎゃう!」

 フィルがおいでと手招きすると、見覚えのある二匹が寄ってくる。

「あ、シロロンにドラン!」
「二匹がすっごく活躍したんだよ!」
「うん、なんとなく感知してた」
「うそお!?」

 アケアも状況を把握していた。
 それでも、助かったのは事実だ。

「二匹とも、ありがとうね! えらいぞ~!」
「くぅん!」
「ぎゃうぎゃう!」
「ははっ、くすぐったいなあ」

 二匹はぴょんっとアケアに飛びついた。
 アケアにも褒めてほしかったのだろう。
 だが、ずっとアケアにナデナデされる二匹に、フィルはぼそっとつぶやいた。

「……い、いいな」

 すると、後続からは続々と人が集まってくる。
 みんな様子が気になっているようだ。
 中でも急いで来たのは、フォーロス家のメイド達。

「「「アケア様!」」」
「あ、みんな」

 アケアと一番仲が良かったポーラもいる。
 屋敷から逃げ出して、ギルドに状況を伝えてくれたメイドだ。

「アケア様、よくぞご無事で……!」
「何とかね。ポーラも本当にありがとう」
「そんな! 私たちはずっと守られてきました立場でしたから!」

 養子時代も、アケアはマルムから幾度となくメイドを守っていた。
 その時の恩があるのだろう。
 それから、屋敷を目にしたポーラはたずねる。

「あのマルム様やお館様は?」
「……うん、それなんだけど」

 対して、アケアは立ち上がって口にした。

「みんなと話し合いたいことがある」
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