欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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155謎のホワイトジャック

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「拓は本当に変な事に巻き込まれるよな。俺達クリームも付き合っても良いか?」
「面倒なだけでメリット無いよ。バレた所で笑われて終わるだけだし。」

ジークに答えた拓の言葉で、本人が現状を一番理解していない事が分かった。
拓の様な上級の治癒魔法が使えるのなら、貴族としてはなんとしても抱え込みたいと考えるだろう。
それどころか、拓が複数の上級魔法を使いこなせると分かれば、いくら免責札を持っていると言っても今までの様に自由に動けなくなるかもしれない。

「俺達も付き合うに決まっているだろ。俺達も拓に仮面を渡した責任があるしな。」
「それに貴族の反応を見ると、このまま隠しておいた方が良さそうだしな。」
「だったら、フォロー要員は多い方が良いだろ。俺達も付き合うぜ。」

ガラとレオだけでなく、クリームのメンバーも拓に付き合うと言ってくれる。


サリナ姫や勇者、そして多くの貴族がスラム街にやって来ると、OZが案内を行った。
貴族達の中ではOZ、免責札を持つ拓がスラム街で一冒険者として活動しているのは周知の事だったが、この様な場所で勇者3人と免責札を持つ拓が揃うのを見て内心驚いていた。

OZは一行をゴルゴとサブに紹介すると場を離れ、サブは家の方から白衣で仮面姿のホワイトジャックを連れて来た。

「私が、謎の治癒魔導士ホワイトジャックだ。」

自己紹介で「謎」と付ける意味が分からず貴族達は一瞬「???」となったが話が続く。

「私の名を語った偽物が出てきたと聞いたのでな。
 あえてこの様な場を設けてもらった。怪我人は前に出てきて欲しい。
 拓、良い機会だ。私の治癒魔法を体験してみると良い。」

怪我人が用意されたテーブルの上に横になってもらい、ホワイトジャックは患部に拓の手を当てさせ上から自分の手を乗せた。
ホワイトジャックが拓の手を通して治癒魔法を行う。
貴族達はその素晴らしい治癒魔法に感嘆の声を上げ、治った者達はホワイトジャックに礼を伝えた。
同様に全ての患者の治療が終わると

「私は金を取るような真似はしない。今後、私の偽物が出ても相手をしない様に。」

それだけ言って、ホワイトジャックがその場を離れようとする。

「ホワイトジャック殿、待って頂きたい。その腕前をもっと広い場で活かす気は無いだろうか。」
「有難い話だがホワイトジャックは趣味でやっている。これでも普段の私は多忙でね。受ける事は無い。」

断られてもホワイトジャックに近寄ろうとする貴族達の前に炎の壁が立ち上がる。

「今回、ホワイトジャックから必要以上に貴族を近づけない様に言われています。」
「サリナ姫に頼まれて、私達勇者も護衛に回らせて頂きました。」
「これ以上ホワイトジャックにしつこく接触し、恩を仇で返す事にならないよう控えてもらえませんか。」

3人の勇者が前に出ると、貴族達はそれ以上何も言わなかった。
スラム街の人達は王都を魔獣から守っている勇者だと聞いてざわめいたが、サリナ姫が前に出ると静かになった。

「ホワイトジャック様は本当に気まぐれに現れ、治療をされているそうです。
 実は私も城にと勧誘したのですが、あっさりと断られてしまい諦めました。
 皆様も節度のある対応をお願いします。」

サリナ姫に言われ、貴族達はここでの接触は諦めることにした。
ただ、強制的な行為をする気は無いが、誰しも懐柔する考えを捨てる気は無い。それほどまでに彼の治癒魔法は素晴らしかった。
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