転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第二章

マリアベル ミサンガを作る

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9月も中頃、やっと涼しくなって来た。

最近抜け毛が多い、
夏負けかしら。

「このまま、ハゲたらどうしましょう。」

「ハゲても大丈夫ですよ、カツラがあるじゃないですか!」
ガブリエルはそういうが•••

だいたい、カツラかぶっているから蒸れて抜け毛が増えるんじゃないかしら?
もう、カツラやめたい。

「これから寒くなりますので、防寒具と考えればよろしいかと•••」
まったく、他人事だと思って、、、

「マリアベル様、抜けた髪、もらってもよろしいですか?」

ええ、いいけど••••
人の髪なんて気持ち悪くないの?

「どうしてですか?、髪にはその方の加護っていうか、パワーが残っているので貴重なのですよ。
呪いだって掛ける事も出来るし、、、」
(くまっクにも、研究したいからって 頼まれてるし•••••)

「知らなかったわ。」

「マリアベル様、髪が欲しいと言われても、安易にあげてはいけませんよ、
後、簡単に髪に口付けするのも、いけませんからね!」
「まあ、マリアベル様はされる側ですが•••」

そうなのね、髪、抜けても簡単に捨てちゃ
いけなかったのね。
不思議な貴族の常識だわ。

でも、自分で言うのもなんだけど、
私の毛、本当に綺麗よね!
日本人みたいに張りがないから糸みたいだわ
刺繍に使ってみようかしら?
あっ、そうだわ!サッカーの応援に行く時 みんなで着けるあのお守り、ミサンガ、あれ作ってみましょう。

よし、今日は日曜日、部屋でゆっくりミサンガ作り。

私、いつも甥っ子に頼まれて作っていたのよね!
糸、糸、刺繍糸で代用出来るかしら?
くすんだ赤がたくさん残っている。
これで練習がてらに作ってみましょうか。
斜めに模様入れるのは、二色で糸四本
赤三本の白一本
白に私の髪混ぜて
くるっと回してぎゅ、クルッとギュ
くるっとギュ、角は逆四でギュ
おお、案外覚えているのね!

出来たぁ!
ちよっと、長かったかも、、、
髪がキラキラしてラメが入っているみたいだわ!うん、上出来、上出来、
私は、1人ごとを言いミサンガをポケットにいれた。

さあー、お昼行ってこよう。

1人で食事も味気ないのでマリアになって食堂のおばちゃんとお話ししながら食べようかなぁ~。

食堂でへ行くとおばあちゃんが手招きする。
「マリアちゃん、生のコーンが食べたいって言ってただろう、ほら、」
ワオ、コーンだ、生のコーンだ、
「茹でてあげるから後からまたおいで!」
はーい。取り敢えずサンドイッチをテイクアウトして食堂を後にした。

いつもの裏庭、今日は誰も居ないのね、
木陰で1人様ご飯をする。

ゴミ捨てして、さあ、帰ろうと思って立ち上がった。
あれ、ミサンガが無い、落としたかも?
あっ、あれだ鳩が突いているヤツ
鳩 持って飛び立った、
待てー、私のミサンガぁ~

追いかけて裏庭から出たら、
鳩、ポトンと誰かの頭にミサンガを落とした。
「ああ~それ、私んのですぅー」

「うちの鳩がゴメン、」振り向くとフレディ兄様だった。

「なんだ、マリアかぁ、」
鳩は兄様ご自慢のポッポであった。
フレディ兄様に経緯を説明して、ミサンガを返してもらった。

「なぁ、マリア、それ貰えないかなぁ?
赤いから俺に似合うと思わないか?
なんか、キラキラしてるし、凄く綺麗だ。」

「えー、もっと綺麗な物編みますよ、それは試作品だし
実は、キラキラしているの、私の髪なんです。
人の髪入りなんて、気持ち悪いでしょ」

「だって、ポッポが俺の為に拾って来てくれたんだぜ!
それに、妹の髪が入った御守りを兄がもらうのは当然の権利だ、」

さっ、結んで、 
フレディは腕を差し出した

「じゃぁ、もっと素敵なの作るまでのつなぎですからね。」

あつらえたようにピッタリだった。

「ポッポ、ありがとうな!お手柄だぞ、」

そう言うと、フレディは手を振って帰っていった。

——————-

その現場を、見られていたとは、、
2人は全く気が付かなかった。

———————

その晩、マリアベルとガブリエルは、茹でコーンをかじっていた。

「お嬢様、これ美味しいけど、恥ずかしいですね。」

「恥ずかしがってたら、食の道は開けないわ!

さぁ、野生の王者エルザのように、かじって、かじって、齧りまくるよのよー


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