【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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それを聞いて、理子はサッと血の気が引いてくる・・・。



「放り投げられなかった・・・!?
ハゲって言うと、放り投げたり絞めてくるんだよね!!
お兄ちゃんはそれをして貰いたくて何度もわざと言ってたけど!!」



「うん・・・放り投げられたり・・・絞められたり、した・・・。」



「どっちもされたの!?
2回も言っちゃったの!?」



「2回じゃなくて・・・100回くらい、聞いた・・・。」



そんな真理姉の弟の言葉には、開いた口から何も声が出ないくらいで・・・。



「気になったから・・・何で、ハゲてるのか・・・。
だから、100回くらい聞いた・・・。
そしたら・・・最後には笑いながら、教えてくれた・・・。
生まれつき・・・なんだって・・・。」



「生まれつき・・・?
妖怪ハゲじじいは、どうやって生まれたの・・・?」



「おじいちゃんの、お母さんから・・・でしょ?」



「妖怪ハゲじじいにもお母さんがいるの!?」



理子が驚いて叫ぶと、真理姉の弟は面白そうな顔で笑った。
こんな顔で笑う所を初めて見て、なんだか少しだけ嬉しいと思った。



「妖怪じゃ、ないよ・・・。
ただのハゲじじい・・・なんじゃない?」



真理姉の弟がそう言って笑っていて、理子も一緒になって笑ってしまった。



なんだか・・・凄く、静かなのに幸せな時間だと思った・・・。



「もっと教えて?理子のお母さんのこと。
真理姉の弟が追い求めてくれたお母さんのこと、教えて?」



理子がそう言うと、真理姉の弟は笑いながら頷いた・・・。
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