【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

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お母さんに近付くにつれ、声がどんどん聞こえてきた・・・。



お母さんを悪く言う声が、聞こえてきた・・・。



「騙されてるんじゃないの！？
こんなに年上の男に！！
・・・見た目は確かに良いけど、まだ再婚もしていないのにこんな所にまで連れてきて！！」



「若いから色々と分からないかもしれないけど、こういうことをされると子どもの教育にも良くないのよ！！」



「お母さんごっこをしたいなら勝手にすればいいけど、それに私達を巻き込まないで！！」



「お母さんになんてなれないんだから、理子ちゃんだってあんなに凶暴なんじゃないの？
おじいちゃんとおばあちゃんに任せればいいでしょ！！
おじいちゃんは立派な会社に勤めてるっていう噂なのに、そのおじいちゃんから理子ちゃんを離して！！」



「ちゃんとした生活を送らせてあげないなんて、ある種の虐待なんじゃないの！？」



オバサン・・・“ババア”達がそんなムカつく言葉を言っている。
それを・・・お母さんは何も言わずに冷めた顔で聞いているだけで・・・。



去年は全てを堂々とした姿で言い返していて・・・。
妖怪もビックリするくらいの姿で・・・。



なのに、今日は冷めた顔でババア達を見詰めているだけ・・・。



「なんか言ったらどうなの！？
私達はあなたよりも年上でちゃんとした母親なのよ！？」



そう、1番声が大きいババアが叫び・・・



理子は・・・



理子は、口を開いた。



そのババアよりも大きな口を、開いた・・・。



「お母さんのこと悪く言わないでよ、ババア！！！！」