【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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僕がそう言うと、的場さんは嬉しそうに笑って頷いた。



「理子ちゃんから聞いてたんだ?」



「うん、相川さんからそう言われたって・・・。
加賀製薬という会社がどんな会社なのか、どんなことをしているのか、どんな人達が働いているのか・・・。
それを多くの社員達に知って貰って、薬だけでなく会社自体も知って貰うことが妹のバイト内容だって・・・。」



「うん、そうらしいね。
他の人達には秘密だけどね!
こんなに大きな会社になると、他の部署がどんなことをしていてどんな人達がいるのか分からないから。
月に1度、全部署の人達が参加出来る交流会があるんだけど各部署5人までしか参加出来ないし。」



的場さんがそう言うと、スマホを手に持った。



「今の時代、便利な武器があるからね。
使わない訳にいかないよね。
意識を上げていきたい、社員達の。
うちの会社で・・・加賀製薬で働いていることの誇りを持って、加賀製薬の為に戦う者の1人になって貰いたい。」



「うん、大丈夫だよ・・・。
僕の妹ならそれが出来るから・・・。
それに、社内の人達だけじゃない・・・。」



僕は自然と笑いながら的場さんを見下ろす。



「製薬会社のSNSだって話題に出来るよ・・・。
僕の妹は噛み付けるから・・・。
鮫なんだ・・・。
それも、普通の鮫じゃない・・・。」



「「ピンク色の鮫。」」



僕の言葉と的場さんの言葉が重なった。
的場さんがそれを知っていることに驚くと、的場さんが鋭い顔で笑った。



「岩渕君もサメも理子ちゃんも来てくれて良かった。
行こう、戦場に。
戦えるでしょ?岩渕君も。」



「うん・・・。
戦い方を僕も知ってるから・・・。
倒れても、何度でも起き上がれる・・・。
的場さんが教えてくれたから・・・。」



「・・・それって、私がサメに負け続けてるってことだけどね!!」



それには自然と大きく笑ってしまった。
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