【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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鮫島君にそう言われ、それには苦笑いで。
僕もそれには気付いていたから。



「男子校にして正解だろ!?
理子は絶対に入れないからな!!」



「りーちゃんは・・・可愛いからね・・・。」



「どこがだよ!?
俺には顔も可愛くなんて見えねーよ!!
真理姉の方が可愛いだろ!!」



鮫島君のそんな言葉には、今度は僕の方が驚く。
驚くけど・・・



「鮫島君・・・守ってあげたくなる、女の子が・・・好きだもんね・・・。」



「・・・お前さ、誰に何聞いたんだよ?」



「え・・・言っていいの・・・?」



「いや、やっぱりダメだな。
・・・まあ・・・1人でも知ってくれてる奴がいると、少しは救われるな。」



「それは・・・僕も、分かる・・・。
りーちゃんに、“お兄ちゃん”って認めて貰えた時・・・救われた・・・。」



「あいつのあれ、いつお前を“男”として見るんだろうな。」



「そんな時・・・来ないんじゃない・・・?
僕は、“お兄ちゃん”だし・・・。」



「でも、結婚するとか言ってるだろ。
高校1年生にもなってそこが分からないとか、あいつヤバいよな。」



「まだ・・・高校1年生だよ・・・。」



「いやいや!!高校1年なんてバリバリ・・・」



「バリバリ・・・?」



「・・・うるせーよ。」



鮫島君が僕を睨み付けてきたけど、僕は笑ってしまった。
この男らしくて格好良い人は、人気者で。
男子からも女子からも、人気者で。



なのに・・・



「どこにいっても、妙子と豊みたいな奴なんていねーな。
このくらいじゃねーと、つるむ気にもなれねーよ。」



そう言って、僕のことを認めてくれる。
なんでか分からないけれど、いつからか分からないけれど、鮫島君はこんなことを言ってくれるようになった。



「お前、勉強もいいけど喋る練習もしておけよ。」



僕やお姉ちゃんの将来のことを、鮫島君は本気で心配してくれている。
いつだって、心配してくれている。
本気で向き合ってくれるその姿は、僕のお父さんよりもお父さんみたいだなといつも思う。
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