47 / 61
劉備対李厳
しおりを挟む
李厳は白水関へ向かう前に、涪城に寄り、涪県令の費観に会っていた。
李厳と費観は、ともに劉璋を支える重臣で、仲がよかった。
「劉備殿と戦うよう命じられた」
そのとき李厳は、憂鬱そうな顔をしていた。
「気鬱そうだな。劉備殿と戦うのが嫌なのか?」
「正直に言って、気が進まないね」
「どうして?」
「私が益州へ来る前、荊州にいたのは知っているだろう?」
李厳は荊州で劉表に仕え、いくつかの県令を歴任していた。
劉表の死後、劉琮が戦いもせずに曹操に降伏するのを見て、嫌気がさし、益州へ逃げて劉璋の部下になった。
益州でも能力を認められ、成都県令に任じられた。
県令は、県の軍事もつかさどる。李厳は文武にすぐれた人であった。
「私は新野城にいたときの劉備殿を知っている。あの方だけは曹操に屈しなかった。立派な方だ」と李厳は言った。
「曹操が益州に攻めてきたら、劉璋様は降伏するだろうな……」と費観はつぶやいた。
「たぶんな」
「益州を守れるとしたら、劉備殿だけかもしれない。益州牧になったとしての話だが」
「劉備殿なら、敢然として曹操と対決するだろう」
李厳の憂鬱は、尊敬している劉備と戦わなければならないために生じている。
聡明な費観には、友人の心理が手に取るようにわかった。
「ではきみは配下の兵もろとも、劉備殿に降伏すればよいのではないか? そして彼を益州牧にしてしまうのだ」
李厳は驚いて、費観を見つめた。
「劉璋様の娘婿のきみが、それを言うのか?」
「娘婿など関係ない。益州の主として、劉璋様か劉備殿、どちらがふさわしいかだけが問題だ」
「明らかに劉備殿だ。器がちがう」
「では劉備殿に従ったらどうだ? 法正殿や張松殿は、そうすべきだと考えて、劉璋様を裏切ったのだろう」
李厳は暗い顔をし、ゆっくりと首を振った。
「戦いもせずに降伏するような人間にはなりたくない。それに私が率いているのは、益州に家族がいる兵士たちだ。彼らから見たら、劉備殿は侵略者。降伏したくはないだろう。私は戦う」
李厳軍は葭萌県を越え、白水関に近づいた。
戦いが近づくにつれ、李厳の表情はますます険しくなっていった。
「李厳様、顔が怖いですよ?」
副将の馬忠がそれを気にして、少しおどけて言った。
馬忠は明るく、物事を深刻に考えない性格だった。いまは目の前の戦いのことだけを考えている。劉備軍を討つ。
李厳はそんな馬忠の単純さを好ましいと思っていた。
「私はもとからこんな顔だ」
李厳はそう言ったが、その表情から少し険しさが取れていた。
「穏やかになられました。その方がいいです」と馬忠は言った。
劉備軍は白水関の南の平原で布陣した。
まもなく李厳軍が到来することがわかっている。
劉備は明るく微笑んでいた。
「殿、どうしてそんなに楽しそうなのです?」と龐統がたずねた。
「おれは常に寡兵で大軍と戦ってきた。今日の戦いの兵数は、ほぼ互角だ。そのような戦いをするのは初めてなので、うれしいのだ」
劉備は悠然として、馬に乗っていた。
「皆、存分に戦ってくれ」
彼の表情には緊張もなく、緩みもなかった。普段のままだった。
孫尚香は隣から夫の顔を見て、頼もしいと思った。
李厳軍が見えてきた。地平線を越えてくる。
劉備軍の先鋒の魏延隊が突っ込んでいった。
敵の先鋒、馬忠隊とぶつかり、激しくせめぎ合った。
黄忠が中軍を指揮して進んだ。
李厳はそれに呼応して、全軍で迎え撃った。
平原が戦いで満ちた。わめき声や悲鳴があちこちで響いた。
「張苞がいる場所がわかるな。さすが張飛の息子だ。そこだけ敵が逃げ惑っている」
劉備が言った。彼の左右には関平と尚香がいて、大将を守っている。
彼らの背後には、精鋭の親衛隊二千がいた。
「私も戦いたいです」と関平が気負いなく言った。
「わたしもです」と尚香も言った。彼女には前のめりな気配があった。
「落ち着いて戦いを見守っていろ。おまえは血の気が多すぎる」
「血の気が多くなんかありません!」
尚香が叫び、劉備は笑った。
戦闘は朝から始まった。
激闘が長時間つづいた。
正午を過ぎても、決着がつかなかった。
黄忠と魏延は懸命に押した。李厳と馬忠は必死で押し返した。
太陽が益州を囲む山脈に沈もうとしていた。
「今日はここまでかな」と劉備はつぶやいた。
尚香はふと、勝てそうだ、と思った。
「玄徳様、もうひと押しすれば、勝てると思います」
「なぜそう思う?」
「勘です」
「孫策殿の妹の勘か」
劉備は戦場を見渡した。彼には相変わらず互角の戦いに見えた。
「関平、どう思う?」
「私も、もうひと押しだと思います」
「そうか。関平、親衛隊を率いて、敵の中央を攻めてみよ」
「はい!」
関平は勇躍し、「私につづけ!」と叫んで、戦場へ駆けていった。
「わたしも行きます!」
「おまえは見ていろ」
劉備は尚香の突撃を止めた。やはり血の気が多い……。
李厳は、つらい戦いだと思っていた。
劉備軍は強い。指揮官が強く、兵も強い。
部下たちはよく戦っているが、限界が近い。
そろそろ引こうと考えていたら、新手が向かってきた。
ものすごい剛の者が率いていた。精鋭部隊のようだった。
その部隊に味方が蹴散らされた。敵の全軍が勢いに乗り、手がつけられなくなった。
ついに李厳軍は総崩れとなった。
馬忠が李厳のそばにやってきた。
「李厳様、負けましたね」
「ああ、負けた」
「逃げましょう」
「いや、私はここで討ち死にする。多くの兵を死なせた。おめおめと生きてはおられん」
「では、私も付き合いますよ」
ふたりは死ぬつもりで、最後の戦いをしようとした。
だが、彼らは死ねなかった。
関平と張苞が突進してきて、李厳と馬忠の剣を叩き落とし、ふたりを縄で縛った。
李厳軍の主将と副将が、劉備の前に連れてこられた。
「李厳殿、荊州で会ったことがあったかな」と劉備は穏やかに話しかけた。
「あります。話したことはありませんが」
「あなたのことはよさそうな人だと思っていた。どうだ、おれに仕えてみないか?」
劉備が居酒屋にでも誘うような調子で言った。
李厳はなぜか感動して、涙を流した。その言葉を待っていたような気がした。
「はい……」と答えた。
「そちらの若い人、きみもおれの部下にならんか?」
「いいんですか?」
馬忠は明るく、あっけらかんと言った。
劉備は、面白そうな若者だ、と思った。
「もちろんだ」
「お仕えします!」
「関平、縄をほどいてやれ」
李厳は関平の顔を見た。彼の軍にとどめを刺した剛の者だった。
李厳と費観は、ともに劉璋を支える重臣で、仲がよかった。
「劉備殿と戦うよう命じられた」
そのとき李厳は、憂鬱そうな顔をしていた。
「気鬱そうだな。劉備殿と戦うのが嫌なのか?」
「正直に言って、気が進まないね」
「どうして?」
「私が益州へ来る前、荊州にいたのは知っているだろう?」
李厳は荊州で劉表に仕え、いくつかの県令を歴任していた。
劉表の死後、劉琮が戦いもせずに曹操に降伏するのを見て、嫌気がさし、益州へ逃げて劉璋の部下になった。
益州でも能力を認められ、成都県令に任じられた。
県令は、県の軍事もつかさどる。李厳は文武にすぐれた人であった。
「私は新野城にいたときの劉備殿を知っている。あの方だけは曹操に屈しなかった。立派な方だ」と李厳は言った。
「曹操が益州に攻めてきたら、劉璋様は降伏するだろうな……」と費観はつぶやいた。
「たぶんな」
「益州を守れるとしたら、劉備殿だけかもしれない。益州牧になったとしての話だが」
「劉備殿なら、敢然として曹操と対決するだろう」
李厳の憂鬱は、尊敬している劉備と戦わなければならないために生じている。
聡明な費観には、友人の心理が手に取るようにわかった。
「ではきみは配下の兵もろとも、劉備殿に降伏すればよいのではないか? そして彼を益州牧にしてしまうのだ」
李厳は驚いて、費観を見つめた。
「劉璋様の娘婿のきみが、それを言うのか?」
「娘婿など関係ない。益州の主として、劉璋様か劉備殿、どちらがふさわしいかだけが問題だ」
「明らかに劉備殿だ。器がちがう」
「では劉備殿に従ったらどうだ? 法正殿や張松殿は、そうすべきだと考えて、劉璋様を裏切ったのだろう」
李厳は暗い顔をし、ゆっくりと首を振った。
「戦いもせずに降伏するような人間にはなりたくない。それに私が率いているのは、益州に家族がいる兵士たちだ。彼らから見たら、劉備殿は侵略者。降伏したくはないだろう。私は戦う」
李厳軍は葭萌県を越え、白水関に近づいた。
戦いが近づくにつれ、李厳の表情はますます険しくなっていった。
「李厳様、顔が怖いですよ?」
副将の馬忠がそれを気にして、少しおどけて言った。
馬忠は明るく、物事を深刻に考えない性格だった。いまは目の前の戦いのことだけを考えている。劉備軍を討つ。
李厳はそんな馬忠の単純さを好ましいと思っていた。
「私はもとからこんな顔だ」
李厳はそう言ったが、その表情から少し険しさが取れていた。
「穏やかになられました。その方がいいです」と馬忠は言った。
劉備軍は白水関の南の平原で布陣した。
まもなく李厳軍が到来することがわかっている。
劉備は明るく微笑んでいた。
「殿、どうしてそんなに楽しそうなのです?」と龐統がたずねた。
「おれは常に寡兵で大軍と戦ってきた。今日の戦いの兵数は、ほぼ互角だ。そのような戦いをするのは初めてなので、うれしいのだ」
劉備は悠然として、馬に乗っていた。
「皆、存分に戦ってくれ」
彼の表情には緊張もなく、緩みもなかった。普段のままだった。
孫尚香は隣から夫の顔を見て、頼もしいと思った。
李厳軍が見えてきた。地平線を越えてくる。
劉備軍の先鋒の魏延隊が突っ込んでいった。
敵の先鋒、馬忠隊とぶつかり、激しくせめぎ合った。
黄忠が中軍を指揮して進んだ。
李厳はそれに呼応して、全軍で迎え撃った。
平原が戦いで満ちた。わめき声や悲鳴があちこちで響いた。
「張苞がいる場所がわかるな。さすが張飛の息子だ。そこだけ敵が逃げ惑っている」
劉備が言った。彼の左右には関平と尚香がいて、大将を守っている。
彼らの背後には、精鋭の親衛隊二千がいた。
「私も戦いたいです」と関平が気負いなく言った。
「わたしもです」と尚香も言った。彼女には前のめりな気配があった。
「落ち着いて戦いを見守っていろ。おまえは血の気が多すぎる」
「血の気が多くなんかありません!」
尚香が叫び、劉備は笑った。
戦闘は朝から始まった。
激闘が長時間つづいた。
正午を過ぎても、決着がつかなかった。
黄忠と魏延は懸命に押した。李厳と馬忠は必死で押し返した。
太陽が益州を囲む山脈に沈もうとしていた。
「今日はここまでかな」と劉備はつぶやいた。
尚香はふと、勝てそうだ、と思った。
「玄徳様、もうひと押しすれば、勝てると思います」
「なぜそう思う?」
「勘です」
「孫策殿の妹の勘か」
劉備は戦場を見渡した。彼には相変わらず互角の戦いに見えた。
「関平、どう思う?」
「私も、もうひと押しだと思います」
「そうか。関平、親衛隊を率いて、敵の中央を攻めてみよ」
「はい!」
関平は勇躍し、「私につづけ!」と叫んで、戦場へ駆けていった。
「わたしも行きます!」
「おまえは見ていろ」
劉備は尚香の突撃を止めた。やはり血の気が多い……。
李厳は、つらい戦いだと思っていた。
劉備軍は強い。指揮官が強く、兵も強い。
部下たちはよく戦っているが、限界が近い。
そろそろ引こうと考えていたら、新手が向かってきた。
ものすごい剛の者が率いていた。精鋭部隊のようだった。
その部隊に味方が蹴散らされた。敵の全軍が勢いに乗り、手がつけられなくなった。
ついに李厳軍は総崩れとなった。
馬忠が李厳のそばにやってきた。
「李厳様、負けましたね」
「ああ、負けた」
「逃げましょう」
「いや、私はここで討ち死にする。多くの兵を死なせた。おめおめと生きてはおられん」
「では、私も付き合いますよ」
ふたりは死ぬつもりで、最後の戦いをしようとした。
だが、彼らは死ねなかった。
関平と張苞が突進してきて、李厳と馬忠の剣を叩き落とし、ふたりを縄で縛った。
李厳軍の主将と副将が、劉備の前に連れてこられた。
「李厳殿、荊州で会ったことがあったかな」と劉備は穏やかに話しかけた。
「あります。話したことはありませんが」
「あなたのことはよさそうな人だと思っていた。どうだ、おれに仕えてみないか?」
劉備が居酒屋にでも誘うような調子で言った。
李厳はなぜか感動して、涙を流した。その言葉を待っていたような気がした。
「はい……」と答えた。
「そちらの若い人、きみもおれの部下にならんか?」
「いいんですか?」
馬忠は明るく、あっけらかんと言った。
劉備は、面白そうな若者だ、と思った。
「もちろんだ」
「お仕えします!」
「関平、縄をほどいてやれ」
李厳は関平の顔を見た。彼の軍にとどめを刺した剛の者だった。
20
あなたにおすすめの小説
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
電子の帝国
Flight_kj
歴史・時代
少しだけ電子技術が早く技術が進歩した帝国はどのように戦うか
明治期の工業化が少し早く進展したおかげで、日本の電子技術や精密機械工業は順調に進歩した。世界規模の戦争に巻き込まれた日本は、そんな技術をもとにしてどんな戦いを繰り広げるのか? わずかに早くレーダーやコンピューターなどの電子機器が登場することにより、戦場の様相は大きく変わってゆく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
小日本帝国
ypaaaaaaa
歴史・時代
日露戦争で判定勝ちを得た日本は韓国などを併合することなく独立させ経済的な植民地とした。これは直接的な併合を主張した大日本主義の対局であるから小日本主義と呼称された。
大日本帝国ならぬ小日本帝国はこうして経済を盤石としてさらなる高みを目指していく…
戦線拡大が甚だしいですが、何卒!
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる