【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

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「絡まれてたね、大丈夫だった？」



食堂を出ると的場さんが声を掛けてきてくれた。



「小町さんから口も手も出すの禁止されてるから、守れなくてウズウズしてきちゃう！！」



「大丈夫、ありがとう・・・。
何も気にならないから・・・。」



「それなら良かった！！
理子ちゃんがいる時は理子ちゃんが大騒ぎするからね～。
理子ちゃんがいない時を狙って攻めてくるんだろうね。」



それは分かっていたので僕も頷く。
そんな僕に的場さんも頷きながら、真剣な顔で僕のことを見詰めてきた。



「気付いてるだろうけど、うちの会社の人達は凄く良い人が多い訳じゃないから。」



「こんなに大きな会社だしね・・・。
色々な人がいるよ・・・。」



「でも、変えなきゃいけない。
小町さんが社長に就任するまでには、全員が戦える者にしないといけない。」



「戦える者・・・。」



僕が呟くと、的場さんは怖いくらい真剣な顔で僕を見上げた。
小学生の頃は後ろ姿ばかり見ていたから、初めてこんな顔を見た。



「この会社の為に戦える者。」



「副社長から聞いたよ・・・。」



「小町さんの為に戦える者は私が見付けていく。
ガンガン見付けていく。
でも既にいる社員達は変えていかないといけない。
ガンガン、変えていかないといけない。」



「ガンガン・・・。」



柳川さんが言いそうなことを的場さんも言っていて、僕は少しだけ笑った。



「それなら、僕の妹だろうね・・・。」



「うん、小町さんもそのつもりでいる。」



「社内の人に向けての広報、だよね・・・。」