転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

文字の大きさ
98 / 163
第二章

マリアベルの災難 .8 嵐の如くやって来た!

しおりを挟む

雪がチラホラと舞う季節
冬のホリディーが近づいてきた。
街が一斉におめでたいムードに染まる。

しかし、その前に私達には する事があった。
テスト勉強である。

私は大抵は[可]がもらえるぐらいだか、やはり語学が苦手であった。
話すのは普通に話せる。読むのもすんなり読める。
しかし、不思議と 書く事が苦手なのだ。
書く時に、一旦脳内でローマ字に変換されるらしく単語の書き間違えが多々ある。

「ほら、ここ、書き間違っていますわよ!
語学さえ無ければマリアベル様はTOP3を狙えるのに•••、惜しいですわぁ」

(やっぱり横文字は苦手です。)

今日は食堂でお勉強会
図書館と違い、おしゃべりが出来るため和気藹々とお勉強が出来るのでグループでの利用が多い。

観葉植物を挟んで、真後ろの席の女子グループの おしゃべりが聞こえる。
「来年は殿下も最終学年ですわね、そろそろ婚約者をお決めにらるのかしら?」
「噂ではクラレンス侯がマリアベル様を推しているらしいのよ、」

ブッ、吹き出した。

おしゃべりは続く
「あら、わたくしはデュカス侯爵家のカミーユ様が有力だと聞いていますわ!」

あっ、馬鹿同士お似合いだわね。

さらに、おしゃべりは続く
「カミーユ様はお体にに支障があるので辞退されていると言うお話しですが、殿下が是非にと望まれているとか•••」
「マリアベル様じゃぁねぇ、、庶民の血が入っていらっしゃるでしょ、」
「殿下も嫌っておいでの様ですし。」

ソフィア様とアビゲール様が、手を握ってくれた。
大丈夫、私、全然 気にしていないし•••

「あら、殿下ですわ!ランディエール様とアルビス様もご一緒ね。」
「今日も 麗しいですわぁ、ウフフ、わたくし ランディエール様とでしたら 間違えを起こしても良いですわぁ~」
「ご挨拶に行きましょう。」

女の子達は席を立って三馬鹿トリオの側に駆けていった。

思春期の女の子の 頭の中って、恋で一杯なのね
若いなぁー!しみじみ思う。

「気持ち悪ッ」
吐き捨てるようにソフィアが言った。
「コッチに来ない様に、、、ですわね。」
アビゲール様も嫌悪感を露わにする。

悪い予感は当たるもの。
三馬鹿トリオが近づいて来た。
私達は教科書を片付け、そそくさと立ち去る準備をする。

「えー、もうお帰りなのぉ?」
一足遅かった。
「今日は其方達と話をしようと思ってな、足を運んで来たのだ。」

ふーん、わざわざ足を運ぶのね。
偉そうに。

「殿下におかれては恐縮至極でございます。」
3人で礼をとる。

「よいよい、座ってもよいかな?」
言う前に座っているじゃないの、あなた方。

「今日は、菓子は無いのか。」
「ええ、試験勉強をしておりましたので」
ソフィアが顔を引き攣らせ答えている。

「そうか、この前のだなぁ、誤解を解いておこうと思ってだなぁ••••」

「この前とは?」
ソフィア意地悪く聞く

「あの、教室での、マリアに治癒魔法を掛けた日の事だけどなぁ、、、」
歯切れが悪い。
「あれからマリアは、どうしているのだ?
最近見ないようだか、傷が悪くなってしまったのかと心配しているのだ。」

「殿下の治癒魔法でしたら、完璧に作用してるのではありませんか?」
だと、よいのだが、、、殿下は独り言のようにぶつぶつ言う

「マリアベルよ、今日はマリアは一緒では無いのか?」
はぁ⤴︎ この期に及んでまだマリアですか?

ソフィアが変わって答えた。
「マリアはクラレンスに帰りました。
今の侍女はガブリエルです。」

「マリアベル、私は其方に聞いてきるのだ!何故、マリアを返した。」

あんな破廉恥な事しておいてよくも•••

「彼女が帰りたいと望みましたので返しました。」

「そこまで、彼女を追い詰めたのか、お前は••••」

(ちょっと、なに言ってるの?逆でしょう、アンタのせいでしょう!)

「彼女は庶民の生活よりも、まだお前に従えている方がマシだと、お前を庇っていたのだぞ!
そんな彼女の優しさを 踏み躙って•••」

(私、そんな事一言も言ってない!なんでそうなるの?馬鹿じゃないの!)

「マリアを返せ!」殿下は、私の胸ぐらを掴む
殿下、ご冷静に•••、ニ馬鹿が宥める
殿下、おやめください!ソフィアが間に入る

「私は、お前を 絶対に許さん。」

捨て台詞を吐いて立ち去って行った。

帰り際にラヴィが
「マリアベル様、マリアちゃんの住所教えてくれないかなぁ、、
クラレンスに向かえに行くから。お願いね!」
と言い、ウインクした。

呆然と立ち尽くす私達 3人

見ていた女子生徒の1人が落ちた教科書を拾ってくれた。
「最近の殿下達は横暴です。マリアベル様は何も悪く無いと思います。」
そう言ってくれた。

わかってくれる人もいたんだ。
感動した私は、思わず彼女の手を取り
「ありがとう、ありがとう」と涙を流した。
さらに、2人がやって来て、
「今まで言い出せなかったけれど、、、編みすだれ、楽しかったです。
マリアベル様頑張って下さい!」
激励してくれた。
「うん、うん、ありがとう。皆んな ありがとうございます」
嬉しい涙でお礼を言った。



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ

柚木 潤
ファンタジー
 薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。  そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。  舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。  舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。  以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・ 「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。  主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。  前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。  また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。  以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。  

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん
ファンタジー
 誰もが魔力をもち魔法が使える世界で、アンナリーナはその力を持たず皆に厭われていた。  運命の【ギフト授与式】がやってきて、これでまともな暮らしが出来るかと思ったのだが……  与えられたギフトは【ギフト】というよくわからないもの。  だが、そのとき思い出した前世の記憶で【ギフト】の使い方を閃いて。  これは少し歪んだ考え方の持ち主、アンナリーナの一風変わった仲間たちとの日常のお話。  冒険を始めるに至って、第1章はアンナリーナのこれからを書くのに外せません。  よろしくお願いします。  この作品は小説家になろう様にも掲載しています。

【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む

凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

処理中です...