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連載
618、魔大陸素材
しおりを挟むとりあえず様子見をするということで、帰ってきました俺の工房。
ユイがここに跳んでくれたのだ。そして、皆が今まさに寛いでいる。パフェまだー? とか言ってる奴がいるから、きっとお菓子目当てだな。連れてってもらえたんだからそれくらいは全然出すけど。ここを喫茶店と勘違いしている大きな男にはとりあえず制裁を加えておこう。というわけで、必殺膝カックン。
今日はアランネを凍らせて、冷凍ミカン的な物を出してみた。何もかけなくても甘くておいしいんだけど、アランネのジャムを上にたっぷり乗せる。これはトレアムさん作だからうまさ大爆発。
何日か後にまた今日行った村に行ってみて、浄化が効いたままだったら土を調べてみようということになった。植樹作戦、雄太たちもノリノリで助かるよ。
皆がアランネを堪能している間に、俺は工房のテーブルに魔大陸の素材を出していった。
草も実もみんな黒ずんでいる。木の枝とかも持ってきてみたけど、炭かな? ってくらい木が黒い。
魔物の素材もだいぶ黒いのが多くて、なんていうか、魔大陸なんだなって改めて思う。
「ところでマック。今日魔大陸に行ってみることは旦那には伝えてたのか?」
「うん。高橋たちがいるから許可が出た感じ。危なかったらちゃんと逃げて来いって」
「そっか。マックはもう、旦那とか言われても照れもしなくなったか……大人になったなあ」
「え、そっち? 高橋気になるところ、そっち?」
だってもう結婚したもん。夫婦だもん。と口を尖らせながら、山になった黒い物に向けて浄化魔法をかけてみる。
山の素材は、浄化後は黒ずみもなくなり、綺麗になった。
「ん? 『薬草ランクC』? あれ、さっきは『穢れた薬草ランクA』だったのに」
「魔大陸の魔素自体が穢れてるから、穢れを洗うとその魔素もなくなっちゃって性能が落ちるんじゃないかな」
俺の呟きに、海里が納得のいく答えをくれる。
ってことはだ。穢れたまま調薬してみたらいいのかな?
綺麗になってランクの落ちてしまった物をしまい込んで、まだ綺麗にしてない薬草を取り出す。
それをそのまま使ってハイパーポーションを作ると、いつもつくるものより威力は1.5倍くらい高い物が出来上がった。でもおまけとして、『瘴気が身体に溜まる』。はいだめーはい無理ー。こんなの飲み続けたら魔物になっちゃうよ。威力は高いのになあ。魔力含有量そのままに穢れが消せればいいんだけど。
「聖水に浸してみるとか」
早速やってみたけど、やっぱり魔素まで抜けた。
穢れだけをとれる何かはないか。
首を捻りながら、ダメもとでハイポーションとかにも漬け込んでみる。
今度は穢れも取れない。しかも漬けたハイパーポーションも黒ずんだ。穢れ移っちゃった。
俺はアイテム欄を開いて、指でスクロールした。穢れだけ穢れだけ。
「あ」
そこで目に入った、ディスペルポーション。
ディスペルハイポーションの劣化版で、呪いとか全然解けないけど、穢れだけは治るってやつ。
これに漬けてみよう。
そうと決まれば早速作ろう。聖水使っちゃうから魔素まで抜けちゃうかな、とちょっと思ったけど、ダメもとだ。
月見草と火酒と聖水を取り出すと、早速ささっと調薬キットで作る。
その出来上がった物をトレイのような物に移し替えて、魔大陸の薬草を漬け込んでみた。
じわじわと黒いのがなくなっていくのは、聖水と同じ。
綺麗になった薬草を取り出して鑑定してみると、『大陸薬草:ランクA 肥沃な魔素の土壌で育った薬草 49』となった。
「すげえ!」
思わず声を上げると、ダイニングテーブルに座ってたやつらが「何だ何だ」と寄って来た。
「この薬草、こっちの国で採れる薬草より魔素が倍近く高い」
「それでハイパーポーションを作ったらどうなる?」
「かなり効果に期待できるんじゃないかな」
早速作ってみるから、そのカーテン閉めてとお願いすると、皆が工房の方に移動してカーテンを閉められた。この空間に5人。ここまで工房に人が入ってカーテンを閉めたのが初めてだったので、ちょっと圧迫感を感じる気がする。
「ユイ、その魔法陣にMP渡してもらっていい?」
「いいよ。これ? あ、譲渡が出た。ええと、たくさん入れとくね」
ユイはかなり大量にMPを投入したらしく、魔法陣がやたら輝いて、自己主張が激しくなっていた。でも効果は凄そう。
俺は早速今の薬草を使って、ハイパーポーションを作った。
今までのハイパーポーションランクSの回復量は、HP1200くらい。でも、出来上がったハイパーポーションはHPが1693回復。約1700。効果がヤバい。
最初の頃はハイパーポーションのランクも低くて、回復量も700くらいしかなかったから大進歩だ。これはヴィデロさんの腰のカバンに突っ込もうそうしよう。
そっと出来上がったハイパーポーションをインベントリにしまうと、一連の流れを見ていた『高橋と愉快な仲間たち』が黒ずんだ薬草の山と魔物素材の山を取り出して、俺に差し出した。
「これで作って欲しい。報酬はこっちの素材。性能抜群だから使ってくれ」
「私もお願いします、マック大先生。今こっそりしまったハイパーポーション欲しいです」
「私も。魔物素材だけじゃなくて木の実とかお花もつけちゃうね。よろしくお願いします」
「俺も。すっげえ欲しいです。さっきゲットした素材類全部譲るから」
「ちょ、なにいきなり」
「友達価格でいい! 売ってくれ!」
一斉にお願いします! と頭を下げられて、何もこんなところで連係プレイを披露しなくてもいいのにな、と苦笑する俺だった。いいけどね。魔大陸素材大量ゲットできるし。これでヴィデロさんの装備何か作れるかな。
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