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「ただいま・・・。」



22時過ぎ、お兄ちゃんが帰って来たのが分かり、私は玄関まで駆け付けた。
トレーニングをしていたので、ピンク色のトレーニングウェアのままで。



「お帰りなさい、お兄ちゃん!」



少し疲れた様子のお兄ちゃんに笑い掛けながらそう言うと、お兄ちゃんは苦笑いを返してきた。



「お弁当渡した時にも少し説明したけど、あの人から何か言われた?」



「うん・・・。」



お兄ちゃんは返事をして、自分の部屋へと入っていく。
そんなお兄ちゃんの後ろをついていき、私はまた話し掛ける。



話し掛けようとした・・・。



そしたら、珍しくお兄ちゃんから先に話し掛けてきた。



「連絡先、交換したんだってね・・・。
うちの会社のアドレスとかじゃなくて、個人の・・・。」



「うん、バイトには週3日しか行かないから。」



「そっか・・・。
あの人、りーちゃんのお母さんが教育担当だったみたい・・・。」



「そうなんだ!それなら安心!」



「そうだね・・・安心だね・・・。」



お兄ちゃんが小さな声で呟き、スーツを脱いでいく。
それを・・・今日もドキドキしながら見ていると・・・



「あの人、少し前から学校で僕への当たりが厳しくて・・・。
りーちゃんの彼氏だと思ってたのかな・・・。
僕がお兄ちゃんだって分かったからか、今日は凄く笑顔だったよ・・・。」



そんなことを悲しそうな顔で言ってきた。
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