3 / 40
お腹が空いた令嬢
しおりを挟む
「俺は天音 旬だ。それでリーシャ、どうして騎士に追われてたんだ?」
「それは───」
ぐぅぅぅぅぅ~。
リーシャのお腹からそんな音が響いてきた。
「お腹すいてるのか?」
俺がそう言うと一瞬にして顔を真っ赤にさせるリーシャ。
「は、はい…………3日ほど何も食べてなくて……………」
3日も……………良く動けていたものだ。
「わかった。とりあえずご飯作るからそこに座ってて」
「本当にすみません………………」
リーシャは深く頭を下げた。
「あっ、それとまずはお互い靴を脱ごうか。この世界の家は土足禁止だから」
床が泥だらけになってるんだよなぁ。掃除も追加かぁ~。
俺はキッチンに向かい冷蔵庫を開ける。
何作るかなぁ……………。
卵、ケチャップ、後、野菜も残ってるか。
ご飯は昨日炊いたのが残ってるから………………オムライスにするか。
料理を決めた俺は棚に材料を乗せていく。
時折視界に映るリーシャは知らないものばかりがあるこの部屋がよっぽど不思議なのか、キョロキョロと周りを見渡していた。
友達もたまに来るのでエロ本などのやましい物は置いてないが、女子に部屋を見られるのは少し恥ずかしい部分がある。
俺はとりあえず料理に集中する事にした。
リーシャを見ていたら進まなさそうだったからだ。
玉ねぎやベーコンなどの具材を切った後、フライパンに油をひき、火をつける。
具材を入れ、炒める。
ご飯を加え、炒めた後、ケチャップを入れ、チキンライスを完成させた。
その後卵を焼き、チキンライスの上に乗せ完成だ。
動画でよく見るふわふわ卵に挑戦したのだが、少し不恰好になってしまったのは許して欲しい。
「はい、出来たよ」
飲み物とオムライスをリーシャの前に置いた。
「これは何という料理でしょうか?」
「オムライスっていう料理だ」
「オムライス…………?」
「口に合うかは分からないが、食べてみてくれ」
わかりました、と言いリーシャはスプーンに一口サイズのオムライスを乗せ、口に運んだ。
「美味しい……………」
目を輝かせてそう言うリーシャ。どうやら口に合ったらしい。
相当お腹がすいていたのだろう、リーシャは皿に乗ったオムライスをガツガツと食べ、ものの数分で平らげた。
「美味しかったです……………」
幸せそうな顔をし、そう言うリーシャ。
とりあえずリーシャには風呂に入ってもらいたいな。汚れてるままにしておくのはなんというか罪悪感が湧いてしまう。
服は俺ので我慢して貰って───。
待てよ…………下着はどうする?女の下着なんて持ってないぞ。
「どうかしましたか?アマネさん」
下着をどうすべきかで頭を抱えていた俺にリーシャはそう問いかけてきた。
恥ずかしいが腹を括るか……………。
「少し留守番をしていてくれ、買い物をしてくる」
「はい…………?」
※
俺はリーシャの下着を買いに来ていた。ついでに服も買っておくことにした。女物の下着だけをレジに持っていく自信がなかったからだ。
今までの人生思い出しては悶絶したくなるような黒歴史の一つや二つあるが、この買い物はそれをも凌駕してしまいそうだ。
汚れたままのリーシャを連れてくる事はさすがに出来なかったので仕方ない。
恋愛経験は皆無。
女子が着る服の好みなんて分からない。
とりあえず部屋着で使えるような着やすい服にするか───。
待てよ、シェリアさんに聞けば良いじゃん!
『えっ!?』
脳内にシェリアさんの驚いた声が響いてきた。
どうやら現実世界でもシェリアさんとは話せるらしい。
シェリアさん、どういうものを買うのがいいと思いますか?
『あぁ…………えっと…………そうですね。アマネ様の言った通り、着やすい服でいいんじゃないでしょうか?例えば……………パーカとか?』
なるほど、それいいですね。じゃあ下着はどういったものがいいと思いますか?
『し、下着ですか!?それは………………分かりません』
えっ、分からないんですか?
『あの………えっと…………その…………』
シェリアさんはしばらくその調子で返答が返ってこなかった。
分からないんならそれでいいんですけど………………。
『ええ、そうですよ!分かりませんよ!私は確かに女ですけど、女神ですから服を買うなんてことした事ありません!だから私にそのような事を聞かれても困ります!』
唐突に怒りのこもった口調でそう言うシェリア。
ごめんなさい…………自分で選びます。
着やすい服にするか、気に入らなかったらまた買いにこればいい。事情によっては向こうの世界に返せない可能性だってあるわけだからな。
今月は金欠確定だ………………。
それにしてもまさかリーシャが<帰還>に巻き込まれるとは。
『その事なのですが、私も驚いています』
さっきまで怒り心頭だったシェリアさんが普通の口調で話しかけてきた。驚きの切り替えスピードである。
『<帰還>の発動範囲は術者を中心として円上に全身が収まるサイズしかありません。おそらくアマネ様がリーシャさんを抱きしめたことによって体にすっぽりとまってしまい、あなた様の一部として現実世界に送られたのでしょう』
俺の一部としてか………………嫌な予感がするな。
『確かにこれは一度も起きたことがありません。何かしらのバグが生じる可能性はあります』
だよな……………それに王国から指名手配にされてる時点で何かしらの事情があることは間違いない。
リーシャを信用しても大丈夫なのだろうか?あまり悪い人には見えないが。
俺のいない間にあの部屋を飛び出す可能性も十分にあるし、一人で来たのは間違いだったか──いや、どんな世界かも分からない状態で逃げる選択はしないか。
どうするかは帰ってから考えよ。
下着はスポーツタイプのにするか、伸縮性があるし、ある程度ならカバーできるだろ。
そうして服と下着を揃え、レジへと向かった。
店員に一瞬えっ?という表情をされたのが俺の心を深く抉った。
買い物を済ませた俺は足早に家へと帰った。
「あっ、おかえりなさいアマネさん」
「ただいま……………」
リビングで姿勢を正したまま座っているリーシャ。
「何を買ってきたのですか?」
「リーシャの服だ」
「私の……………すみません、そんな事をさせてしまって………………」
申し訳なさそうに頭を下げるリーシャ。
「謝らなくていいよ。俺が勝手にやった事だから」
「アマネさんは優しいんですね……………」
悲しげな表情を浮かべるリーシャ。
「とりあえず汚れを落とすために風呂に入って来てよ」
「この家にはお風呂が付いてるのですか?」
何故か首を傾げるリーシャ。
「えっ?うん、あるよ」
「……………アマネさんはお偉い方なのでしょうか?」
「違うけど、どうして?」
「私の住む世界では貴族でもない限り家にお風呂があるなんて事はないので……………」
庶民は風呂にも入れないのか、俺なら耐えられないな。
「この世界はだいたいどの家にもついてるよ」
「そうなんですか!?」と驚いた顔をするリーシャ。
それを見て俺は笑ってしまった。
買ってきたものをリビングに置き、俺は風呂場に向かい、湯を沸かす。
数十分後、電子音が鳴った。
「これで温盛れるから、ゆっくり入ってきていいよ」
「本当にありがとうございます」
リーシャは少し嬉しそうな表情を浮かべ頭を下げた。
俺はリーシャにシャワーの使い方や髪を洗うためのシャンプーやリンスなど、風呂の事を全て教えた。
リーシャはずっと口を開いたまま驚いていた。
「なんというか、凄いですね!これが魔法でないというのも驚きです!」
「ハハッ、俺からしたら魔法の方が驚きだよ」
お風呂の使い方を説明し終え、俺は部屋から出た。
少ししてシャワーの出す音と「わっ!?」という声が響いた。
おそらく突然水が出て驚いたのだろう。
待つ事約30分、リーシャがリビングに現れた。
俺が買ってきた服を着てくれていた。こう見るとただの超絶美少女だ。
「どう?さっぱりした?」
「はい、さっぱりです!」
「じゃあ、話を聞かせてくれるかな?」
「は、はい」
緊張が解けたのか、リーシャは素直に返事をした。
「それは───」
ぐぅぅぅぅぅ~。
リーシャのお腹からそんな音が響いてきた。
「お腹すいてるのか?」
俺がそう言うと一瞬にして顔を真っ赤にさせるリーシャ。
「は、はい…………3日ほど何も食べてなくて……………」
3日も……………良く動けていたものだ。
「わかった。とりあえずご飯作るからそこに座ってて」
「本当にすみません………………」
リーシャは深く頭を下げた。
「あっ、それとまずはお互い靴を脱ごうか。この世界の家は土足禁止だから」
床が泥だらけになってるんだよなぁ。掃除も追加かぁ~。
俺はキッチンに向かい冷蔵庫を開ける。
何作るかなぁ……………。
卵、ケチャップ、後、野菜も残ってるか。
ご飯は昨日炊いたのが残ってるから………………オムライスにするか。
料理を決めた俺は棚に材料を乗せていく。
時折視界に映るリーシャは知らないものばかりがあるこの部屋がよっぽど不思議なのか、キョロキョロと周りを見渡していた。
友達もたまに来るのでエロ本などのやましい物は置いてないが、女子に部屋を見られるのは少し恥ずかしい部分がある。
俺はとりあえず料理に集中する事にした。
リーシャを見ていたら進まなさそうだったからだ。
玉ねぎやベーコンなどの具材を切った後、フライパンに油をひき、火をつける。
具材を入れ、炒める。
ご飯を加え、炒めた後、ケチャップを入れ、チキンライスを完成させた。
その後卵を焼き、チキンライスの上に乗せ完成だ。
動画でよく見るふわふわ卵に挑戦したのだが、少し不恰好になってしまったのは許して欲しい。
「はい、出来たよ」
飲み物とオムライスをリーシャの前に置いた。
「これは何という料理でしょうか?」
「オムライスっていう料理だ」
「オムライス…………?」
「口に合うかは分からないが、食べてみてくれ」
わかりました、と言いリーシャはスプーンに一口サイズのオムライスを乗せ、口に運んだ。
「美味しい……………」
目を輝かせてそう言うリーシャ。どうやら口に合ったらしい。
相当お腹がすいていたのだろう、リーシャは皿に乗ったオムライスをガツガツと食べ、ものの数分で平らげた。
「美味しかったです……………」
幸せそうな顔をし、そう言うリーシャ。
とりあえずリーシャには風呂に入ってもらいたいな。汚れてるままにしておくのはなんというか罪悪感が湧いてしまう。
服は俺ので我慢して貰って───。
待てよ…………下着はどうする?女の下着なんて持ってないぞ。
「どうかしましたか?アマネさん」
下着をどうすべきかで頭を抱えていた俺にリーシャはそう問いかけてきた。
恥ずかしいが腹を括るか……………。
「少し留守番をしていてくれ、買い物をしてくる」
「はい…………?」
※
俺はリーシャの下着を買いに来ていた。ついでに服も買っておくことにした。女物の下着だけをレジに持っていく自信がなかったからだ。
今までの人生思い出しては悶絶したくなるような黒歴史の一つや二つあるが、この買い物はそれをも凌駕してしまいそうだ。
汚れたままのリーシャを連れてくる事はさすがに出来なかったので仕方ない。
恋愛経験は皆無。
女子が着る服の好みなんて分からない。
とりあえず部屋着で使えるような着やすい服にするか───。
待てよ、シェリアさんに聞けば良いじゃん!
『えっ!?』
脳内にシェリアさんの驚いた声が響いてきた。
どうやら現実世界でもシェリアさんとは話せるらしい。
シェリアさん、どういうものを買うのがいいと思いますか?
『あぁ…………えっと…………そうですね。アマネ様の言った通り、着やすい服でいいんじゃないでしょうか?例えば……………パーカとか?』
なるほど、それいいですね。じゃあ下着はどういったものがいいと思いますか?
『し、下着ですか!?それは………………分かりません』
えっ、分からないんですか?
『あの………えっと…………その…………』
シェリアさんはしばらくその調子で返答が返ってこなかった。
分からないんならそれでいいんですけど………………。
『ええ、そうですよ!分かりませんよ!私は確かに女ですけど、女神ですから服を買うなんてことした事ありません!だから私にそのような事を聞かれても困ります!』
唐突に怒りのこもった口調でそう言うシェリア。
ごめんなさい…………自分で選びます。
着やすい服にするか、気に入らなかったらまた買いにこればいい。事情によっては向こうの世界に返せない可能性だってあるわけだからな。
今月は金欠確定だ………………。
それにしてもまさかリーシャが<帰還>に巻き込まれるとは。
『その事なのですが、私も驚いています』
さっきまで怒り心頭だったシェリアさんが普通の口調で話しかけてきた。驚きの切り替えスピードである。
『<帰還>の発動範囲は術者を中心として円上に全身が収まるサイズしかありません。おそらくアマネ様がリーシャさんを抱きしめたことによって体にすっぽりとまってしまい、あなた様の一部として現実世界に送られたのでしょう』
俺の一部としてか………………嫌な予感がするな。
『確かにこれは一度も起きたことがありません。何かしらのバグが生じる可能性はあります』
だよな……………それに王国から指名手配にされてる時点で何かしらの事情があることは間違いない。
リーシャを信用しても大丈夫なのだろうか?あまり悪い人には見えないが。
俺のいない間にあの部屋を飛び出す可能性も十分にあるし、一人で来たのは間違いだったか──いや、どんな世界かも分からない状態で逃げる選択はしないか。
どうするかは帰ってから考えよ。
下着はスポーツタイプのにするか、伸縮性があるし、ある程度ならカバーできるだろ。
そうして服と下着を揃え、レジへと向かった。
店員に一瞬えっ?という表情をされたのが俺の心を深く抉った。
買い物を済ませた俺は足早に家へと帰った。
「あっ、おかえりなさいアマネさん」
「ただいま……………」
リビングで姿勢を正したまま座っているリーシャ。
「何を買ってきたのですか?」
「リーシャの服だ」
「私の……………すみません、そんな事をさせてしまって………………」
申し訳なさそうに頭を下げるリーシャ。
「謝らなくていいよ。俺が勝手にやった事だから」
「アマネさんは優しいんですね……………」
悲しげな表情を浮かべるリーシャ。
「とりあえず汚れを落とすために風呂に入って来てよ」
「この家にはお風呂が付いてるのですか?」
何故か首を傾げるリーシャ。
「えっ?うん、あるよ」
「……………アマネさんはお偉い方なのでしょうか?」
「違うけど、どうして?」
「私の住む世界では貴族でもない限り家にお風呂があるなんて事はないので……………」
庶民は風呂にも入れないのか、俺なら耐えられないな。
「この世界はだいたいどの家にもついてるよ」
「そうなんですか!?」と驚いた顔をするリーシャ。
それを見て俺は笑ってしまった。
買ってきたものをリビングに置き、俺は風呂場に向かい、湯を沸かす。
数十分後、電子音が鳴った。
「これで温盛れるから、ゆっくり入ってきていいよ」
「本当にありがとうございます」
リーシャは少し嬉しそうな表情を浮かべ頭を下げた。
俺はリーシャにシャワーの使い方や髪を洗うためのシャンプーやリンスなど、風呂の事を全て教えた。
リーシャはずっと口を開いたまま驚いていた。
「なんというか、凄いですね!これが魔法でないというのも驚きです!」
「ハハッ、俺からしたら魔法の方が驚きだよ」
お風呂の使い方を説明し終え、俺は部屋から出た。
少ししてシャワーの出す音と「わっ!?」という声が響いた。
おそらく突然水が出て驚いたのだろう。
待つ事約30分、リーシャがリビングに現れた。
俺が買ってきた服を着てくれていた。こう見るとただの超絶美少女だ。
「どう?さっぱりした?」
「はい、さっぱりです!」
「じゃあ、話を聞かせてくれるかな?」
「は、はい」
緊張が解けたのか、リーシャは素直に返事をした。
620
あなたにおすすめの小説
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる