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8月26日 火曜日
第5話 南校舎の二階で
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今日からは容赦なく通常授業が始まり、案の定私たちの夏休み気分は跡形もなく吹っ飛んでしまった。
普段ならこのままするりと二学期モードに突入していくのだけれど、いつもの順応性が今ひとつ効力を発揮してくれない。理由は明白──合唱祭が突然中止されてしまったからだ。
その中止の真相を探るため、私たち合唱祭実行委員会は今日も集まることになっている。委員長である新垣くんは、昨日とはまた別の教室を指定してきた。
(「南校舎二階の東端」って……何の教室だっけ)
南校舎というのは、三年生のホームルーム教室が集められていることもあり、基本的には私たち三年の領分だった。けれど私の教室は三階にあるので、何か特別な用事でもなければ二階に足を踏み入れることはめったにない。
(ミーティングに使えるってことは、やっぱり空き教室か少人数教室かな)
そんなことをぼんやりと考えながら階段を下りていると、よく見知った顔と鉢合わせた。
「あ、塚本くん」
新垣くんからの連絡を受けてここまでやって来たのだろう。塚本くんは私に気づくとあからさまにほっとした表情になった。それから「こんにちは」と会釈してくれる。
「木崎先輩に会えてよかったです。なんか、アウェー感すごかったので……」
「ああ、そうだよね……」
今でこそ気にならないだけで、塚本くんがそう言いたくなる気持ちはよくわかった。私だって二年生だった頃は、南校舎には結局一度も足を踏み入れずじまいだったくらいなのだ。もちろん、他学年の生徒の立ち入りが禁止されているわけではないし、部活の先輩などに用があることもあるだろうけれど、たしか塚本くんは部活には入っていないと言っていた気がする。
「三年は多分なんとも思ってないけど、二年生からしたら気になるよね」
新垣くんが指定した教室は反対側なので、私たちは適当に無駄話をしながら廊下を進んでいく。
(そういえば、前にもこうして塚本くんと二人で話したことがあったっけ……)
少し高いところにある横顔を見上げながら相づちを打っていると、脳裏に塚本くんとの初めての会話がよみがえってきた。
普段ならこのままするりと二学期モードに突入していくのだけれど、いつもの順応性が今ひとつ効力を発揮してくれない。理由は明白──合唱祭が突然中止されてしまったからだ。
その中止の真相を探るため、私たち合唱祭実行委員会は今日も集まることになっている。委員長である新垣くんは、昨日とはまた別の教室を指定してきた。
(「南校舎二階の東端」って……何の教室だっけ)
南校舎というのは、三年生のホームルーム教室が集められていることもあり、基本的には私たち三年の領分だった。けれど私の教室は三階にあるので、何か特別な用事でもなければ二階に足を踏み入れることはめったにない。
(ミーティングに使えるってことは、やっぱり空き教室か少人数教室かな)
そんなことをぼんやりと考えながら階段を下りていると、よく見知った顔と鉢合わせた。
「あ、塚本くん」
新垣くんからの連絡を受けてここまでやって来たのだろう。塚本くんは私に気づくとあからさまにほっとした表情になった。それから「こんにちは」と会釈してくれる。
「木崎先輩に会えてよかったです。なんか、アウェー感すごかったので……」
「ああ、そうだよね……」
今でこそ気にならないだけで、塚本くんがそう言いたくなる気持ちはよくわかった。私だって二年生だった頃は、南校舎には結局一度も足を踏み入れずじまいだったくらいなのだ。もちろん、他学年の生徒の立ち入りが禁止されているわけではないし、部活の先輩などに用があることもあるだろうけれど、たしか塚本くんは部活には入っていないと言っていた気がする。
「三年は多分なんとも思ってないけど、二年生からしたら気になるよね」
新垣くんが指定した教室は反対側なので、私たちは適当に無駄話をしながら廊下を進んでいく。
(そういえば、前にもこうして塚本くんと二人で話したことがあったっけ……)
少し高いところにある横顔を見上げながら相づちを打っていると、脳裏に塚本くんとの初めての会話がよみがえってきた。
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