40 / 40
異世界から君を持ち帰る
しおりを挟む
「そんなものか? アマネ」
王子は勝ちを確信したような笑みを浮かべそう言った。
「まだまだこれからですよ」
俺は刀を構え直す。
王子はもう一度魔剣に炎を纏わせ、俺の方に剣先を向けた。
その瞬間───
先端から俺の方に向かって火柱が放たれた。
俺は横に飛び、それを避ける。
地面を蹴り、王子向かって斬りかかった。
王子は当然のようにその斬撃を防ぐ。
俺は剣がぶつかり合った瞬間。
姿勢を低くし、刀をしまった。
「っ!!」
王子は突然の事で剣と共に体が前に傾いた。
俺は拳に漆黒の炎を拳に巻き付け、王子の腹を殴った。
「グハッ……………」
王子は苦しそうな表情を浮かべた。
俺は畳み掛けるように、もう一方の拳を振るいあげた。
「炎烈神閃《エンレツカセン》…………」
王子はそう言って剣を地面に向かって振り下ろした。
巻きついていた炎が膨張を始める。
俺は咄嗟に後ろに飛んだ。
炎が王子を包み込み、小さな爆発が起きた。
炎が沈んだ先には余裕がなくなったのか、真剣な顔付きになっている王子が見えた。
「ハンドガン」
俺は容赦なく、遠距離から攻撃をする。
王子は弾を弾くことに気を取られ、攻撃に転じることが出来ないようだ。
「君もなかなか汚い手を使うな」
「あなたにも言えることです」
「こんな方法で勝って、恥ずかしいとは思わんのか?」
「リーシャを連れて帰るためなら格好なんて気にしませんよ」
俺は引き金を引く速度を上げる。
王子は魔剣に炎をため、放ってくる。
もう剣での殴り合いなどには収まっていない。
戦いを見に来ていた者達は危険を感じたのか、去っていった。
ハンドガンでは王子に傷を付けられないと判断した俺は少しずつ、刀の間合いまで近づいていった。
間合いに入った瞬間───俺は刀に持ちかえ、切り上げた。
王子はギリギリのところで俺の刀を自身の魔剣で受け流した。
俺は止めることなく、刀を振るい続ける。
「炎烈神閃《エンレツカセン》」
王子が魔剣から炎を放つ。
「それはもう慣れた!」
俺の刀からも漆黒の炎を放ち、相殺した。
「くっ───」
王子に焦りの表情が見え始めた。
俺は全体重を乗せ、刀を押し込む。
王子は俺の刀に押され、体制を崩しそうになっていた。
「リーシャは私のものだ! そなたに渡す訳にはいかない!」
そう言って王子は今までに無いほどの力で、俺の刀を跳ね返してきた。
これが愛の力なのかと俺は思った。
だが、俺は一瞬の隙も生ませなかった。
いや、生まれるはずがなかった。偽物の愛の力などに負けるほど、俺の愛は弱くない。
またしても刀と魔剣のぶつかり合いが始まる。
「偽物の愛のくせして良くそこまで言えるな」
俺は怒りを込めて刀を振るう。
「偽物だと? この感情は本物だ! でなければ、こんな決闘に付き合ってなどいない!」
「ああ、そうかもな。あなたからしたら本物なのかもしれない。だが、俺からしたら偽物以外の何物でもないんだよ!」
俺は刀を切り上げ、渾身の力で魔剣を弾いた。
「なに!?」
王子はその勢いに負け、刀の軌道に流されるように剣を上に上げた。
「マルクス王子。こっちが本物だ」
俺は剥き出しになった胸に向かって、刀を振るった。
その斬撃は今までになく完璧だった。
だからこそ、誰にも止められるはずがなかった。
人の肉を裂く感覚が俺の手に鮮明に伝わってきた。
死なない程度の深さであるのは分かっているが、ここまでしっかりと人に刃を振るったのは初めての事だったので、少しの罪悪感が残った。
王子が魔剣を落とし、その場に倒れ込む。
腹を抑え、悔しそうな表情を浮かべていた。
「…………私の負けか………だが、おかしいな。自分でも、不思議なくらい、負けを認められずにいる…………。これが、愛というものなのか?」
「ああ、偽物のな」
「ハハハ、そなたは、容赦がないな………」
「勝者───アマネ・シュン!」
俺の勝利で決闘は終わった。
「はぁ~~良かった…………」
俺は安心し、胸を撫で下ろした。
周りの兵士が倒れた王子を担架に乗せる。
「アマネよ。リーシャを泣かすでないぞ」
「お言葉ですが、マルクス王子よりは泣かせない自身があります」
俺がそう言うと、少しの間が空き、王子が笑った。おそらく今までの自分の行いを思い出してのことだろう。
「………それもそうだな」
王子は城内へと運ばれて行った。
※
俺はリーシャの休んでいる部屋に向かった。
部屋の中にはベットに座るリーシャの姿しか無く、体調はさっきより良くなっているように思えた。
おそらく一人になったことで秩序の影響が無くなり、回復したのだろう。
部屋に入ってきた俺を見て、リーシャは嬉しそうな笑みを浮かべた。
「アマネさん、勝ったんですね!」
「ああ、勝ったぞ。リーシャ」
するとリーシャは俺の胸に飛び込んできた。
「急にどうしたんだ?」
「一人で不安だったので、アマネさんが来てくれて嬉しいんです」
リーシャは今までに無いほど、ぎゅっと俺に抱きついてきた。
「ちょっと汗臭いですね」
「………まあ色んな意味で熱い戦いだったからな」
「そうですか。でも悪い気はしませんよ」
リーシャはさらに強く俺を抱きしめる。少し苦しいと思ってしまうくらいだ。
でも悪い気はしなかった。
彼女が俺を好きでいることが肌で感じれるから、愛の強さが身に染みてくるから。
だから、俺も同じくらい───いや、それ以上のお返しをする必要があると思った。
だって俺も、リーシャのことが大好きなのだから。
「リーシャ、愛してる」
俺はそう言ってリーシャの顔を見ると、幸せそうな笑みを浮かべていた。
俺は何だか嬉しくなり、リーシャを強く抱きしめる。
「私も───」
そこでリーシャの言葉は途切れた。
また言葉を詰まらせているんじゃないかと、俺は彼女に心配の目を向けた。
するとそこには引っかかったと言わんばかりの意地悪な笑みを浮かべたリーシャがいた。
「愛してますよ、アマネさん」
リーシャがそう言った後、俺の唇に何か柔らかいものが当たったのを感じた。
あまりに突然の出来事で現状を理解するのに少し時間がかかった。
これがキスだと気づくまでに───
視界に映るリーシャの顔が真っ赤になっているのが、見てわかった。
照れているのか、俺と目が合わない。
「リ、リーシャ………今のって、キスか?」
俺の鼓動が限界を超える速度で打っているのを感じた。
きっとリーシャにも伝わっているのだろう。
「は、はい…………」
俺の中で様々な感情が混ざり合い、今が夢だとさえ思った。
でもそんな感情は、リーシャの可愛らしく照れている顔ですぐに忘れられた。
「なあ、リーシャ」
俺がそう言うと、リーシャは不意に顔を上げた。
俺はそんなリーシャの顔を片手で優しく支え、少し長いキスをした。
「ん───」
お互いの想いが一つに合わさるような。
桜色の柔らかな唇には心地良さを感じた。
秩序にも引き裂けないほどに、俺たちの想いは強いのだとこの時、不意に理解した。
───誓うよリーシャ
俺はずっと君のそばにいると。
現実とはそう上手くいくものでは無い、辛い事も悲しい事もこれからたくさんあるだろう。
その先に待っているのは希望でもあり、絶望でもあるのだ。
だがこれからどんな困難が降り掛かってこようと───俺たちなら必ず乗り越えられる。
「じゃあ、帰るか」
「はい!」
だからこそ───異世界から君を持ち帰る。
──────────────────────
これにて完結となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました(*^^*)
王子は勝ちを確信したような笑みを浮かべそう言った。
「まだまだこれからですよ」
俺は刀を構え直す。
王子はもう一度魔剣に炎を纏わせ、俺の方に剣先を向けた。
その瞬間───
先端から俺の方に向かって火柱が放たれた。
俺は横に飛び、それを避ける。
地面を蹴り、王子向かって斬りかかった。
王子は当然のようにその斬撃を防ぐ。
俺は剣がぶつかり合った瞬間。
姿勢を低くし、刀をしまった。
「っ!!」
王子は突然の事で剣と共に体が前に傾いた。
俺は拳に漆黒の炎を拳に巻き付け、王子の腹を殴った。
「グハッ……………」
王子は苦しそうな表情を浮かべた。
俺は畳み掛けるように、もう一方の拳を振るいあげた。
「炎烈神閃《エンレツカセン》…………」
王子はそう言って剣を地面に向かって振り下ろした。
巻きついていた炎が膨張を始める。
俺は咄嗟に後ろに飛んだ。
炎が王子を包み込み、小さな爆発が起きた。
炎が沈んだ先には余裕がなくなったのか、真剣な顔付きになっている王子が見えた。
「ハンドガン」
俺は容赦なく、遠距離から攻撃をする。
王子は弾を弾くことに気を取られ、攻撃に転じることが出来ないようだ。
「君もなかなか汚い手を使うな」
「あなたにも言えることです」
「こんな方法で勝って、恥ずかしいとは思わんのか?」
「リーシャを連れて帰るためなら格好なんて気にしませんよ」
俺は引き金を引く速度を上げる。
王子は魔剣に炎をため、放ってくる。
もう剣での殴り合いなどには収まっていない。
戦いを見に来ていた者達は危険を感じたのか、去っていった。
ハンドガンでは王子に傷を付けられないと判断した俺は少しずつ、刀の間合いまで近づいていった。
間合いに入った瞬間───俺は刀に持ちかえ、切り上げた。
王子はギリギリのところで俺の刀を自身の魔剣で受け流した。
俺は止めることなく、刀を振るい続ける。
「炎烈神閃《エンレツカセン》」
王子が魔剣から炎を放つ。
「それはもう慣れた!」
俺の刀からも漆黒の炎を放ち、相殺した。
「くっ───」
王子に焦りの表情が見え始めた。
俺は全体重を乗せ、刀を押し込む。
王子は俺の刀に押され、体制を崩しそうになっていた。
「リーシャは私のものだ! そなたに渡す訳にはいかない!」
そう言って王子は今までに無いほどの力で、俺の刀を跳ね返してきた。
これが愛の力なのかと俺は思った。
だが、俺は一瞬の隙も生ませなかった。
いや、生まれるはずがなかった。偽物の愛の力などに負けるほど、俺の愛は弱くない。
またしても刀と魔剣のぶつかり合いが始まる。
「偽物の愛のくせして良くそこまで言えるな」
俺は怒りを込めて刀を振るう。
「偽物だと? この感情は本物だ! でなければ、こんな決闘に付き合ってなどいない!」
「ああ、そうかもな。あなたからしたら本物なのかもしれない。だが、俺からしたら偽物以外の何物でもないんだよ!」
俺は刀を切り上げ、渾身の力で魔剣を弾いた。
「なに!?」
王子はその勢いに負け、刀の軌道に流されるように剣を上に上げた。
「マルクス王子。こっちが本物だ」
俺は剥き出しになった胸に向かって、刀を振るった。
その斬撃は今までになく完璧だった。
だからこそ、誰にも止められるはずがなかった。
人の肉を裂く感覚が俺の手に鮮明に伝わってきた。
死なない程度の深さであるのは分かっているが、ここまでしっかりと人に刃を振るったのは初めての事だったので、少しの罪悪感が残った。
王子が魔剣を落とし、その場に倒れ込む。
腹を抑え、悔しそうな表情を浮かべていた。
「…………私の負けか………だが、おかしいな。自分でも、不思議なくらい、負けを認められずにいる…………。これが、愛というものなのか?」
「ああ、偽物のな」
「ハハハ、そなたは、容赦がないな………」
「勝者───アマネ・シュン!」
俺の勝利で決闘は終わった。
「はぁ~~良かった…………」
俺は安心し、胸を撫で下ろした。
周りの兵士が倒れた王子を担架に乗せる。
「アマネよ。リーシャを泣かすでないぞ」
「お言葉ですが、マルクス王子よりは泣かせない自身があります」
俺がそう言うと、少しの間が空き、王子が笑った。おそらく今までの自分の行いを思い出してのことだろう。
「………それもそうだな」
王子は城内へと運ばれて行った。
※
俺はリーシャの休んでいる部屋に向かった。
部屋の中にはベットに座るリーシャの姿しか無く、体調はさっきより良くなっているように思えた。
おそらく一人になったことで秩序の影響が無くなり、回復したのだろう。
部屋に入ってきた俺を見て、リーシャは嬉しそうな笑みを浮かべた。
「アマネさん、勝ったんですね!」
「ああ、勝ったぞ。リーシャ」
するとリーシャは俺の胸に飛び込んできた。
「急にどうしたんだ?」
「一人で不安だったので、アマネさんが来てくれて嬉しいんです」
リーシャは今までに無いほど、ぎゅっと俺に抱きついてきた。
「ちょっと汗臭いですね」
「………まあ色んな意味で熱い戦いだったからな」
「そうですか。でも悪い気はしませんよ」
リーシャはさらに強く俺を抱きしめる。少し苦しいと思ってしまうくらいだ。
でも悪い気はしなかった。
彼女が俺を好きでいることが肌で感じれるから、愛の強さが身に染みてくるから。
だから、俺も同じくらい───いや、それ以上のお返しをする必要があると思った。
だって俺も、リーシャのことが大好きなのだから。
「リーシャ、愛してる」
俺はそう言ってリーシャの顔を見ると、幸せそうな笑みを浮かべていた。
俺は何だか嬉しくなり、リーシャを強く抱きしめる。
「私も───」
そこでリーシャの言葉は途切れた。
また言葉を詰まらせているんじゃないかと、俺は彼女に心配の目を向けた。
するとそこには引っかかったと言わんばかりの意地悪な笑みを浮かべたリーシャがいた。
「愛してますよ、アマネさん」
リーシャがそう言った後、俺の唇に何か柔らかいものが当たったのを感じた。
あまりに突然の出来事で現状を理解するのに少し時間がかかった。
これがキスだと気づくまでに───
視界に映るリーシャの顔が真っ赤になっているのが、見てわかった。
照れているのか、俺と目が合わない。
「リ、リーシャ………今のって、キスか?」
俺の鼓動が限界を超える速度で打っているのを感じた。
きっとリーシャにも伝わっているのだろう。
「は、はい…………」
俺の中で様々な感情が混ざり合い、今が夢だとさえ思った。
でもそんな感情は、リーシャの可愛らしく照れている顔ですぐに忘れられた。
「なあ、リーシャ」
俺がそう言うと、リーシャは不意に顔を上げた。
俺はそんなリーシャの顔を片手で優しく支え、少し長いキスをした。
「ん───」
お互いの想いが一つに合わさるような。
桜色の柔らかな唇には心地良さを感じた。
秩序にも引き裂けないほどに、俺たちの想いは強いのだとこの時、不意に理解した。
───誓うよリーシャ
俺はずっと君のそばにいると。
現実とはそう上手くいくものでは無い、辛い事も悲しい事もこれからたくさんあるだろう。
その先に待っているのは希望でもあり、絶望でもあるのだ。
だがこれからどんな困難が降り掛かってこようと───俺たちなら必ず乗り越えられる。
「じゃあ、帰るか」
「はい!」
だからこそ───異世界から君を持ち帰る。
──────────────────────
これにて完結となります。
ここまで読んで頂きありがとうございました(*^^*)
160
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(9件)
あなたにおすすめの小説
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
更新お疲れさまです。
展開が読めずに面白く見させてもらっています。
そう言って貰えると嬉しいです(*^^*)
17話 決着
一見略着ではなく一件落着ですね
報告ありがとうございます。
修正しました。
『直接対決』にて、王子のセリフ
「表を上げよ」→「面を上げよ」
では?
報告ありがとうございます。
修正しました。