ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと

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第3話

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 ダンジョンに潜る予定をしていた当日になる。朝起き、カーテンを捲《ま》く。その窓の外には日が上りだし、明るくなっていく光景が映される。

(……時間は?)

枕元のスマホに電源を入れ、確認する。時間は5時半だ。集合時間の10時にはまだまだ余裕がある時間帯だ。

 再びカーテンを閉め、二度寝をしようとした。だが、眠れない。寝不足というわけではない。気持ちの良い起床だ。眠れないのであれば、これ以上ゴロゴロするのも無駄だろう。

 締めたカーテンを開け、服を脱ぎ椅子にかぶせる。軽く運動ができるようなジャージに着替えるのだった。

 タンタンと親が階段を降りる音が聞こえる。着替えが終わり時計を引き寄せ、見てみるとその時計は六時を示している。降りるか。そう判断し、着替えた服を洗濯機に入れるために下へ降りる。

「おはよー」
 軽く親に挨拶をする。
「おはよう」

 と返してくれた。そして、洗濯機にパジャマを入れ、朝食を食べる。財布が入った荷物を持ちつつ、集合場所に着く。駅に集まり、俺を含む5人が集まる。そして、駅に来ていた電車に乗った。

 平日の十時ということもあり、乗っているのは同じくダンジョンに行く人か、仕事に行く人のどちらかだ。そんな少し静けさを感じる電車の中で雑談をするのだった。「どんな職業に就きたい?」だとか、「昼ごはんどうする?」といった普通の会話だ。

 電車で移動し、ダンジョンがある最寄駅に到着した。もう、すでに人がダンジョンに入っているのか、入り口付近では、ほとんど人がいないような空間になっている。

 流されるようにダンジョン内に入れられた。職業を見るためだと伝えたからだろう。連れて行かれ、ダンジョンの中に入る。そこは、アスファルトが敷き詰められた世界ではなく、しっかりと地面があり草木が生えている世界だ。並列世界やパラレルワールド、異空間に来たような感覚だ。

 顔を見合わせる。お前がいけよ、といったことを目で言っているようだ。誰かが小さく、せーの!と言う。
「ステータス」

 全員がステータスを開いた。ダンジョンに侵入したことで解放されるステータスの機能。この機能により自分の職業がわかる。
(なんだこれ?)

 目の前に青みがかった透明の板が出てくる。これがステータスだ。全員のステータスが出現したことを確認すると、ダンジョンの外に連れて行かれる。まあ、邪魔にならないようにという配慮からだ。仕方がない。

(なんだこれ?)
ただ茫然とそのステータスを眺めることしかできなかった。


 ダンジョンの外に出され、早速職業について聞くか。
「職業どうだった?」
「まあまあかな」

 皆そんな感じだった。そして、職業発表会が始まる。友人四人の職業は順番に剣士、盾使い、シーフ、風魔法使いだった。

 今のところ、完璧にバランスの取れたパーティーだ。そのため、最後に言う俺に期待が集まっている。ここで欲しいのはヒーラーやバッファー、サブアタッカーと何が来ても受け入れられると言う状況だ。

「… GM」

 ボソッと職業を告げることしかできない。よくわからない職業に時間を使うよりかは……、となり各自武器を手に入れてくるためという名目で解散となる。

(自分が何ができるのかを調べないとな……)
 そう思いながら一人帰りの電車に乗りこむ。

 家に帰りスマホには、「今度時間がある日があれば一緒に潜ろうー!」とグループチャットにメッセージが送られているのだった。

 ベッドに転がり、この職業について調べていたが、いくら探してもGMの職業についている人の情報を見ることはできない。

(ユニーク職業は確定か……)

 どんなことができるのかわからないものと一緒にダンジョンに潜ることはないだろう。というか、足手纏いになるはずだ。そんな足手纏いになるようなものと一緒にダンジョンには潜りたくはない。俺ならそうする。

 (なんで、よりにもよってこの職業ユニークなんだ。通常の職業でよかったのに……)

 あのパーティーメンバーであれば、生産職でなければ受け入れてもらうことはできただろう。何かしらの役割があるのだから、拒否されることはない。

 ただ、生産職とよくわからない職業、お前たちはダメだ。椅子に腰掛け、見ていたスマホをベッドの上に投げ捨て、飛び込み枕に顔を埋める。すると自然に涙が溢れ出てきた。悔し涙だ。あの4人とは高校も同じだ。

 (どんな反応をしているのだろう……)
 
 長く付き合いがあることから大体の予想を立てることができる。裏では、この四人でダンジョンに行くか、のようなことを話しているのだろう。

 (これがもし戦闘職ならば、こんなことも起きなかったのに……)

 いつの間にか眠っていた。外を見ると暗くなり、親がご飯だよー、と大声で呼んでいる。カーテンを閉め、晩御飯を食べるために1階に戻り、ご飯を胃に流し込む。寝起きということもあり、あまり食欲が湧かず少し残してしまった。その後皿を運び、部屋に戻った。

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