転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール

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第二章

日常 〜 断罪より一年目〜

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  作者よりのお知らせ.
暫く話に動きがありません。
マリアベル達の日常が3,4話続きます



~マリアベルの日常~

二年生に進級しだが、私は4月分の補習と言う大きな壁があった。

毎日、授業が終わると二時間、ビッチリと勉強を詰め込んで、、、気がつくと既に暗くなっている。

「今日もご苦労様でした!」

ガブリエルから労いの言葉をかけられた。

私は学園に戻る事の出来ないジェイコブ様の事を思い出し寂しい気持ちになった。

「お腹空いたわね、今日の夕食はなにかしら?」

「確か、鹿肉のグリルとグリーンサラダでしたよ!」

美味しそうね!私はガブリエルと手を繋いで歌を歌いながら食堂へと急いだ。


学園に入ってから食生活がとても充実している。

食べる事がとても楽しい。

だが、しかし、、、背が伸びない

私の身長は143cm 、クラスで一番、いや全生徒で一番低い。

これで、初潮が来たらこの身長で第一次成長が終わってしまう••• 恐ろしいぃ


よし!プロテイン作戦だわ

夜寝る前に運動して牛乳を飲んで寝る。

就寝前にウォーキングを始めた。

ガブリエルと2人で学園周りを歩く。

目標は、身長160cm!!!

実は前世の光子は152cm、体型はずんぐりとしていたのでいつも着物を着てカバーしていた。

夫の4番目の愛人に、凄くバカにされたのがショックであったのだ。

あの頃はバブル期
ワンレンボディコン、ハイヒールの愛人を膝に乗せ、アホ面をした主人

愛人は私を指差し、「ちょー受ける!ドラえもんじゃん! はっ、終わってるわぁ、、 」と言った。

ぐぬぬぬ、今の私は外人!スラリとしてボンキュボンも夢じゃない。

目指せ、魅惑のダイナマイトボディ!

未来を夢みてマリアベルは、ひたすらウォーキングをし、牛乳をガブ飲みするのであった。


「お小さくても、マリアベル様はお可愛いらしいのになぁ!」
全校生徒が、マリアベルの頑張りを暖かいで目でみて、応援していたのであった。


*****************

マリアベルは、留守中の課題として、ハロルドに商人としても必需品のアレを与えた

アレとは、九九早覚え表とソロバンである。

それを覚えさせ、ジェイコブに家計簿を付けさせるろ!と指令を出した。

「はい、ニノ段いきます、、二×三が六、二×四が八、二×五 十、、、」

ジェイコブは呪文のように頭に叩き込まれた。

ハロルドは既に九九を覚え、ソロバンを自由自在に使いこなしている。

そして手にはハリセンが、、、

ジェイコブさん、八の段行きますよ!

「八×一が八、、八×二=十六 、八×三=二十四、、、

八×九…七十•••••四?」

<<<<スパーン>>>> ハリセンが唸った

ジェイコブさん、九×八は?

「九×八、七二だろう!」

なんでそれが言えて、逆になると分からないんですかぁーーー、同じでしょうがぁーー!!!

(この人本当に学園に通っていたのかなぁ)

ハロルドは頭が痛くなってきた。


しかし腐っても元王族、魔法のセンスがピカイチなジェイコブは次々と新しい魔法を開発していった。

それは、農業魔法である。

マリアベルの付けた眉間の傷がまだ治り切っておらず魔力は少なかったが、農業するくらいには充分であった。

最近のお気に入りはハウス魔法である。

苺を弱いバリアで覆い土の回りをウォームで温める。
そうすると苺が甘く大きく育つ事がわかった。

雨の寒い日、苺が可哀想だとバリアを掛けたのが切っ掛けだった。

そうなると農業が、俄然面白くなってくる。

農業の本を読み色々と実践してみたりしていた。

しかし、植物の成長はすぐ結果が出るものではない。

緑の魔法が欲しいなぁ、、、

ジェイコブは心からそう思った。




土と戯れ、土と会話をする毎日

しかし1人ぼっちの夜は寂しい

そんな時、ジェイコブの心の支えは一枚の紙切れであった。

 [ウォームで温めて食べるように]

懐から出して眺める。

誰かが私を応援してくれてる。
その方の為にも頑張らなくては、、、
ジェイコブは自分を奮い立たせ就寝した。


*****************

マリアベル、夏休み少し前の出来事であった。

ううっ、身体が痛い、、
カラダというより関節回り、筋肉が無理矢理引っ張られると言うか•••

泣きたくなる程痛い。

「大丈夫ですか?お医者様を呼んで来ますね。」ガブリエルは医務室へ向かった。

お医者様と一緒にサリバン先生もやって来た。

「成長痛ですね!」

「「まぁ、」」皆んながホッとした声を上げた。

サリバン先生は、私が幼少期に余り良いとは言えない栄養状態だった事を告げた。

「お体がやっと整われてきたのでしょう。
これからグングンと成長してくると思います。規則正しい運動と食生活、睡眠をお取り下さいね。」

そう言うとお医者様はヒールをかけて下さった。

「目が覚めたら、身長どれくらい伸びているなかぁ」
ワクワクしながらマリアベルは眠りについたのであった。

***************

夏は社交のオフシーズン
王都に滞在している貴族は少ない。

しかし、マリアベルとジェイコブは王都滞在中の被害者に精力的にお詫びに出向いた。

どの家も2人のお詫びは暖かく受け入れられた。

ジェイコブからはあの傲慢な物言いも消え、スッカリと普通の青年貴族になっていた。

「最近、自分の事[余]と言わなくてなりましたよね!」
ハロルドに指摘されてジェイコブは赤くなった。

「そうね、どうして そんな話し方をするようになったのかしら?」

「それは、将来父上のようになりたいと思って、いつも父上をお手本にしていた
威厳を保った話し方をと心掛けていたのだ。」

「威厳って、、、 うーん、家庭教師の方とか、何か言われなかったの?」

「いや、別に、、、」


はぁ、回りが悪かったのね、、、
ジェイコブの元々の資質は悪くはない。
むしろ素直過ぎるほどだ。
小さい頃からモノの良し悪しを教えず有識者が帝王学だけを教えてきた。
子供には、まず[道徳]を教えないとダメに決まっているでしょーがー!!!

まったく、だから学者は駄目なのよ。
学問と教育は違うと言う事が、分かっていないのよね!


でも、ジェイコブもだいぶ普通になって来たと思う。

そして、、、天も荒れる様子もない。

お願い、このまま、このまま進んで、、、
女神様、ジェイコブを救って!

マリアベルは天に向かって祈った。



秋の園遊会を皮切りに社交シーズンに突入する。
貴族は、領地から王都のタウンハウスに移り住む。

私とジェイコブは精力的に[お詫び行脚]に繰り出した。

冬休みは領地に帰らなくてはならない。
少しでも多くの家庭にお詫びに行く

ジェイコブも農閑期に入り最近では藁細工を作り初めている。
「少しでも返済の足しになればと、思ってな、」

そう、はに噛にみながら言うジェイコブには もう、[殿下]の面影が無くなっていた。



こうして私たちは、一年かけてやっと、すべての迷惑を掛けた方々にお詫びを終えた


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