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それから数日、毎日夜は真理姉の弟が理子の部屋でお母さんの話をしてくれた。
真理姉の弟がベッドの上に座り壁に寄り掛かる。
その膝の上に理子は座り、真理姉の弟が読んでくれる“お母さんのノート”を理子も一緒に見ていく。
真理姉の弟の身体の温かさを感じながら・・・
真理姉の弟の身体に包まれながら・・・
耳元で聞こえる真理姉の弟の声を聞きながら・・・
“お母さんのノート”を見ていると・・・
出てきた・・・。
出てきた・・・。
アルバムの中、幸せな瞬間だけを切り取ったような写真の中から・・・お母さんが、出てきた・・・。
この現実の世界で生きてきたお母さんが、出てきた・・・。
「鮫島君の妹のお母さんは不思議な物が見える人で・・・。
おじいちゃんの会社の人事部で採用活動を、していた・・・。」
「不思議な物って?」
「僕にもよく分からなかったけど・・・。
おじいちゃんにもそういうのが、見えるらしい・・・。
その人がどんな物を持って生きているのか、見えるらしい・・・。」
真理姉の弟がそう言って、理子の胸の辺りに少しだけ触れた。
「ここら辺に見えるらしい・・・。
鮫島君の妹のお母さんはそれで人事部で働いていて・・・本当は、育休が終わったら仕事に復帰する予定だったけど、しなかったらしい・・・。」
「そうなんだ・・・。
何でだろう・・・。」
理子はそう聞きながら“お母さんのノート”を眺める。
そしたら、見えた・・・。
見えた・・・。
その字が見えた瞬間、真理姉の弟の声が理子の身体の中まで響いた・・・。
「ピンク色の、鮫・・・。」
.
真理姉の弟がベッドの上に座り壁に寄り掛かる。
その膝の上に理子は座り、真理姉の弟が読んでくれる“お母さんのノート”を理子も一緒に見ていく。
真理姉の弟の身体の温かさを感じながら・・・
真理姉の弟の身体に包まれながら・・・
耳元で聞こえる真理姉の弟の声を聞きながら・・・
“お母さんのノート”を見ていると・・・
出てきた・・・。
出てきた・・・。
アルバムの中、幸せな瞬間だけを切り取ったような写真の中から・・・お母さんが、出てきた・・・。
この現実の世界で生きてきたお母さんが、出てきた・・・。
「鮫島君の妹のお母さんは不思議な物が見える人で・・・。
おじいちゃんの会社の人事部で採用活動を、していた・・・。」
「不思議な物って?」
「僕にもよく分からなかったけど・・・。
おじいちゃんにもそういうのが、見えるらしい・・・。
その人がどんな物を持って生きているのか、見えるらしい・・・。」
真理姉の弟がそう言って、理子の胸の辺りに少しだけ触れた。
「ここら辺に見えるらしい・・・。
鮫島君の妹のお母さんはそれで人事部で働いていて・・・本当は、育休が終わったら仕事に復帰する予定だったけど、しなかったらしい・・・。」
「そうなんだ・・・。
何でだろう・・・。」
理子はそう聞きながら“お母さんのノート”を眺める。
そしたら、見えた・・・。
見えた・・・。
その字が見えた瞬間、真理姉の弟の声が理子の身体の中まで響いた・・・。
「ピンク色の、鮫・・・。」
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