特技は有効利用しよう。

庭にハニワ

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……で? っていう。

一度行った所なら、何人か連れて行けるけど内緒だ。

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あまりにも下らない状況に、ついつい怒りの波動=圧が洩れたようだ。

近衛騎士達が、飛び込んできた。

王族サマ方と侯爵親子は、青ざめた景気の悪い顔で私を見ている。

や~だなー。

今ここでアンタ方にナニかしようとは……ちょっとうっすらと思ったけど。
実際には何もしないよ?

だって場が悪いじゃないか。
やらかしたらすぐに犯人確保されるじゃないか。

どーせやるなら『目指せ、完全犯罪』だろう?

「こう……取っ捕まえて、問答無用で活火山の火口の真上や大海のど真ん中に放り出して……あとは野となれ……」

うーふーふー……。

「やらないわよね?」
「やってませんわよね?」

王妃サマとケーリッシュ嬢が、顔をひきつらせながら聞いてきたので、笑ってゴマかした。

「なるほど、そのような使い方も……」

興味深い、と頷きながらナニやら考え込む王族兄弟。

都合の良い事考えてやがるな?

「なんなら、今すぐ飛竜の巣あたりに……」

「「「止めてくれ!」」」

侯爵親子と近衛の一団が、必死な顔して叫んだ。




いや、だからやって無いってまだ。
少なくとも、いろいろとめんどくさいコトになる可能性の高い貴族連中は。

そんな私の言い分を聞いた王族サマ方。
いろんなコトを考えちゃったようで。

王妃サマ、ケーリッシュ嬢、王族兄弟の順にパニック起こしてた。

想像力があるって、良し悪しだよね。

目を剥いてる侯爵親子は、もう放置する。
私に余計なちょっかい掛けようとさえしなければ、命綱無しの空中遊泳……とゆーか、高高度からの自然落下とか体験せずにすむぞ。

そして、落下予定地の飛竜の巣について軽~く触れたところ、近衛騎士達が叫んだ。

我々を、飛竜の餌にする気なのか! だって。

いやだからね?

人の話はちゃんと聞こうね?



乙女の如く怯える近衛騎士達。

なんつーか。

千年の恋も冷める醜態だな。
そんなに飛竜が怖いのか。

騎士としての気概なんか、どっかに吹き飛んだようだ。

とりあえず、頑張って上っ面だけは取り繕っておけ。
仮にも一応近衛騎士、なんだからさ。







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