転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

文字の大きさ
42 / 163
第二章

ローガンの苦難 その3

しおりを挟む



王都のノーザンコート伯から手紙が届た。

「来年は建国300年の年
王国として沢山の催し物も計画されている。
コーネリア姫は死去されたが夫君として一応お前も王家の外戚となっている。
いつになったらクラレンス侯爵は顔をみせるのかと、王にも催促をされている。
いつまでも領地に篭っていられては我が家にも迷惑を被る。
大至急、王都のクラレンス家タウンハウスに来られたし。」

かなり強い口調のお叱りの手紙だ。

私はこの手紙をアイラに見せ、王命だからと理由付けをして王都へ向かった。

アイラは急な事なので支度が出来たら、アナベルと共にそちらへ向かうと言った。


私はこの13年間社交もしていなかったのだ。
歳月の経過の感覚が全くわからない。

友人もいたが、彼らはどうしているであろうか••••

「アイラがお前は病気だと触れ回っていたぞ。」

「アイラが王都に?」

「ああ、毎年来てパーティに出ていたな。
かなり派手なドレスを来て大きな宝石を付けて侯爵夫人然として出席していたようだ
王都では子爵邸に滞在している。
アイラ夫人はよほど私が嫌いなようだな。」
憎々しげに言った。

クラレンスのタウンハウスはノーザンコート伯爵の敷地内にある。
建設されて誰も使用した事の無い屋敷は伯爵家で管理されている。

「コーネリアとマリアベルの噂の出所のアイラらしいぞ。
コーネリアはよその種を孕んでクラレンスに来たアバズレだと触れ回っいるらしい。」

(そう言えば、マリアベルを罵る時「アバズレの娘」と言っていたような•••••
何故、私は諫めなかったのだろうか、
何故、マリアベルを庇わなかったのだろうか、)


そう言えば、アイラから手紙が来ておったぞ
なになに、、、
「クロスリー子爵がお前に挨拶したいそうだ。
一度子爵邸に来てくれ」 だそうだ。

馬鹿らしい。
お前を子爵邸になど、、
ライオンの檻にネズミを入れる様なもの、
また、フヌケになって帰ってくるぞ
ハハハ!
父は豪快に笑った。

私の実家であるノーザンコート伯爵の領地は王都の中心部を一角とした商業地である。
建国時の領地分配で、初代ノーザンコートは   大きな領地と 高い身分は 足枷になる。
身を軽くしたいから王都予定地の側に幾ばくかの土地を貰えたらそれでよい。と、言ったそうな。
そこに市場を開き、バザールに発展させ、今では最大の商業地になっている。

「人の出入り、物の出入り、噂話、
それらが国内外の全ての情報に繋がる。」

人々は運良く商業施設が出来た、と思っている。
また、代々当主達もそのように振る舞っている。

タネを巻き 水をやり 育て 刈る
この循環をしっかりと管理をしなければ商業地とは廃れていくモノである。
多くの貴族はその事が理解出来ていない。

一見して学者肌の好々爺にしか見えない父は その裏で色々な事を画策している。

「して、証拠の香は手に入ったのか?」
「ジミーがこれを、」
「アヤツは中々使える男だからな!」

セバスチャンが懐からより封筒を取り出した。
「燃えカスか、」
「本館はアイラ様の侍女の目が光っていますので、これしか持ち出せませんでした。」

アイラの侍女は?

やはり花街の者のようです。
我が領と反対側の商業地にある歓楽街
「娼館 鹿の園 」に入っていきました。

あの歓楽街は悪どい噂があり、以前から調べてはいたところだ。

セバスチャンは、頭を下げ持ち場に戻った。

封筒を懐にしまい父上が言った。
「今夜、いつもの会議がある。
今回はお前も同席するように。」

「私がお役に立てるでしょうか?」
「うむ、あの、<まじない>とやらの事だ」

ああ、あの不思議な<おまじない>
星の煌めき
あれによって私は救われた!

久々に五家が集まる
学園での進展もあるでな。

そうだった、私達は「王家の呪い」を研究していたのであった。
すっかり失念していた。
こんなに大事な事すら忘れていたのか••••
自分を情けなく思った。


























しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ

柚木 潤
ファンタジー
 薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。  そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。  舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。  舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。  以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・ 「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。  主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。  前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。  また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。  以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。  

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん
ファンタジー
 誰もが魔力をもち魔法が使える世界で、アンナリーナはその力を持たず皆に厭われていた。  運命の【ギフト授与式】がやってきて、これでまともな暮らしが出来るかと思ったのだが……  与えられたギフトは【ギフト】というよくわからないもの。  だが、そのとき思い出した前世の記憶で【ギフト】の使い方を閃いて。  これは少し歪んだ考え方の持ち主、アンナリーナの一風変わった仲間たちとの日常のお話。  冒険を始めるに至って、第1章はアンナリーナのこれからを書くのに外せません。  よろしくお願いします。  この作品は小説家になろう様にも掲載しています。

【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む

凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

処理中です...