最強の聖女は恋を知らない

三ツ矢

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大陸放浪編

英雄の回想~決闘~

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 城に戻ると飯をたらふく食べた。

あの呪いを解除するには体力と魔力をかなり消費する。

厳重にかけ過ぎなんだよ、親父。

それから、おれは皇帝と王女の呪いを消した。

幸いというか、アンジェリカと王太子の間にはまだ子供はいないらしい。

腹の中の赤ん坊の呪いを解けって言われも無理だからな。

全て解いた後、おれは再び食堂で飯を食べていた。そこにライアンがやって来た。



「ルーク殿、お願いがあります。俺を旅に同行させてください」

「ヤダね」



おれはあっさりとその頼みを却下した。



「この通りです。どうかお願い申し上げます」

「ダメだ」



頭下げても、ダメだったことなんて王子様にはなかったのだろう。

王子は衆目の中、手袋を投げ捨てた。



「では決闘で決着をつけましょう」



おれは内心ため息をついた。

なんだって王子様の我が儘におれが付き合ってやらなきゃいけないんだ?

でも、おれはこいつが最初から気に入らなかった。

王族というもの自体が好きじゃないし。

何もかもに恵まれているこいつのマヤに対する態度が気に食わない。

おれは手袋を拾った。



「承った。時刻は翌朝。介添え人と得物はそっちで用意してくれ」



おれはそれだけ告げると食堂を出た。



 夜が明けると、おれはマヤの部屋を訪ねた。

そこで軽いジョークを言ったら枕が飛んできた。

暴言の次は暴力に訴えるようなってきたか。

マヤは荷造りをしながら尋ねた。



「もしも、ライアン様が勝ったら本当に連れて行くんですか?」

「……あんたはどっちに勝ってほしい?」



おれは何気なく、だが緊張しながら問いかけた。



「私の心は決まっています」



マヤはおれの目を真っすぐ見て答えた。



「必ず、勝って下さい。ルークさん」



ふっとおれの口元に笑いがこぼれる。潔い覚悟だ。



「わかったよ、お嬢ちゃん」
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