欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

文字の大きさ
145 / 586

145新しい仮面

しおりを挟む
「15体か、今日はこんな所ですかね。明後日、また来ますので続きをお願いします。
 ゴルゴさん、こちらが今日の分の料金になるので、作業者に支払いをお願いします。
 それから、これはゴルゴさんとサブさんの手間賃です。ありがとうございました。」

夕方になり、暗くなった所で一旦終了とし、拓が肉や素材をアイテムボックスに回収した。
帰りがけエチの店に寄って素材を引き取ってもらうと、テント泊をするのに町の外へ出て行った。


「兄貴、あのOZっていう冒険者達は何者なんすか。稽古をしていたガラとレオなんて信じられない腕だったし。」
「3人ともAランクでも上のレベルだろうな。完全に気を許す事はしないが、とりあえず信じても良さそうだ。」
「兄貴がそういうなら大丈夫だな。皆も喜んでいたっす。」

ゴルゴとサブがOZの事を話していた。

「今日はご苦労だったな。サブが皆に声を掛けてくれてスムーズに話が進んだ。」
「そんな事ないっす。兄貴がまとめてくれなかったら何も出来なかったっす。」

ゴルゴに褒められ、嬉しそうなサブ。

「何時も、サブには迷惑を掛ける。」
「迷惑なんてとんでもない。俺がこうしていられるのも兄貴のお陰っすから。」

ゴルゴはサブを抱き寄せると、キスをした。


次にOZがスラム街にやってくると、皆で作業場の掃除をして待っていてくれた。
拓が用意した湯で体を洗うと、早速作業を開始した。
前回は午後からだったが、今回は朝からなので

「30体は行けるかな。そのつもりで用意してきたから頑張って下さい。」

後はゴルゴに任せてOZが外で稽古をしていると、作業場に集まる人をゴルゴとサブが追い払っていた。

「何か問題でも有りましたか?」
「自分達も何かないかと集まって来ただけだ。サブはあの連中にも声を掛けたんだが断っておいて今更なんだが・・・」

そして、ゴルゴは子供達に解体方法を教える場として使っても良いかと打診してきた。
拓は支払う金額と解体時間に影響がなければ問題ないとし許可を出した。

改めて見るとスラム街には怪我人が多い。
逆に言えば、スラム街自体が怪我をしてまともに働けなくなった人が大勢流れているのだろう。
その日の解体が終わりOZがテントで食事を終えると、拓が壁に掛けた白衣を眺めていた。

「行って来いよ。謎の天才治癒魔導士ホワイトジャック。」
「明日の魔獣討伐に影響がない程度にしろよな。それからこれを使ったらどうだ。」

レオが渡したのは仮面。帰りがけにエチゴの店に有ったのを買ってきていた。
拓の様子を見て、多分行動するだろうと思い用意していた。
流石に、今まで使っていた仮面でホワイトジャックと名乗られるよりはマシだろう。
拓は仮面をつけてみると、気に入ったのか鏡の前でホワイトジャックとしてのポーズを考えていた。

「拓、ホワイトジャックはOZとは無関係の設定で頼む。」
「ゴルゴに案内させるなら、あの2人にも決して言わない様に口止めしろよ。
 こんなの話されたら、恥ずかしくて2度とスラム街には行けなくなるかなら。
 それに、拓が上級魔法を使えることを知られない方が良いだろ。」

拓は親指を立てて、「このホワイトジャックに全て任せておけ。」役になり切って空を飛んで行く。

「解体作業が無くなって随分と助かると思ったんだけどな。」
「ばれたら恥ずかしいで済まねぇし。ゴルゴとサブに期待するしかねぇな。」

ガラとレオは、小さくなっていく拓の姿を残念そうに見送っていた。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

一夜限りで終わらない

ジャム
BL
ある会社員が会社の飲み会で酔っ払った帰りに行きずりでホテルに行ってしまった相手は温厚で優しい白熊獣人 でも、その正体は・・・

男だって愛されたい!

朝顔
BL
レオンは雑貨店を営みながら、真面目にひっそりと暮らしていた。 仕事と家のことで忙しく、恋とは無縁の日々を送ってきた。 ある日父に呼び出されて、妹に王立学園への入学の誘いが届いたことを知らされる。 自分には関係のないことだと思ったのに、なぜだか、父に関係あると言われてしまう。 それには、ある事情があった。 そしてその事から、レオンが妹の代わりとなって学園に入学して、しかも貴族の男性を落として、婚約にまで持ちこまないといけないはめに。 父の言うとおりの相手を見つけようとするが、全然対象外の人に振り回されて、困りながらもなぜだか気になってしまい…。 苦労人レオンが、愛と幸せを見つけるために奮闘するお話です。

黒に染まる

曙なつき
BL
“ライシャ事変”に巻き込まれ、命を落としたとされる美貌の前神官長のルーディス。 その親友の騎士団長ヴェルディは、彼の死後、長い間その死に囚われていた。 事変から一年後、神殿前に、一人の赤子が捨てられていた。 不吉な黒髪に黒い瞳の少年は、ルースと名付けられ、見習い神官として育てられることになった。 ※疫病が流行るシーンがあります。時節柄、トラウマがある方はご注意ください。

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

突然の花嫁宣告を受け溺愛されました

やらぎはら響
BL
暁尚里(あかつきなおり)は赤貧ながらバイト先の黒崎(くろさき)の元で細々と働いていた。 黒崎はアルバナハルという、マナという世界人口の六割が使えるといわれる自然を操る超常能力者を多く輩出している南国の島に憧れていた。 その影響でアルバナハル語を話せる尚里。 ある日お使いを頼まれた本屋で、アルバナハルの軍事総司令官であるルキアージュに出会い、突然自分の花嫁だと告げられる。 さらに彼には今までの前世の記憶があると言われ、うさん臭さを感じる尚里。 他サイトでも発表しています。

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

【完結】自称ヒロイン役を完遂した王家の影ですが、断罪パーティーをクリアした後に王太子がぐいぐい来ます。

竜鳴躍
BL
優秀過ぎる王太子×王家の影(失業)。 白い肌に黒髪黒瞳。小柄な体格で――そして両性具有。不出来な体ゆえ実の親に捨てられ、現在はその容姿を含め能力を買われて王家の影をしていたスノウ=ホワイト。男爵令嬢として王太子にハニトラを仕掛け、婚約者を悪役令嬢に仕向けて王太子への最終試験をしていたのだが、王太子は見事その試練を乗り越えた。これでお役御免。学園を退学して通常勤務に戻ろう――――――。 そう思っていたのに、婚約者と婚約解消した王太子がぐいぐい来ます! 王太子が身バレさせたせいで王家の影としてやっていけなくなり、『男子生徒』として学園に通うスノウとそんなスノウを妃にしたくてつきまとう王太子ジョエルの物語。 ☆本編終了後にいちゃいちゃと別カップル話続きます。 ☆エンディングはお兄ちゃんのおまけ+2ルートです。

処理中です...