【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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私の言葉には、魚はめちゃくちゃ驚いた顔をしている。



「会長って・・・松居会長?」



「そう、それ。ハゲの。」



私がそう言うと、魚が驚き続けながら小さく頷いている。



「噂で聞いたことある・・・。
確か・・・鮫島さん、だっけ?
キミのお父さんとお母さん、社内結婚だからね。
松居会長の娘さんと鮫島さんが結婚したって。」



「そう、それ。私の両親。」



「・・・キミが小さい頃の写真を見たことがあるよ。
会長の部屋のデスクに飾られてる。」



「おじいちゃん、そんなことしてるんだ。
それに・・・あんな大企業なのに、会長の部屋に入れるだけのポジションなんだ?
さっきの名刺に役職書いてなかったけど。」



私が鋭い歯で噛み付くと、魚はさっきまでとは様子が変わった・・・。



そこら辺の魚ではなく・・・もっと存在感のある魚に変わった・・・。



「そっか、会長の孫なだけじゃなくてあの人が育ててる娘だもんね。
良いね、本当に彼氏いないの?」



「彼氏はいないけど大大大好きな人はいる。
私はお兄ちゃんのことが好きなの、本気で。
血が繋がってないから結婚出来る。」



私はそう答えながら、スマホを手に持った。



そして、噛み付く・・・。



鋭い歯で噛み付くのではなくて、甘く噛み付く・・・。



「相談にのってよ、お兄さん。」



そう言って・・・



甘く、噛み付く・・・。
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