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第二章
私の名はケイ .8
しおりを挟む取り敢えず、トラビスルートは潰せた。
これでマリアベルの強い味方が1人は 確保出来た。
あの子に少しでも味方になってくれる人を見つけなければ。
***************
冬の訪れの少し前の夜のこと、雨は霙に変わっていた。
暖炉の火に薪をくべる。
裏門から一頭の馬が、走って入って来た。
何事か?と侍女を見にやる。
闇の中にいても一際輝きを見せる男が立っていた。
アーサーだ!
「コーネリアに会わせてくれ!」
私はマントを脱がせジョージ王の、替えの服に着替えさせてコーネリアに会わせた。
これは、駆け落ちルートかも、、、
そう思った。
それでもいい、
コーネリアが幸せならそれでいい
朝二人で出て行くなら見て見ぬ振りをしようと思った。
朝になり、アーサーはたった一人で出て行った。
二人の間に何があったのかは知らない。
コーネリアは黙っていた。
私も聞かなかった。
そして、その日以来コーネリアは、人が変わっ様に無口になった。
******************
年が変わる前に降嫁させる事になった。
ローガンが挨拶にやって来た。
ゲームの中の人物よりずっと優しそうで、ちょっと気が弱そうな感じのピュアな人物だった。
20歳を過ぎているはずなのに、幼さが残っている。
(そー言えば、結構ローガンファン多かったなぁ)
ローガンは、コーネリアと対面して一目で恋に落ちた。
そんなローガンにコーネリアは「宜しくお願いしますね。」と優しく声を掛けた。
人見知りするあの子が初対面の人と普通に挨拶が出来た事を不思議に思ったものだ。
そして、冬の暖かな日
あの子はとうとう 私の元からいなくなってしまった。
「寂しなるわね、」そう呟いた。
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子供が無事生まれたと連絡が来た。
キラキラの金の輝きを持つ女の子だった。
[マリアベル]と名付けられた
マリアベルが生後五か月になった頃、里帰りが予定されたいた。
しかし、コーネリアの調子がまだ思わしく無いため、筆頭侍女ティーネ達に連れられてマリアベル一人だけの里帰りとなった。
愛機のあるマリアベルは皆んなに可愛がられた。
その翌々日、クラレンスより急ぎの手紙でコーネリアが急変した事を伝えて来た。
私はマリアベルを連れ、ティーネと共にクラレンスへ急いだ。
コーネリアは血の気の無い顔色をしていた。
これはどういう事なの?病気を聞いた
「一昨日から突如出血されて」付き添いの医者が言う。
「ローガン様は?」
「あまりに取り乱しておりましたので鎮静剤を投与して、只今お休みいただいております。」
産後の肥立が悪かったのか?
やはり出産にはまだ身体が若かったのか?
コーネリアはまだ死なない。
まだ、二年ある。
大丈夫、大丈夫、と自分に言い聞かせる。
私は看病のためクラレンス邸に滞在する事にした。
コーネリアが目を覚ました。
しかし貧血が酷く目も開ける事が出来ない。
「お母様?」 そうよ、私よ、
「失敗しちゃった。」 なにを?
「まだ、二年あるから•••大丈夫だと、、、、思ったんだけどなぁ」
(二年?寿命が二年?何故それを?
まさか、貴方、転生者なの?)
「いつから気が付いたの?」
愛しい我が子の頭を撫でながら聞く。
「アーサーが来た夜。」
(だから様子がおかしかったのね。)
「駆け落ちルート、になりそう、、だった」
(あゝ、この子もプレイヤーだったのね)
「そうなのね、駆け落ちしてもよかったのよ 」
(貴方が望むなら、それでよかったのに•••)
「推し、ローガンなの」
(まぁ、そうだったのね!)
「だから•••• 誘ったの」
(出血は、、、、)
「コーネリアは、アーサーが好きだった•••」
「そうね、好きだったわね。」
「アーサーが呼んでるの」
「ダメよ、まだ早いわ、まだ二年あるじゃない。」
「もう、保たないかも、」
「お願い、もう少し生きて、お願いだから、、」
「マリアベル、ハピエンある、、から、」
「お母様、そのルート知らないの。
だからマリアベルのために生きて、」
「フレディ 好感度上げて、、、夜のは、、仲のい、い、、さ、、、、…………. 」
「ダメ、まだダメ、お願い、、逝っちゃ嫌よぉぉ、、、」
コーネリアは昏睡に入った。
一週間後、眠るようにコーネリアは亡くなった。
*********
明日から話は、マリアベルに戻ります。
*********
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