欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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060サリナ・マクニス

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拓のお披露目の為のパーティ当日
拓は用意された服に着替え、国王に連れられ会場に入った。
国王が挨拶を行った後、拓を前に出させる。

「皆の者、早速 余が免責札を与えた者を紹介しよう。拓だ。彼に何かあれば協力を頼む。」

拓が頭を下げると、会場の貴族から拍手が起こった。
拓の事は、魔獣討伐の際、王の命を守った優秀な魔導士として紹介されている。
この辺は、バラン将軍やオリバー隊長が拓との訓練で問題ないと保証の上での発言。
免責札を与えるため他にも情報操作を行い、事実は拓が初めて王都面会した時に居た貴族しか知らない事だった。

国王からの紹介が終わると、貴族達が順番に挨拶をしてくる。
貴族の方から名乗り、それに対し拓が受けるという形だ。
簡単な会話も有るが、拓の事を詮索するようなことはせず、ほぼ自己紹介という感じだ。
オリバー隊長が拓の後ろに控えてくれていたが、特に問題も無く進んでいく・・・が、拓は全く名前を憶えられていない。
次に会った時、下手をすると顔を合わせた事すら分からないかも知れない。

参加した貴族達から挨拶を受けやっと解放されると、やっと周囲の状況を眺める余裕が出来た。
同じ世界から来た落ち人3人もパーティに参加していて、彼等も貴族達から話しかけられていた。
3人は拓が挨拶から解放されたと知ると、周囲の貴族に断りを入れ拓に挨拶に来てくれた。

「拓さん、挨拶お疲れさまです。慣れないと大変でしょ。」
「普段のパーティだと若い人も参加して、もっと気楽なんですよ。」
「今日は拓さんの顔見せなんでオジサンばっかりだけど、普段ならモテて大変だから。」

笑いながら話してくれる。
確かに、集まっている貴族はそれなりの年齢で威厳のある人ばかりだった。
拓は魔力による精神力強化が無ければ、こんなお偉いさんたちの集まりの雰囲気だけで疲れていただろう。

「ところで、3人は貴族の人達を全員覚えているのか?挨拶されたけど、次に会った時ちょっと自信が無いんだけど。」

保有魔力による精神力強化による集中力のお陰で記憶力も増したが、これだけの人数になると無理だろう。

「全員なんて覚えていませんよ。覚えているのは一部の人達だけです。」
「大丈夫ですよ。拓さんの方が立場は上だから、相手の方から名乗ってくれます。」
「ただ、近寄ってくる女性には気を付けた方が良いですよ。
 浩司なんて、あんな分かりやすい手に引っ掛かって。マジ笑えないから。」

3人もチヤホヤされて喜んでいたが、落ち人としての力を取り込む為に年の近い子供を仕向けて結婚を狙ってくるらしい。
種馬として子供を作れば、落ち人の魔力を継承できるのではないかと考えている者も多い。
モテる状態を楽しむなら良いが、裏はドロドロしているので手を出すのは注意した方が良いらしい。

浩司は一度手を出そうとして、ギリギリの所で周囲の者に止められていた。
手を出していたら泥沼化していたとの事。
落ち人ということを隠していても、免責札の権力を考えれば同じ様な状態になるのは確実らしい。
今回のお披露目は、それを警戒してのメンバー選出なのだろう。

「そんな状況に身を置き続けるなんて凄いな。」

拓が感心すると、そのチヤホヤされている状態が楽しいとの事。
女の子は良いけど、男の子はそうはいかないだろう。
逆に種馬目的の女性を自由に抱けるのならハーレム状態に喜んでしまう気がするが、下の話をここでは出来ない。

「拓様、勇者様、挨拶をさせて頂いても良いでしょうか。初めまして拓様、私 サリナ・マクニスと申します。」

この場に不釣り合いな、若い女性がスカートの裾を持って優雅に挨拶をする。

「拓と申します。お名前にマクニスが付くということはサリナさんはもしかして王女様ですか?」
「はい、マクニス16世の娘になります。
 この度は、大変おめでとうございます。」
「サリナ姫の事は勇者の3人から伺っています。色々と気を使って頂いているそうで。」

サリナ姫と一緒に皆で話をし始めると、浩司が嬉しそうだ。
優雅な挨拶と化粧で拓は女性と思ったが、話してみると14,5歳位だろうか。
女性と言うより、女の子と言った方が良いかもしれない。
拓が事前に聞いる話ではサリナ姫も拓が落ち人だと知っている。
勇者3人がサリナ姫に打ち解けているので、あえて拓の事も話してある。

良い機会なので、顔を出してくれていた。
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