転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第二章

秋の園遊会

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秋深まり社交シーズンの先駆けとして
13、14才、学園、学校などに入学した少女が集まる王妃主催のお茶会が催される。

そこには16才以上-成人以下の貴族男子がホスト役として配置されている。

この家にはこんな女の子がいますよ!
と言う出会いのお茶会である。

6才の頃も催されるのだが、当然ながらマリアベルは欠席である。

このお茶会の正装は白を基準に白に近いブルー、白に近いピンクなどの色合いが基本のようになっている。
何代か前の王女様が 皆が競い合ってギラギラと着飾っていたのを憂い 白いドレスで出席してからの慣例であった。

「白は辞めましょう、汚れますわ。」
「汚れても気にならない という財力とプライドのための白いドレスなのだよ。我が家としては、やはり色付きを着るのはなぁ••••」
「王家に血統があるものが白を着ないとなると、、、コーネリアが馬鹿にされてしまうぞ!」そう父が言う。
仕方ないわ、[郷に入れば郷に従え]
取り敢えず、皆と同じ格好をしてれば安心ね!
きっとソフィア様も真っ白ドレスね。
諦めて白いドレスを作ってもらう事にした。

「あのぉ、この前の部分だけ綿で作ってもらえませんか?」
「お嬢様、それはダメです。」
ダメ出し食らってしまった。

綺麗な秋空が広がっていた。
園遊会は野外のお茶会となった。

県民茶会とかみたいなものね、
野点を楽しむなんて、この世界も風流なものね。楽しみだわ。
変わったお菓子 あるかしら?今後の参考にしたいわよね。

お祖父様とお父様に連れられてお城にむかった。
会場に入る前に別室で王妃様にご挨拶する。
そして、
父兄は庭園が望める一室にて、王妃様とお茶会の様子を眺めているのだ。

綺麗な庭に真っ白なテーブルクロスが掛かった丸テーブルが並んでいる。
まぁ、アリスのティーパーティーの様だわ。
席には札がちゃんと付いてあった。

あっ、ソフィアの隣だ、知ってる人の隣でよかったぁー
ソフィア様ぁ~、マリアベル様ー、と2人で手お取りあってよろこんでいた。

気づいたら、隣に水色の髪の少女が礼を取り
「ソフィア様、お久しゅうございます。」
「カミーユ様も、お久しゅう。」
あっ、お友達ね、
空気を読んでさりげなくツツツゥーと席を外そうとすると、ソフィアに腰のリボンを引っ張られた。

私は犬か!リボンはハーネスじゃないぞ!

ソフィアは小声で「ホラ、」と言う。
あっそうか、公の場では初対面では身分が下の者が上の人に話すのはNGだった
忘れてた!ごめん、ごめん。

「初めまして、クラレンス侯爵が娘マリアベルと申します。」
「ご丁寧な御挨拶恐れいります。
デュカス侯爵が娘カミーユと申します。以後お見知りおきを。」

「マリアベル様は6才のお披露目は御出席されなかったのですわね」
カミーユに指摘された。

ええ、まあ、とお茶を濁した。

「王妃様主体のお茶会を欠席なさるなんて、よほどお体が御悪うございましたのね。
 私も、身体が弱く学園には通えませんが、王家のお茶会は高位の者の義務だと思っておりますが••••
 そのような我儘が通る御育ちが羨ましいですわ。
やはり噂は本当でしたのね。」
そう言い終えると、フラフラとしてエスコートの男性にもたれ掛かった。

「君、非常識ではないか、身体の弱いカミーユ嬢に長時間 礼を取らせるなど、」
「いいのよ、わたくしが悪いの、マリアベル様を怒られせてしまったから•••」
「全く、噂通りの方だ 貴方は、酷いな、さあ、カミーユ嬢こちらに•••」
2人は退場して行った。

なんだったのか、今の寸劇は????

「カミーユ様は身体が弱いらしいの、今まで彼女より高位の身分はわたくしだけでしたから、、、」ソフィアがそう言う。

「だって私も侯爵令嬢ですよ?」

「貴女は王の姪よ!順位は低くとも王位継承権があるの。カミーユ様とは同格ではなくてよ。」

そんなものなのかしら?
(そういえば、前世で、先祖が公家だと威張ってた人いたわねぇ、綾小路だったかしら?
あら、違った、それは漫談家だったわ!)

アビゲール様は欠席だ。
今の時期は"森の収穫を神に捧げる神事"があるためどうしても抜けれないそうだ。
事前に王家には連絡して王妃にお目通りしておいてあるとおっしゃっていた。

出来の悪い催し物を見せられたのでお口直しにお菓でもいただきましょう。
なんだかどれも甘そうねぇ
桃の煮たの を見つけそれを食べる。
(なんだっけ果物煮たの、コンパートだっけ?)

それにしても、秋薔薇が見事だわ。
紫を青っぽく発色させるの難しいのよねぇ。
私は春薔薇よりも秋薔薇が好きだわ。
風情があるもの。

では、ここで一句。
秋空に、こもれる薔薇の香り
ダメだわ、こもれると香りが同意語かしら?
秋空っていうのも 陳腐だわね
うーん、、、


「また、お前は騒動を起こしたのか!!」

へっ?
あー、三馬鹿だぁ、また喧嘩吹っかけに来てる。
この人達、ホント面倒だわ、

「カミーユ嬢にキツく当たったとか、
あの御令嬢は、お体が強く無いのだ。
お前も知っているであろうに、配慮が足りないぞ。」

そんなの知らないわよ。だって初対面だし

あー面倒臭い、殿下がいるんだったら来なきゃよかったわ。

「聞いているのか!」ドン!
殿下、机叩かないで、皆んな見てるから

ハイハイ、
「どーも、すみませんでした」

「なんだ、その謝り方は」
王子は私の、肩を掴んで揺さ振った。

侍従の方が飛んで来た
「殿下、さぁ、此方へ、」
と抱えて連れて行ってくれた。

馬鹿らしい、もう、帰ろ。

1人出口に向かった。

トン、誰かにぶつかった。
「きゃぁ」その人 私の前にうずくまった。

「ごめんなさい、ごめんなさい」
先ほどのカミーユ様だ。

えっ、なに?
ぎやー、スカートにブドウジュースがかかっている。
それも正面膝下、狙ってかけたな!この女。

側にいた別の少女も
カミーユ様、わたくしのもお手伝い致しますわ、、
拭くふりをして苺タルトをスカートに擦り付けた。

うわぁ馬鹿じゃないのこの子達。

あの窓から丸見えだよ、ほら王妃様チラチラ見てるよ、

カミーユ様、泣きながらスカート拭いてる。
でも、涙出てないよ、

人が集まって来た。

一緒にいた少女が
「この方がスカートにジュースを溢してしまって、、、
カミーユ様が ぶつかったからだと、、、責任を取れと••••」

酷いわね、どこの御令嬢だ、
見た事ない方だわ、あれはマリアベル様だわ
ザワザワ、ザワザワ、

お祖父様とお父様が飛んで来た。
お父様がコートを掛けてくれてその場から脱出した。

ノーザンコート邸にたどり着いた

「ホント酷いめにあいましたわ」
「全くデュカスの小娘のヤツは始末におえんわ。」
「お父様、ごめんなさい。
せっかく作っていただいたのに•••」
父にコートを返し、赤く染まったドレスを見せた。

「もう、これ汚れ落ちませんよねぇ、」
勿体ないわぁ、とぐちをこぼす。

父は私の姿を見て、呆然と立ち尽くした。

「お父様、お父様、」父の手を揺する

『あ、あ、あ、あ、あ、
赤く、赤、白い服が赤く 染まって 赤く赤、、、、、、、、、、、、、
コーネリア、コーネリア、
ああ、あぁぁぁぁぁ————-  』

父はそう叫ぶと床に倒れ込んだ。




















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