【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

文字の大きさ
101 / 241
7

7-8

しおりを挟む
理子の叫びにババア達は驚いた顔で理子の方を向いた。



「ババアなんて口の聞き方!!
信じられない!!」



「・・・ほら、お兄ちゃんも確か粗暴な子だって噂よ?」



「ちゃんと教育出来ないんだから、お母さんごっこなんてやめなさい!!」



最後のババアがそう言って、お母さんの方を向いた。
それにお母さんは初めて口を開こうとした。



開こうとしたけど・・・



それよりも早く、理子が口を開いた。



大きく大きく、開いた。



「お母さんごっこなんかじゃない!!
お母さんは理子のお母さんなの!!
この現実世界に生きてる、理子のたった1人のお母さんなの!!!」



去年は思っていることを上手く口に出来なくて、大暴れをしたり噛み付いたりしただけだったけど。



でも、理子は去年より大人になった。



一段と、大人になった。



「理子のことならどんなに悪口を言ってもいいけど!!!
お母さんの悪口を言わないでよ!!!
お母さんの悪口だけは言わないでよ!!!」



去年は理子の悪口を言われたのがムカついたけど、今はお母さんの悪口を言われたことの方にムカついた。



めちゃくちゃ、めちゃくちゃ、ムカついた・・・!!



だって、お母さんは・・・



だって、お母さんは・・・



凄い人なの・・・。



お母さんは、凄い人なの・・・。



そう何度も思いながら、また口を開く・・・。



自分から攻撃をしてきたくせに、少し怯んでいるババア達に口を開く・・・。



「理子がお願いをしたの!!!!
理子が“お母さんになって”ってお願いしたの!!!
桃子は理子よりも大人だったから・・・!!!
桃子はもう働いてもいい年齢だったから・・・!!!
桃子はもう家を出てもいい年齢だったから・・・!!!」



そう叫びながら、号泣する。



「それまでは“お母さんごっこ”だったけど・・・!!!
でも、本当のお母さんになってもらったの!!!
理子がお願いをして、本当のお母さんになってもらったの!!!」



そう叫び・・・



ババア達を睨み付ける・・・。



怯みまくっているババア達を睨み付ける・・・。



そして、口を大きく開く・・・。



「お母さんは、会社で働きながら!!!
夜は高校に行きながら!!!
それでも理子のお母さんでいてくれてるの!!!
理子のお母さんをやってくれてるの!!!
血も繋がらない、戸籍っていうのも関係ないはずの、理子のお母さんをやってくれてるの!!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

無表情いとこの隠れた欲望

春密まつり
恋愛
大学生で21歳の梓は、6歳年上のいとこの雪哉と一緒に暮らすことになった。 小さい頃よく遊んでくれたお兄さんは社会人になりかっこよく成長していて戸惑いがち。 緊張しながらも仲良く暮らせそうだと思った矢先、転んだ拍子にキスをしてしまう。 それから雪哉の態度が変わり――。

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。 結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの? もう、みんな、うるさい! 私は私。好きに生きさせてよね。 この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。 彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。 私の人生に彩りをくれる、その人。 その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。 ⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。 ⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

処理中です...