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第五章 神獣
院長の告白2
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「十七年前に、男が本棟に侵入しようとしました。外部棟と本棟を隔てる塀を、よじ登っている所を、散歩に出ていた院長と私たちが、見つけたのです」
私とケイトが試した辺りだろうか。裏手で目につかなそうな場所だ。侵入するなら多分誰でもそこを選ぶ。
「私に警備員を呼ぶように言い、院長はそこに残りました。警備員を連れて戻ると、院長がその場に座り込んでいました。男の姿は見たらなかった」
院長はその時のことを思い出しているのか、うつろな目をしている。
「それで?」
お父様が静かに促した。
「院長が塀の向こう側を指さして、自分が杖を投げたら、男はあちら側に落ちたと言いました。それで私が本棟側に回り、確かめました」
そこで一旦息を吐いて、なぜかため息をついた。
「男は息をしていませんでした」
ベラさんが、グッと手を握り締めるのが見えた。私も唇を噛んで、声を抑えた。
「本棟には男性は足を踏み入れてはならない。それが絶対の規則だったので、私はキンバリー達を呼び、こっそり院長の続き部屋に遺体を運びました」
少し間を置いてから、院長は続けた。
「次の朝、遺体を囲んで話し合いをしました。院長は自分が手を下したことを、とても気にかけていました。私たちは正しい行いだと言ったのですが、相当応えていたようです。その時に、遺体が温かいのに気ついたのです」
ベラさんが、ハッとした。私も色々なパターンを考えてしまった。最悪は、まだ生きていたので殺してしまった、というものだった。
「私たちは慌てて男を揺さぶり、頬を叩いて意識を取り戻させようとしたのです。ところが男は息をしておらず、心臓も止まっていました。それで気のせいかと思ったのです。それなのに一日たっても男は温かく、肌の弾力もあった。それからそのまま、院長室に隠しているのです」
ベラさんが低いかすれたような声で聞いた。
「今もなの?」
「ええ」
ベラさんは立ち上がった。
「ジョナサンのところに案内して。カスリー修道女」
応接室を飛び出し、私たちは本棟に向かった。
お父様には、連絡通路の前で待ってもらうことになった。その代り女性騎士2名に同行してもらう。
院長の部屋には二つの続き部屋があり、その一つにジョナサンが眠っていた。その姿は、いつも出てくるときと全く同じだ。
十九才当時のままで、服装も同じ。色艶もよい。そして肌は暖かいのに、心臓は動いていない。
私とベラさんは、ジョナサンを見つめて呆然とした。これをどう考えたらいいのだろう。
次に考えたのは、ジョナサンを移していいのかどうかだった。今の状態は普通ではない。本棟から出したら死ぬかもとか、干からびたミイラに変わるとか、そういった怖い想像をしてしまった。
「この人の世話はどうしていたのですか」
ベラさんがカスリー修道女に聞いた。
「何もしていません。人形のように寝ているだけなので、食べることも何もいらないようです」
ベラさんは彼の頬を両手で囲んで、名前を呼んだ。残念ながら、彼はピクリとも反応しない。
「知り合いなのですか?」
カスリー修道女が驚いて聞いたが、ベラさんの答えは、ええ、とそっけない。
カスリー修道女は鍵をテーブルの上に置き、もう秘密にする必要もないわね、と一人ごとのようにつぶやいた。
女性騎士たちは、一言も喋らずに、一部始終を見ていた。さすが皇族の女性たちに仕えるだけあって、抑制が効いている。私はその冷静さに驚いた。
この不可思議さを解っていないとしても、男子禁制の修道院に、若い男性がいるだけで、驚きなのだから。
私たちはそっとドアを閉め、鍵をかけ直し、外部棟に戻った。
「大丈夫かい」
お父様の第一声は、ベラさんにかけられた。心配していたのだろう。すごく気遣わしげだ。
私はお父様を、いい男だなと思った。そんなふうに一人の男性として見たことはなかったので、自分でも驚く。
ベラさんが黙っているので、まずは応接室に移動しようと提案した。そしてジョナサンの様子を私から説明した。
「ジョナサンは、十七年前のまま、人形のように横たわっていたわ。心臓は動いていないけど体は温かかった。普通では考えられない状態だわ。何かの呪いなのかしら」
「ここは修道院よ。呪いはないんじゃないの?」
さすが修道女なだけある。私の言葉にベラさんとカスリー修道女までが、嫌そうな顔をした。
「訂正します。何らかの魔術のようなもの、とかです」
ベラさんの目が、チラッと私のクロスを掠めた。咄嗟に私も見たが、光ったりはしていない。
「愛だって言ってたわね。ダリア嬢が」
ベラさんがそう言って何か考えている。なんだか嫌な予感しかしない。それで私は具体的な話を持ち出した。
「ジョンサンの事ですが、これからどうしましょうか。私は今の場所から動かすのは危険だと思うのですけど」
「ジョナサン自身は……」
お父様はそう言い掛けて止めた。それから女性騎士達に、カスリー修道女を別室に連れて行って、ロイを呼んで尋問の続きをさせて欲しいと頼んだ。
三人が出ていくと、ようやく皆思いのままに話せるようになった。
「驚いたわ。影のジョナサンは生きている人間の様に見えるけど、やっぱり存在感が薄いのよね。実物を見て気が付いた」
私がそう言うと、ベラさんも同意した。そして一つの提案を出してきた。
「あの体の中に、ジョナサンが入ったら元に戻らないかしら。試してみましょうよ。まだやっていないでしょ」
「ああ、やってみたほうがいいね。だけど、何をするにしても、私は参加することもできないんだよなあ」
お父様がぼやく。
「あ、じゃあ、ジョナサンの持ち物を本棟の外に出してみましょうか。例えば、タイピンとか、髪の毛のひと房なんかどうかしら。それが変化しないなら、体を外に運べるかもしれないわ」
私の提案に、それもやってみることになった。もしそれが大丈夫だったとしても、体を外に持ち出すのはリスクがあるとは思う。それでも試してみたい。
「ところで、ジョナサンが塀から落ちたのは、院長の杖のせいではないと思います。私とケイトが試したら、意識が遠くなってずり落ちました。ジョナサンはその力に抗って、登り切ったので、ああなったのかもしれません」
私が塀を登った話に、お父様はしかめ面をしたけど、お小言は言わなかった。
「この修道院には絶対に忍び込めないし、逃げることもできないという噂があった。その塀にかかっている何かのせいかもしれないな。気を失ってしまうのじゃあ、誰も塀を乗り越えられないよ」
お父様のぼやき交じりの言葉を聞き流して、ベラさんはやる気満々になっている。
「今夜、ジョナサンを連れて院長室に行きましょう。リディア嬢は愛を満タンに補充しておいてね」
言うと思った。私はケイト達との友情で愛を満タンにしておくと約束した。
私とケイトが試した辺りだろうか。裏手で目につかなそうな場所だ。侵入するなら多分誰でもそこを選ぶ。
「私に警備員を呼ぶように言い、院長はそこに残りました。警備員を連れて戻ると、院長がその場に座り込んでいました。男の姿は見たらなかった」
院長はその時のことを思い出しているのか、うつろな目をしている。
「それで?」
お父様が静かに促した。
「院長が塀の向こう側を指さして、自分が杖を投げたら、男はあちら側に落ちたと言いました。それで私が本棟側に回り、確かめました」
そこで一旦息を吐いて、なぜかため息をついた。
「男は息をしていませんでした」
ベラさんが、グッと手を握り締めるのが見えた。私も唇を噛んで、声を抑えた。
「本棟には男性は足を踏み入れてはならない。それが絶対の規則だったので、私はキンバリー達を呼び、こっそり院長の続き部屋に遺体を運びました」
少し間を置いてから、院長は続けた。
「次の朝、遺体を囲んで話し合いをしました。院長は自分が手を下したことを、とても気にかけていました。私たちは正しい行いだと言ったのですが、相当応えていたようです。その時に、遺体が温かいのに気ついたのです」
ベラさんが、ハッとした。私も色々なパターンを考えてしまった。最悪は、まだ生きていたので殺してしまった、というものだった。
「私たちは慌てて男を揺さぶり、頬を叩いて意識を取り戻させようとしたのです。ところが男は息をしておらず、心臓も止まっていました。それで気のせいかと思ったのです。それなのに一日たっても男は温かく、肌の弾力もあった。それからそのまま、院長室に隠しているのです」
ベラさんが低いかすれたような声で聞いた。
「今もなの?」
「ええ」
ベラさんは立ち上がった。
「ジョナサンのところに案内して。カスリー修道女」
応接室を飛び出し、私たちは本棟に向かった。
お父様には、連絡通路の前で待ってもらうことになった。その代り女性騎士2名に同行してもらう。
院長の部屋には二つの続き部屋があり、その一つにジョナサンが眠っていた。その姿は、いつも出てくるときと全く同じだ。
十九才当時のままで、服装も同じ。色艶もよい。そして肌は暖かいのに、心臓は動いていない。
私とベラさんは、ジョナサンを見つめて呆然とした。これをどう考えたらいいのだろう。
次に考えたのは、ジョナサンを移していいのかどうかだった。今の状態は普通ではない。本棟から出したら死ぬかもとか、干からびたミイラに変わるとか、そういった怖い想像をしてしまった。
「この人の世話はどうしていたのですか」
ベラさんがカスリー修道女に聞いた。
「何もしていません。人形のように寝ているだけなので、食べることも何もいらないようです」
ベラさんは彼の頬を両手で囲んで、名前を呼んだ。残念ながら、彼はピクリとも反応しない。
「知り合いなのですか?」
カスリー修道女が驚いて聞いたが、ベラさんの答えは、ええ、とそっけない。
カスリー修道女は鍵をテーブルの上に置き、もう秘密にする必要もないわね、と一人ごとのようにつぶやいた。
女性騎士たちは、一言も喋らずに、一部始終を見ていた。さすが皇族の女性たちに仕えるだけあって、抑制が効いている。私はその冷静さに驚いた。
この不可思議さを解っていないとしても、男子禁制の修道院に、若い男性がいるだけで、驚きなのだから。
私たちはそっとドアを閉め、鍵をかけ直し、外部棟に戻った。
「大丈夫かい」
お父様の第一声は、ベラさんにかけられた。心配していたのだろう。すごく気遣わしげだ。
私はお父様を、いい男だなと思った。そんなふうに一人の男性として見たことはなかったので、自分でも驚く。
ベラさんが黙っているので、まずは応接室に移動しようと提案した。そしてジョナサンの様子を私から説明した。
「ジョナサンは、十七年前のまま、人形のように横たわっていたわ。心臓は動いていないけど体は温かかった。普通では考えられない状態だわ。何かの呪いなのかしら」
「ここは修道院よ。呪いはないんじゃないの?」
さすが修道女なだけある。私の言葉にベラさんとカスリー修道女までが、嫌そうな顔をした。
「訂正します。何らかの魔術のようなもの、とかです」
ベラさんの目が、チラッと私のクロスを掠めた。咄嗟に私も見たが、光ったりはしていない。
「愛だって言ってたわね。ダリア嬢が」
ベラさんがそう言って何か考えている。なんだか嫌な予感しかしない。それで私は具体的な話を持ち出した。
「ジョンサンの事ですが、これからどうしましょうか。私は今の場所から動かすのは危険だと思うのですけど」
「ジョナサン自身は……」
お父様はそう言い掛けて止めた。それから女性騎士達に、カスリー修道女を別室に連れて行って、ロイを呼んで尋問の続きをさせて欲しいと頼んだ。
三人が出ていくと、ようやく皆思いのままに話せるようになった。
「驚いたわ。影のジョナサンは生きている人間の様に見えるけど、やっぱり存在感が薄いのよね。実物を見て気が付いた」
私がそう言うと、ベラさんも同意した。そして一つの提案を出してきた。
「あの体の中に、ジョナサンが入ったら元に戻らないかしら。試してみましょうよ。まだやっていないでしょ」
「ああ、やってみたほうがいいね。だけど、何をするにしても、私は参加することもできないんだよなあ」
お父様がぼやく。
「あ、じゃあ、ジョナサンの持ち物を本棟の外に出してみましょうか。例えば、タイピンとか、髪の毛のひと房なんかどうかしら。それが変化しないなら、体を外に運べるかもしれないわ」
私の提案に、それもやってみることになった。もしそれが大丈夫だったとしても、体を外に持ち出すのはリスクがあるとは思う。それでも試してみたい。
「ところで、ジョナサンが塀から落ちたのは、院長の杖のせいではないと思います。私とケイトが試したら、意識が遠くなってずり落ちました。ジョナサンはその力に抗って、登り切ったので、ああなったのかもしれません」
私が塀を登った話に、お父様はしかめ面をしたけど、お小言は言わなかった。
「この修道院には絶対に忍び込めないし、逃げることもできないという噂があった。その塀にかかっている何かのせいかもしれないな。気を失ってしまうのじゃあ、誰も塀を乗り越えられないよ」
お父様のぼやき交じりの言葉を聞き流して、ベラさんはやる気満々になっている。
「今夜、ジョナサンを連れて院長室に行きましょう。リディア嬢は愛を満タンに補充しておいてね」
言うと思った。私はケイト達との友情で愛を満タンにしておくと約束した。
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